クモハ73 606をつくる過程で気になったことに、常磐線無線アンテナの有無がありました。
クモハ73600番台は、72系を地方線区に転出するにあたり先頭車が不足するために改造された車種ですが、改造当初は多くが東マト配置で常磐線で活躍しています。
クモハ73 600番台偶数車でも南ヒナの624(以前に604と描きましたが誤記です。)や西ナハの610にはアンテナ台座があるのですが、どうやら606には無いようです。
昭和40〜50年台の常磐線と言うと、列車無線アンテナが必須のように感じますが、72系の場合、中間封じ込めになる先頭車にはアンテナを設置していないケースもあるようで、クモハ73でも900や902もアンテナは未設置だったようです。
そんななか、資料調べで鉄ピク2000年5月号の72系特集を見ていて気になる一枚を見つけてしまいました。
それが、68年1月に鶯谷駅で撮影されたというクモハ73 615で、行先表示が「取手」行きになっていることから常磐線で運用中の写真であることは間違いありません。
このクモハ73 615は67年12月に改造となっているため、改造一か月後の写真となりますが、この615号は改造後は東ウラ配置で、一度も松戸区に配置になったことは無いようです。
写真では所属標記が確認できないのですが、短期貸出なのかも知れません。
問題は、このクモハ73 615は常磐線列車無線アンテナが無いことで、この状態のまま営業列車の先頭に立っていることになります。
常磐線無線アンテナについては、これを設置していない車両は常磐線には乗り入れできないと聞いていましたが、この写真でも分かるように、どうも早い段階から徹底してはいなかったのではないかと思います。
485系や415系にはアンテナはありませんが、国鉄時代末期の改造のキニ58にはアンテナがあったりと、どうも常磐線無線アンテナについてはわからないことが多すぎます。
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