生野駅【兵庫県】(播但線。2018年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県朝来市南部の山中に位置する播但線の主要駅で、かつては近くに生野銀山が存在しており、駅前には銀山で栄えていた時代の名残をとどめる古い市街地が広がる、
生野駅 (いくのえき。Ikuno Station) です。
 
尚、以前にも生野駅の記事をUPしています。ほぼ同内容です⇒記事はこちら。  
 
 
駅名  
生野駅 (駅番号なし)  
 
所在地  
兵庫県朝来市 (旧・朝来郡生野町)   
 
乗車可能路線  
JR西日本:播但線  
 
隣の駅  
姫路方………長谷駅  
和田山方……新井駅  
  
訪問・撮影時  
2018年3月
 
 

 

生野駅は地平駅で、現在は東西に駅舎があります。
駅構内に正式な東西自由通路はありませんが、生野駅は簡易委託駅ゆえ改札は行われておらず、ホーム間の跨線橋を利用して自由に東西間を行き来可能です。但し跨線橋には階段しかないため、車いすの場合は駅のすぐ南北にある踏切へ迂回する必要があります(但し、北側の踏切はポールにより通行が困難な可能性があります)。また、跨線橋がバリアフリー非対応であることから車いすの場合は行先ごとに入場するホームを選択する必要があるため、踏切へ迂回が必要な場合があります(姫路方面は西口、和田山方面は東口)。
 
写真は現在のメインの出入口である西口駅舎です。東を望む。
東口が手狭で大型の路線バスが乗り入れられなかったことから、駅前広場と同時に2009年に新築されました。
レトロなデザインですが、後述の東口駅舎より全然新しいですww 
駅舎には朝来市観光情報センターが併設されていて、レンタサイクルの貸出のほか、おみやげも販売しています。
出入口に段差がありますが、階段とスロープ(左)によりバリアフリーに対応しています。出入口前には飲料自動販売機があります。
西口にはロータリーはないものの、駅前広場や駅前道路が整備されています。駅舎前にはバス停留所があり、大型のバスも乗り入れ可能です。タクシーは常駐していませんのでご注意下さい。
 
 

西口駅前です。西を望む。後方に西口駅舎があります。駅前広場にはモニュメントがあります。
駅西側は元々「駅裏」だったため、民家などの建物は少ないです。山並みが駅近くまで迫っています。
正面を左右方向(南北方向)に国道312号線が延びています。
写真前方の国道312号沿いにはコンビニエンスストア「ローソン」があります。
 
 

西口駅舎内です。出入口より東(ホーム方)を望む。
生野駅は簡易委託駅であるため出札業務(きっぷの販売)しか行っておらず、改札業務は行っていないため自由に入出場可能です。
現在は交通系ICカード『ICOCA』などに対応の簡易改札機が設置されています。自動券売機はありませんが、現在はホーム側にICカードチャージ機があります(千円札以下のみ対応)。きっぷ回収箱もホーム側にあります。
左側には出札窓口がありますが、早朝と夜間は閉鎖されます。『みどりの窓口』ではありませんので、近距離各駅~中距離主要駅の乗車券・回数券および自由席の特急券しか購入できないと思われます。
窓口の奥の左側にはトイレと多機能トイレがあります。
右側には待合室があり、その奥の右側には朝来市観光情報センターがあります。
そして駅舎の先は上り姫路方面2番のりばで、通路は広いです。若干の高低差はスロープで解消していて、点字ブロックも設置されており、バリアフリーに対応しています。
尚、和田山方面1番のりばや東口へは2番のりばに出て右手にある跨線橋で連絡していますが、前述の通り跨線橋には階段しかありません。車いすで駅西側から和田山方面へ行かれる場合は駅南側の踏切へ迂回して東口から入場して下さい。
生野駅構内に売店・コンビニはありません。西口のすぐ西側にコンビニ「ローソン」があります。
 
 

こちらは元々の正面口であった東口駅舎です。西を望む。
国鉄時代の1960年(昭和35年)に改築されました。地方主要駅でよく見られた鉄筋コンクリート造平屋建てで横長の駅舎です。
駅舎の床面がホーム高さに合わせられている事から駅外とは高低差があります。こちらも階段とスロープで段差を解消しておりバリアフリーに対応しています。
出入口には郵便ポスト、電話ボックス、観光案内図が設置されています。
東口にも駅前広場があり、小さなロータリーが形成されていますが、広場自体が狭く、駅前道路も狭くて拡幅困難なため大型バスが乗り入れられず、この事が西口への駅前広場整備、駅舎新設につながったと思われます。しかし、小型バスは乗り入れ可能なため、バス停留所が設置されています。
 
 

東口駅前です。東を望む。後方に東口駅舎があります。
こちらの駅東側には市街地が広がっています。駅前に商店がありますが、商店の数自体は少ないです。左側には廃業した駅前食堂があり、風情ある建屋が印象的です。
旧・生野町の中心市街地は約800m北東で、朝来市生野支所、但陽信用金庫会館、生野マインホールなどがあります。中心市街地には鉱山の町として繁栄していた頃からのレトロな建物も複数残っています。
また、観光地として有名な生野銀山跡(史跡生野銀山)は約4km東の山中にあります。路線バス(本数が少なく事前に時刻の確認が必要)またはレンタサイクル(西口の朝来市観光情報センターにて貸出)の利用が便利です。
生野駅東側と生野銀山の間には国道429号線が通っていますが、国道に並行して市川が流れています。その市川に沿って生野銀山で産出された銀鉱石などを生野駅まで運ぶトロッコ軌道がありましたが既に廃止され、現在は生野駅近くの市川沿いなどに一部廃線跡が保存されています⇒生野銀山トロッコ軌道の廃線跡探訪の記事はこちら
最後に、生野地区には瀬戸内海へ流れる市川水系と日本海へ流れる円山川水系の分水嶺があり、市街地北側の生野北峠が境になっていると思われます。
 
 

こちらは東口駅舎の内部です。出入口より西を望む。
無人化されて久しいですが、窓口(閉鎖)や改札ラッチは残っています。現在はラッチにあるきっぷ回収箱が移設され、『ICOCA』の簡易改札機が設置されています。ラッチ左手のホーム側にきっぷ回収箱とICチャージ機があります(千円札以下のみ対応)。
改札口の跡は窓口に面した右側が点字ブロック設置の幅広通路になっています。
左手には飲料自販機と待合室(後述)があります。
トイレは以前あったと思われますが、現在は閉鎖されている可能性が高いです。その場合は西口の設備をご利用下さい。
そして改札跡の先は下り和田山方面1番のりばで、段差なく移動できます。
尚、姫路方面2番のりばや西口へは1番のりばに出て左手にある跨線橋で連絡していますが、前述の通り跨線橋には階段しかありません。車いすで駅東側から姫路方面へ行かれる場合は駅南側の踏切へ迂回して西口から入場して下さい。
東口側も構内に売店・コンビニはありません。東口駅前に商店「やまさきや」があり、駄菓子、パン、書籍などを販売しているようです。
 
 

 

こちらは東口駅舎南側にある待合室です。南を望む。
本格的な待合室ですが、冷暖房はありません。
壁面には生野の町並みを紹介した写真や、播但線を走っていたSL(蒸気機関車)の写真が展示されています。
 
 

上り1番のりばに設置されている吊下式駅名標です。電照式で、バックライトは蛍光灯と思われます。
JR西日本の標準デザインで、地方サイズです。隣駅欄は文字の間隔が離れています。
下部は播但線のラインカラーであるワインレッドに塗られています。
尚、播但線には駅ナンバリングが導入されていません。
 
 

こちらは下り2番のりばに設置されている建植式駅名標です。非電照式です。
福知山支社独自の黒縁タイプで、自駅名の文字が離れています。
 
 

こちらは跨線橋の2番のりば側に書かれている駅名標です。
昔はこのような駅名標が多々見られましたが、時代とともに減少しています。
生野駅の場合は比較的近年に書き直されたようで、今後も跨線橋を使用し続ける限りはこの駅名標も存続してほしいですね。
 
 

 

 

生野駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、南北方向にホームが延びています。ホームはカーブを描いています。
 
のりば番号は昔から駅舎がある東口側から付番されています。
右ホーム(東)が1番のりばで下り和田山方面、左ホーム(西)が2番のりばで上り寺前・姫路方面です。1番のりばと2番のりばの間隔が広いですが、かつては中線があったかもしれません。
また、普通の駅とは違い上下線逆転の右側通行になっていますが、これは北の和田山方からは連続上り勾配となっていて、和田山方から見て駅構内は左側にカーブしており、さらに左側分岐であるため、左側通行では勾配途中で分岐制限を受けてしまうので、勾配で減速してしまうと蒸気機関車はホームへの停車が困難だった(手前で止まってしまう)からです(Wikipediaより)。
 
ホーム有効長は7両分で、ホーム幅は中ほどこそ一定の広さが確保されていますが、両端は狭くなっています。
上屋は各のりばとも中ほどの約2両分に設置されており、南側(姫路方)は跨線橋と連続しています。特急『はまかぜ』は3両編成または6両編成であるため、雨天時は上屋からはみ出る車両があります。雨天時の乗降は要注意です。
2番のりばのみホームにベンチと飲料自動販売機が設置されています。1番のりばは駅舎内に待合室(ベンチあり)と飲料自販機があります。
両ホーム間は姫路方(手前側)にある跨線橋で結ばれています。跨線橋は木造で古く、屋根付きです。
1番のりばの上屋に面して東口駅舎(無人)があり、2番のりばの上屋に面して西口駅舎(昼間は有人)があります。
 
上2枚は2番のりばより、下1枚は跨線橋より、いずれも和田山方(北)を望む。
 
 

 

こちらは2番のりばより姫路方(南)を望む。
両のりばとも後にホームが延伸されています。
 
 

 

上写真は跨線橋より、下写真は1番のりばより、いずれも姫路方を望む。
播但線は北半分の寺前~和田山が非電化区間で残っています。
また、右側の2番のりば(上り線)の安全側線はやや長くなっています。上り勾配で加速した列車が減速せずに暴走した場合に備えているのでしょうか?
この先、下り勾配になりますが、おそらく生野駅が播但線で一番標高が高い駅であり、生野駅またはその付近が播但線最高地点であると思われます(標高約305m)。
下り勾配で市街地を離れると国道312号をアンダーパスします。直後に左から市川が寄り添い、並走を始めます。しばし南下したのち右へカーブすると播但線の強敵である播但連絡道路(播但道)をアンダーパスして、何度も市川を渡りながら渓谷風景の中を南西へ走ります。途中にはトンネルもあります。しばらくして神河町に入っても山間部が続きますが、やがて右側が開けてくると長谷駅(はせえき)へと至ります。
 
 

2番のりばより和田山方を望む。
これより先は連続下り勾配になります。
この先、下り勾配で市街地を北上するとすぐに生野トンネルに入ります。生野トンネルを出ると市街地を離れ、この付近に端を発する兵庫県北部最大の河川・円山川の谷を下り勾配で北上します。この辺りの円山川はまだ川幅が狭いです。国道312号や播但連絡道路と並行して北上すると右側が少し開けてきて、円山川沿いに田園地帯が広がるようになります。また、この付近の岩津地区は朝来市の特産品である「岩津ねぎ」の産地でもあります。さらに北上すると左側も山が遠ざかって谷が開けてきて、神子畑川を渡り左側にまとまった住宅地が見えてくると新井駅(にいえき)へと至ります。
 
 
あとがき  
私が生野駅で下車(乗車)したのは2013年、2018年の計2度です。2013年は生野銀山トロッコ軌道の廃線跡を探訪するために利用し、2018年は兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇済)。2面2線の駅で、東側に旧駅舎が、西側に新駅舎がそれぞれ存在します。西口駅舎の方が新しいものの、レトロなデザインを採用しています。駅前は市街地で、東口の北側にはレトロな建物が残っています。一方、生野銀山は徒歩では少々遠いため、バスまたはレンタサイクルの利用がおすすめです(バスは便数が少ないのでご注意下さい)。
  
東京からですと東海道・山陽新幹線で姫路駅まで行き、播但線特急『はまかぜ』に乗り換えて当駅下車です。普通列車の場合は途中の寺前駅で和田山方面行きに乗換となります。若干タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の新快速で姫路駅まで行き、以降は上記と同じルートで到達できます。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、西口駅前にコンビニ「ローソン」が、東口駅前に駄菓子やパンなどを販売する商店があります。一方、駅前に気軽に入れる飲食店はありません。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、
播但線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は生野駅でも途中下車してみて下さい!
そして生野銀山などを観光される際はぜひ播但線をご利用になり、生野駅も観察してみて下さい!
 
(参考:日本の金属鉱山、地理院地図、Google地図、Wikipedia)