年末のご挨拶に代えて | こぴっとちぴっと

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やってみたいことをやってみた

新長田にある原寸大 鉄人28号。作者の横山光輝ゆかりの地ということで、他にも三国志ストリートがあります。

阪神淡路大震災からの復興のシンボルという意味もあります。各地に原寸大ガンダムは多いですが鉄人28号はここだけでしょうか?

https://kobedx.kobe-np.co.jp/n/n89b547f5c240

いっそ、ここに色々なロボットを林立させればヲタク映えスポットになるでしょう。私の希望はマクロスVF1-Jとパトレイバー98式イングラムを。誰が銭だすカヨ…

 

 

 

 

 

地下鉄海岸線で新長田駅に来ました。

映画「踊る大捜査線」スピンオフ「交渉人 真下正義」の舞台となった小さなリニアモーター式地下鉄です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

JR新長田駅と地下鉄駅通路が交差する場所にある駅ピアノを弾きにきました。

 

今年初めてストリートピアノデビューをしましたが、まさか自分の意志でそんなことをするとは思いませんでした。

最初は緊張しましたが、他人は自分が思うほど自分のことなど見ていないことを実感し、聴かせるために弾いているんじゃない、練習するために弾かせてもらってるんだ…と思うようになると、全然緊張しなくなりました。

実際、グランドピアノがタダで弾けるなんてことは有難いことです…地下鉄乗車券は買っていますが。

 

ところで、安く元がとれた1日フリー切符が廃止され、初代兵庫県庁入場券抱き合わせ切符600円になっていました。地下鉄3回乗り降りすれば元はとれるんですがね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新しく開拓した震災資料展示広場「神戸ウォールギャラリー」のヤマハ製の白いピアノ。

 

 

 

 

ウォールギャラリーとは、かつてこの地にあり第2次大戦時 神戸大空襲と阪神淡路大震災で役立った防火壁に因んだ名前。

震災の記憶展示物を見ていると、もう忘れていた記憶が淡々と蘇ります。あんな被害を上回る災害は当分来ることはないだろう…と思っていたら、東日本大震災で覆されました。

行方不明者が次々に増えていくのを知る絶望感…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銭湯に浸かって夕刻戻って来たら、JRが人身事故でストップしていました。JRの方が地下鉄より安いし、次はJR神戸駅近くで買い物しようと思っていたのに…

JR利用者が振替で地下鉄に流れ込んできて、小さな車体の地下鉄は過密なうえにイライラが募る乗客でごった返していたので、その渦中から遠ざかりピアノを弾いていました。

年の瀬に列車を自殺の手段にした一個人のことなど思い諮ることもなく、予定を狂わされたことにただ憤っている人が多いようです。

 

鈍感になってやり過ごす、いちいち心を過敏に動かして反応していたら参ってしまう…

大震災の時は、下宿が半壊になり、死と隣合わせでしたが、同じように自己防衛本能かで鈍感になり、逆にちょっとしたことでも腹の底から大笑いするようなことが自分にもありました。

座屈したビルに圧し潰されてお尻の部分だけ無傷だったスカイラインGT-Rを見て、ゲラゲラ笑いがこみ上げてきたのでした。愛車を潰された持ち主からしたら激怒される案件…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何気ない日常がいかに尊く貴重なことか、無くした時に分かると言いますが、それも過ぎ去ればすぐ忘れてしまうもんです。忘れなければ立ちいかなくなるし。遠く近くで命が奪われていてもだんだんそれに慣れてしまうし。

 

ロシアが火をつけ、火に油を注いで、反攻を招き、自国が燃え落ちようとしていますが、日本を取り囲むロシアを含む国々も火を点けかねない不穏な隣人であり、もう日本も火宅の中で過ごしているのかもしれないというか、戦争・災害・経済不安・人口減少・食料危機・変異ウィルスと表裏一体であろうし…

 

そんな中で、ピアノを弾いたり、プラモを作ったり、銭湯を堪能したり、焚火料理をしたり。鉄人28号を見上げてロボット広場にすればいいなどと勝手なことをぬかしたりして。さらにタダで弾くこのKAWAI製ピアノの音が悪いと嘯いてみたり。

不安で先行きも見えませんが…列車に飛び込む命の絶ち方はヤだなぁ。痛いし怖いし。でも、飛び込んだ人も1年前はそんなことするとは自身でも思ってなかったかもしれません。

 

 

 

 

「運命」とは命を運ぶ…スプーンに命を載せて、落とさないように恐るおそる進んでいるというイメージが浮かびます。

逃げて再起を図るというのでいいです。生物はそうして命をつなぐのが本筋なのに、人間はなぜか「逃げるな!」とやって他に道があるかもしれないのに死に急いでしまいます。逃げずにそうするから、一億玉砕を叫んだり、若き白虎隊のように昇った煙を勘違いして自刃したり、新撰組のように農民や商人が武家より武人であろうと理想を高望みし過ぎて鉄の掟を拵え、最後は雁字搦めでそれに滅ぼされたりするノダ。

三島由紀夫なんて本心は女性なのにそれを隠すために男らしさや勇ましさの鎧を纏って身を滅ぼしたに違いないかと。賢すぎて理詰めでアホになり…

渦中から逃げた先でピアノも弾いていると、最初は到底無理だと思っていても何となく弾けるようになるし。転んでもタダで起きなければいいし。

 

来年も明るかろうが暗かろうが、先行きが見えなかろうが、ゆっくり命を落とさず運びましょうか。

NHK「ドキュメント72時間」で泥んこ公園に集う不登校少女の一人が来年の抱負を尋ねられ、「とりあえず生きておく」との至言を答えていました。