大阪駅うめきたエリア「顔パス」改札機の実証実験 ゲートなし、シームレス移動に挑戦



JR西日本は12月21日、「顔認証改札機」の実証実験を大阪駅などで実施すると発表した。「顔パス」による新しいチケットレス認証手法を検証する。

大阪駅の新しい地下駅施設「うめきたエリア」の改札口(うめきた地下口、2022年12月の工事中に撮影)。ここに顔認証改札機が設置される。【撮影:草町義和】

大阪駅では来年2023年3月18日から、同駅北側の再開発エリア(うめきた2期)に整備した地下駅施設「大阪駅(うめきたエリア)」の使用を開始。このエリアの改札口(うめきた地下口)に顔認証改札機を設置する。

JR西日本が公表した顔認証改札機のイメージによると、カメラのほか側面にディスプレイ、床にプロジェクション案内を設置。一方で従来型の自動改札機のようなゲート(フラップドア)は描かれていない。同社は「近未来を感じさせる革新的なデザイン」としている。新大阪駅の東口改札にも簡易的な顔認証改札機を設置する。

うめきた地下口に設置される顔認証改札機のイメージ。【画像:JR西日本】
新大阪駅にも簡易的な顔認証改札機を設置して大阪~新大阪で実証実験を行う。【画像:JR西日本】

実証実験では顔認証改札機を人が通過する際に顔の画像から特徴点データを抽出。このデータを顔認証用サーバーに送信し、あからじめサーバーに登録されている実証実験参加者の特徴点データと照合する。照合結果が合致していれば改札機をそのまま通過できる。抽出した特徴点データは照合後、ただちに削除される。

顔認証改札機のシステム構成。【画像:JR西日本】

3月18日から当面のあいだ、大阪~新大阪で実証実験を行う。実証実験に参加できるのは大阪~新大阪の区間を含む「ICOCA」定期券の所有者で、あらかじめモニター登録した人。モニターの募集方法などは2月頃に案内される予定だ。JR西日本は「次世代のシームレスな移動サービスの構築に向けた挑戦と位置づけ、顔認証改札機の開発を行いました」としている。

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