鉄道の種別には各駅停車をはじめ急行や特急といった速達種別や快速特急や通勤快速、区間準急といった様々な種別があります。その中でも特急準急などは略称で略さずに呼称すると「特別急行」、「準急行」といった風になります。つまり急行の派生種別といっていいものですね。何が言いたいかというと派生種別である特急や準急があるにはその元である急行がないとおかしいのではないかと思っています。しかしながらその前提を覆す鉄道があります。京成電鉄です。ちゃんと言うと京成グループですね(北総・芝山・新京成込み)。京成本線・押上線には急行が設定されてなく特急があるという状態が長年続いていますが2022年11月のダイヤ改正で京成グループ唯一の急行である北総線の急行が消滅しました。これにより特急あるのに急行ないという私鉄グループが爆誕しました。今回は急行が消える流れを追っていきたいと思います。

京成本線の急行

停車駅:上野・日暮里・町屋・千住大橋・堀切菖蒲園・青砥・高砂・小岩・国府台・市川真間・八幡・東中山・船橋・船橋競馬場から先の各駅

京成本線の急行が一番消滅が早くこのブログが書かれている20年前の2002年のことになります。当時の停車駅は上野・日暮里・町屋・千住大橋・堀切菖蒲園・青砥・高砂・小岩・国府台・市川真間・八幡・東中山・船橋・船橋競馬場から先の各駅でした。空港まで行く列車は少なく成田か東成田まで行くのが多かったそうです。急行と言っている割に上野線区間の停車駅の多さが目立つにも関わらず東武伊勢崎線の乗換駅である関屋は通過するという謎の設定になっています。快速の停車駅もそこそこ多い印象がありますが急行はそれ以上に「急いで行かない」列車となっています。2002年の改正で新設される快速に置き換えられ消滅しました。快速はこの時にできたんですね。

押上線の急行

停車駅:(京急線・浅草線)・押上・京成曳舟・京成立石・青砥・(京成高砂・一部北総線方面)

 

京成本線の急行消滅後も2010年まで走っていました。基本的に西馬込-高砂までの運行だそうですが夜に高砂から先引き続き北総線急行として印旛日本医大まで乗り入れる列車もあったそうです。今の押上線はアクセス特急も快速も押上から青砥までノンストップですが急行は曳舟と立石に止まります。東武同様快速>急行という関係性です。2010年のスカイアクセス線開業と同時に廃止され京成線の急行はなくなりました。

北総線の急行

↑保存されている北総7000形に残る急行幕
 

停車駅:(京急・浅草線・押上線)・京成高砂・新柴又・矢切・東松戸・新鎌ヶ谷から印旛日本医大までの各駅

 

京成グループに最後まで残っていた急行列車であるが廃止前は平日の夜下り2本というかなり影の薄い種別でした。しかも2本とも北総の車両じゃないのも影薄ポイントが高いです。停車駅もご覧の通り北総特急と停車駅が2つしか変わらないという存在意義を疑う代物でした。すべて押上線からの直通でしたが廃止前は押上線内は各駅停車で高砂から種別を変更する形でした。2010年までは押上線から引き続き急行という形、押上線の急行がなくなった後は押上-高砂間快速として走る時期もあったそうです。結局2022年11月の改正ですべて普通列車に置き換えられ消滅しました。ちなみに2009年まではなんと東松戸が通過駅でした。

急行がない路線は京成の他に阪急京都線や山陽電鉄線などがありますが阪急は2022年12月の改正で従来の快速に西京極を停車駅に追加したうえ名称を急行に変更しました。これにより阪急京都線は急行がある路線になりました。山陽電鉄は乗り入れ先の阪神を含めて1つの路線とみると阪神側に急行があるので一応違和感なかったりします。山陽電鉄には昔オリジナルの急行がありました。
このように急行がない路線は京成の他にもありますが阪急京都線は急行がないことが気持ち悪かったのか復活させました。京成は当分このままかもしれませんね。