既に先月24日の段階で、冒頭の写真の冊子及び後掲のプレスリリースは出ていたのですが、なかなか考えがまとまらず、記事にするのが遅くなってしまいました。

 

相鉄と東急の直通、相鉄新横浜線・東急新横浜線の開業が、来年3月18日に決定しました!

 

こちらが開業日決定などをアナウンスする東急のプレスリリース↓

 

 

東急・相鉄新横浜線開業に伴い、注目されていたのは運転系統がどうなるかですが、開業後は以下のとおりとなるようです。

 

【現行】

・相鉄~JR 本線海老名方面~埼京線

【開業後】

・相鉄~JR 同上
・相鉄~東急(東横) いずみ野線方面~東横線~副都心線(一部東武東上線へ)

 日中時間帯 2本/時

 その他東武からの列車で新横浜折返しあり
・相鉄~東急(目黒) 本線海老名方面~目黒線~都営三田線(一部南北線~埼玉高速鉄道へ)
 日中時間帯 2本/時 都営三田線方面
 南北線・埼玉高速(SR)方面は新横浜折返し

開業後の懸念材料として、「運転系統が複雑になりすぎる」ということがいわれていましたが、その点はかなり考慮されているといってよいと思います。なぜなら、目黒線方面への直通は相鉄本線からの列車にほぼ一本化しますし、東横線も相鉄いずみ野線からの列車が基本となるから(一部例外あり)。そしてこれは、3年前に開業したJR直通線の行先とも関係があります。相鉄本線からの列車を東横線直通にしてしまうと、JR直通と行先がかぶってしまう問題が生じます。他方、相鉄は当初新橋・丸の内方面を目指したかったという話もあり(実際にJRに打診したところ新橋・東京方面への運行は拒否されたらしい)、それならば目黒線、それも南北線~SRではなく都営三田線方面へ向ける方が合理的だからです。そこのあたりをうまく考えた運転系統だと思います。

趣味的に注目されているのが、東武東上線からの列車がどこまで入るのかということ。相鉄線内発着の列車が設定されるとしても(何と、海老名発小川町行きという列車が爆誕するらしい)、これは東急車の限定となるでしょう。東武車やメトロ車(10000系・17000系)は、新横浜折返しとなります。

 

いよいよ相鉄車が東急の路線を走る(☆)


管理人は先日、中目黒駅で相鉄車を見ましたが、相鉄20000系が東京メトロ13000系とホームを挟んで並んでいる光景は、いまだに信じがたいものがあります。

 


来年3月以降はこの光景が日常になる(☆)

そこで、以下は管理人の趣味的見地からの個人的興味。

【東急の列車のスジ】

東横線はそれまでの菊名折返しの各停、及びその各停が廃止された跡に引いたスジを用い、渋谷~日吉間を急行として運転するようです。東横線~新横浜線~相鉄直通列車は全て急行となります。ということは、恐らくですが東急車は5050系の10Rのみが乗入れ、8Rは乗入れ無し、あっても新横浜折返しでしょう。これによって元住吉での急行通過待ちが増えるのか、あるいは上り限定だが祐天寺の待避線を生かすのか。このあたりはまだ分かりません。

他方、目黒線ですが、上りの急行は武蔵小山での緩急接続を止め、奥沢での通過待ちに変更します。これによって最大5分の時間短縮が図られるとのことですが、これによってあの通過線も本領発揮となります。

 

8R化され八面六臂の活躍が期待される(☆)

東急車は相鉄乗り入れに関し、かなり重用されることになると思われます。というのは、後述のとおり、他社局の車は相鉄の保安装置を搭載していないから。したがって、相鉄線から東横線・副都心線経由で東武東上線方面へ向かう列車、あるいは目黒線経由で南北線~SRへ向かう列車は、全て東急車での運転となります。

【相鉄車は副都心線以遠に入線する?】
メトロ車(10000系・17000系)の相鉄線入線ですが、これは「ない」といえます。なぜなら、両系列はいずれも相鉄用の保安装置を搭載していないからです。

そうなると、少なくとも和光市までは相鉄車が入るんでしょうか? もしそうだとしたら相鉄車の片乗入れとなり、車両使用料の精算がかなり面倒だと思いますが。

この車が新横浜以遠に乗り入れることは(今のところ)ない(☆)

【都営6500形の相鉄乗入れは?】
相鉄からの都営三田線乗入れは、相鉄車と東急車のみの乗入れとなり、相鉄車は都交通局から見れば「片乗入れ」となります。なぜなら、都営車は相鉄線へ入らないから。理由は言うまでもなく、相鉄用の保安装置を搭載していないからです。
ここでも前項と同様、車両使用料をどうするのかという問題が生じます。相鉄車の片乗入れだとしたら、東京都は相鉄に車両使用料を支払わなければなりません。相互乗入れを行っている各社局は、このような事態が生じないよう、互いに走行距離を同じくらいとして車両使用料を相殺する取扱いをしているのですが、東京都はそれができない状態です。

 

6500形には相鉄の保安装置は搭載されていない(☆)

 

いずれ6500形にも相鉄の保安装置を搭載するという話にはなると思われますが、何故開始前に対応しなかったのでしょうか。やはり公営企業であるが故の「入札」の問題があるからでしょうけど。


【総括】

具体的なダイヤは直前にならなければ分かりませんが、かなり各社局の制約が多いダイヤになると思われます。運転系統はJR直通と被らないよう、配慮している節が見えますが、それでもどこかで輸送障害が発生したらどうリカバリーするのかという疑問があります。恐らく東横線方面は渋谷折り返しか副都心線の新宿三丁目の引上線を活用するとかでしょうが、目黒線は折返しができる駅が目黒しかありません。その先は南北線か都営三田線になってしまいます。
こんなことを心配するのも、14年前の副都心線開業時の大混乱の記憶が生々しく残っているから。運転系統の複雑さは当時の比ではありません。

それでも、新たな路線、新たな運転系統の誕生は喜ばしいことです。開業が楽しみになりました。

そういえば、来年3月は、東横線が副都心線とつながって地上の渋谷駅がなくなってから、ちょうど10年の節目となります。その10年を経た後に、新横浜で相鉄とつながるのは、「十年一昔」を地で行くような感じがして、感慨深いものがあります。

 

【おことわり】

写真のキャプションに☆印をつけたものは、以前の記事からの転載です。