/リニア・鉄道館 第11回企画展/ 22年3月〜23年1月 

 東海道新幹線の進化 〜300系新幹線電車のデビューと果たした役割〜 

 

 

1.「夢の超特急」誕生と進化

 〜東海道新幹線のはじまりから高速化への技術開発、その活躍〜 

戦後の日本経済発展に伴い、昭和30年代の東海道本線での輸送需要が急増し、東海道新幹線の増設が決まる 新幹線の開発は目新しい技術ではなく、在来線で培った信頼できる既存の技術をもとに進められた 建設工事は5年半の工期で完成できたが、そこには戦前の弾丸列車計画をはじめとする高速鉄道への想いが刻まれている 東海道新幹線の成功は国内外に大きな影響を与えることとなった 

(参考 京都鉄博にあったパネル)

 

2.モデルチェンジ車と「スーパーひかり」構想

 〜新幹線分科会による調査研究や構想〜 

国鉄は東海道新幹線開業後も継続して新幹線技術の研究開発を実施してきた 1980年代には将来を見据えて開発すべき新幹線車両の検討を開始し、その中には0系の後継車両が含まれていた 1985(昭和60)年、モデルチェンジ車として接客設備を大きく改良した100系車両が誕生し、営業運転を開始した この開発と並行して、将来における車両高速化を目標とした「スーパーひかり」開発も進められていた 

 

3.JR東海の誕生と東海道新幹線の輸送力増強

 〜発足時の情勢と輸送力増強の必要性〜 

1987(昭和62)年、国鉄分割民営化に伴いJR東海が誕生した 当時の好景気にも後押しされ、東海道新幹線の輸送量は年々増加し、ダイヤ改正の都度「ひかり」増発や延長運転、所要時間短縮に努めてきたが、既に輸送力は限界に達しており、抜本的な輸送力増強が大きな課題となっていたため、運行本数を増やす方法の検討を進めた 1988(昭和63)年、東海道新幹線の大量高速輸送機関としての将来にわたる優位性を確保するため、東京〜新大阪間を2時間30分で結ぶ時速270km運転の早期実現に向けて、JR東海内にプロジェクトチームが設置された 

(パンフより)

 

4.300系新幹線電車の開発と「のぞみ」デビュー

 〜車両の開発から運転開始に至る経緯〜 

1987(昭和62)年にJR東海が誕生し、翌年から本格的に300系車両の開発に着手した 時速270km運転実現へ向けた最大の課題は車体の軽量化と考えられ、分野を越えて様々な最新技術を結集し、1990(平成2)年に量産先行試作車を完成させた 2年間の走行試験を経て、1992(平成4)年のダイヤ改正において300系車両は「のぞみ」としてデビューした 

(パンフより)

 

5.300系新幹線電車の活躍と東海道新幹線の進化

 〜「のぞみ」の増強や営業施策、700系新幹線電車の開発〜 

1992(平成4)年に東京〜新大阪間で誕生した「のぞみ」は、1年後に博多延長・毎時1本運転を果たし、東海道・山陽新幹線は「のぞみ」の時代に突入した その後も車両開発、地上設備の改良、環境対策を着実に進め、2003(平成15)年、新幹線品川駅開業に合わせて、全列車時速270km化が実現し、東海道新幹線は「第二の開業」とも言える新しい時代を迎えた 

 

6.300系新幹線電車の果たした役割とその後の東海道新幹線

 〜300系の引退や、その後の東海道新幹線車両の変遷〜 

1992(平成4)年にデビューした「のぞみ」は進化を続け、2003(平成15)年には品川駅開業と全列車最高時速270km化によって飛躍を遂げた 東海道新幹線は安全性・快適性・利便性・速達性および環境性能等を磨き上げ、2020(令和2)年には全ての車両が最高時速285kmに統一され、新たにN700Sが運行を開始した これからも社会のニーズに応じた高品位なサービスの実現に向けて進化を続けていく 

 

 

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車両は常設展示なのでいつでも見ることができますが、今回の企画展は23年1月末までなので興味のある方はお早めに 

企画展はリニア・鉄道館への通常入場で見ることができます(大人¥1000、小中高生¥500、幼児¥200)

図録は¥1500です 内容も濃くってオススメですよ

 

(参考文献:リニア・鉄道館 第11回企画展 図録、現地展示、他) 

 

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