吉野神宮駅【奈良県】(近鉄吉野線。2021年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
奈良県中部・吉野町は、吉野川南岸の製材所が集中する市街地に位置する近鉄吉野線の駅で、駅名の通り吉野神宮への最寄駅であり、以前は吉野川沿いにあった貯木場への引込線が分岐していた、
吉野神宮駅 (よしのじんぐうえき。Yoshinojingu Station) です。
 
 
駅名  
吉野神宮駅 (F 56)  
 
所在地  
奈良県吉野郡吉野町   
 
乗車可能路線  
近畿日本鉄道:吉野線  
 
隣の駅  
橿原神宮前方……大和上市駅   
吉野方……………吉野駅  
 
訪問・撮影時  
2021年11月  
 
 

 

吉野神宮駅は地平駅ですが、駅前よりやや高い位置にホームがあります。
西側の上り線ホームに面して駅舎があります。
東側に駅舎・改札口はなく、東側から駅へアクセスするには約140m北のガードまたは約120m南の踏切を通って西側へ回る必要があります。
 
駅舎は吉野神宮の社殿をイメージしたようなデザインが特徴的で、新しいのか古いのかわかりません。もし古い場合は間違いなくリニューアルされています。
駅外と駅舎の間には高低差があり、正面の階段と右側のスロープで結ばれています。また、駅舎と上り線ホームの間には段差がなく、上り線ホームと下り線ホームを結ぶ構内踏切の前後にもスロープが設置されているため、吉野神宮駅はバリアフリーに対応しています。
出入口手前には小さな駅前広場があり、バス停留所とタクシー乗り場があります。バスの本数は少ないようですが、特急停車駅であり、吉野神宮への徒歩移動に難があるため、タクシーが待機している事が多いです。但し、タクシーがいない場合もありますので、確実にタクシーに乗りたい時は事前に配車の予約をお勧めします。
写真は2枚とも東方向を望む。
 
 

駅前です。駅出入口より西を望む。後方に駅舎があります。
駅前には郵便局、お好み焼店、食堂、喫茶店がありますが、観光客向けの土産物店や商店・コンビニは存在しません。
駅前は住宅地です。
余談ですが、約200m西にある整然とした住宅地の場所は、過去の空中写真を見ると自動車教習所らしき施設があったようです。
 
 

駅前です。南を望む。左手に駅舎があります。
正面には吉野神宮の一ノ鳥居があります。
駅南側は山並みが迫っており、右前方に見える山の頂上付近に吉野神宮が鎮座しています。
駅から境内まで約1.4kmですが、上り坂が続き、途中から歩道がなくなるため、徒歩移動は体力的にきつく、道路の交通量も多いため危険です。バスやタクシーでのアクセスが賢明です。
また、吉野神宮へ至る道路沿いは、中腹まで宅地化されており、4階建ての集合住宅も存在します。
そして、近鉄吉野線は吉野神宮が鎮座する山の東側、丹治川の谷を南下しており、近鉄線の東側の谷には、丹治川に沿って南北方向に集落が形成されています。集落のすぐ東側は山地です。
 
 

駅前です。北を望む。右手に駅舎があります。
駅北側も住宅地が広がっていますが、すぐ先に崖があり、崖下には近鉄線の東西とも製材所や材木店が集中しています。
製材所エリアのすぐ北側を吉野川が東から西へ流れています。
吉野神宮駅前からは吉野川の対岸、大和上市駅付近の住宅地や山地を望めます(写真奥)。
また、約750m北東には貯木場があります(東京の新木場のような水上の貯木場ではありません)。
その貯木場には昔、吉野神宮駅から専用線(貨物線)が延びていました。
専用線は複雑な路線網を築いており、貯木場前でスイッチバックする形で吉野線をくぐり、西側の製材所地帯まで延びていました。遺構が一部残っているようです。
 
 

 

改札口です。2枚とも出入口より概ね東を望む。
以前の吉野駅は有人駅でしたが、特急停車駅にもかかわらず2021年1月6日に無人化されました。改札窓口は扉が閉じられ、出札窓口は板で閉鎖されています、代わりに右側の自動券売機前に古風なインターホンが設置されています。
自動改札機は設置されておらず、交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の簡易改札機が設置されています。窓口に面した右が点字ブロック設置通路で、反対の左側が幅広通路です。
改札口の右手前には出札窓口跡とインターホンがあり、さらに手前に自動券売機が2台あります。右側の1台は特急券も購入可能ですが、『青の交響曲(シンフォニー)』のチケットは購入できません。インターネット予約を使うように案内されています。また、改札内には自動精算機がありません。下車時にICカードの残高が不足した場合は一旦そのまま改札を出て自動券売機(2台ともOK)でチャージをしてから出場用の簡易改札機にICカードをタッチして下さい。
また、改札口の左手前には待合室があります(空調完備と思われます)。
そして改札を通ると上り橿原神宮前方面2番線ホームです。改札内外に段差はありません。
2番線に出て左側(北)にはトイレがあり(多機能トイレなし)、さらに進むと下り吉野行き1番線ホームとを結ぶ構内踏切へと差し掛かります。ホームと構内踏切の間の高低差はスロープで解消しているため、吉野神宮駅はバリアフリーに対応しています。
尚、吉野神宮駅構内および駅前に売店・コンビニはありません。徒歩10分圏内にコンビニは存在しませんのでご注意下さい。最寄りの店舗は約950m北東、吉野川の対岸にある「ローソン」で、遠いです。
 
 

下り2番線に設置されている建植式駅名標です。非電照式です。
近鉄の新デザインで、駅ナンバリング「F 56」が大きく書かれています。
駅ナンバリングは吉野線のラインカラーである緑地に白文字です。
 
 

 

吉野神宮駅は相対式ホーム2面2線の地平構造ですが、前述の通り西側の駅前から見てやや高い位置にあります。東側は駅外との高低差がほとんどありません。概ね南北方向にホームが延びています。
右ホーム(西)が1番線で上り橿原神宮前方面・大阪阿部野橋方面、左ホーム(東)が2番線で下り吉野方面です。
ホーム有効長は4両分で、ホームドアはありません。ホーム幅は全体的に狭く、各ホームとも吉野方の端(奥)はかなり狭くなっています。
上屋は橿原神宮前方(手前側)の2両弱分に設置されています。雨天時に当駅で下車される場合は橿原神宮前方の車両にご乗車になって下さい(下りは後方車両、上りは前方車両)。
各ホームにはベンチ設置されていて、1番線の橿原神宮前寄りにはトイレもあります。
そして各ホームの橿原神宮前方の端には構内踏切があり、1番線中ほどに面して駅舎と改札口があります。
上写真は構内踏切より、下写真は2番線より、いずれも吉野方を望む。
 
 

また、2番線の左側にはかつて貨物側線がありました。側線は2本ありました。レールが一部残されています。
左側には貨物ホームらしき跡が残っています。
そして、貨物ホーム跡らしき構造物の向こう側で、吉野方から左へ専用線が分岐していました。
写真は吉野方を望む。
 
 

こちらは2番線より橿原神宮前方を望む。
2番線の右側には貨物側線跡のレールが残っています。
奥に見える貨物ホーム跡の手前で専用線が右へ分岐していました。
また、2番線ホームですが、貨物側線があった頃は島式ホームとして使用されていたと思われます。ホームの橿原神宮前方(奥)に痕跡が見られます。
貨物側線の廃止後、ホームが手前の吉野方へ延伸された模様です。
 
 

 

上写真は2番線より、下写真は構内踏切より、いずれも橿原神宮前方を望む。
ホーム端に構内踏切とスロープがあります。スロープには屋根がありますが、構内踏切には屋根がないので、雨天時は傘が必要です。
また、構内踏切の先で2番線に1番線が合流しますが、1番線には安全側線があります。右側からは貨物側線が合流していましたが、分岐器などは撤去されています。
この先、地形の関係で盛土高架になって製材所地帯の中を北上しますが、途中で専用線をオーバークロスしていました(専用線のトンネル跡が残っています)。そして撮影ポイントである吉野川を渡ると左右に町並みを見ながら国道169号線をオーバーパスし、山並みが正面に迫ってくると左へカーブして西寄りに進路を変え、特急停車駅である大和上市駅へと至ります。大台ヶ原方面のバス路線と接続しており、登山客の利用が多い駅です。
 
 

1番線より吉野方を望む。少し先に踏切があります。
左の2番線が1番線に合流します。安全側線はありません。また、2番線の左側には貨物側線の引上線と思われる線路跡が確認できます。線形や地形の関係で、専用線入りする貨物列車は橿原神宮前方から2番線東側の貨物側線に入線してから左側の引上線へと進み、スイッチバックして専用線に入っていたと推測されます。
この先、右側に吉野神宮が鎮座する山が迫ってくると丹治川を渡り、右側に山林を、左側には丹治川や谷に形成された集落、田園を見ながら連続上り勾配で南下します。そして集落が途切れ、左からも山並みが接近すると右へカーブして終着駅の吉野駅へと至ります。吉野桜で有名な吉野山方面へは吉野ロープウェイに乗換です。駅前に発着する吉野町コミュニティバス「スマイルバス」でも吉野山へアクセス可能です。ロープウェイもバスも事前に時刻をご確認下さい。
 
 
あとがき  
私が吉野神宮駅で下車(乗車)したのは2021年の1度きりです。近鉄吉野線を乗り鉄時に下車しました。2面2線の小さな駅で、駅舎は小さいながらも立派でしたが、2021年1月に無人化されました。駅前は住宅街ですが、北側の吉野川沿いは製材所など材木関係の事業所が多いです。駅名にある吉野神宮は約1.4km南西の山中にあり、歩道がろくに整備されていないため、ご参拝はバスまたはタクシーの利用が賢明です。
 
東京からですと東海道新幹線で京都駅まで行き、近鉄京都線の京橿特急(橿原神宮前行き)に乗り換えて終点の橿原神宮前駅で下車。さらに吉野線の特急・吉野行きに乗り継いで当駅下車です。近鉄線内は急行や普通の乗り継ぎでも到達可能です。若干タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪阿部野橋駅から近鉄南大阪線の吉野特急(吉野特急)または急行に乗車して当駅下車です。急行以下でご訪問の場合、データイムは橿原神宮前駅で吉野線の普通列車に乗換となります。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは約950m北東、吉野川の対岸にある「ローソン」になります。必ず事前に用意して下さい。
 
東京からの到達難易度がやや高いですが、近鉄吉野線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は吉野神宮駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:近畿日本鉄道のHP、アメブロ「廃鉄の処女Ⅱ」、地理院地図、Google地図、Wikipedia)