来年2023年春の団臨でラストラン、引退を迎えるJR北海道のリゾート列車・ノースレインボーエクスプレス(NRE)のメモリアル運転のラストを飾ったのが函館本線山線経由の『特急ニセコ』でした(この列車のみ1日1往復×2日間)。今回は「メモリアル運転まとめ」完結篇として、その2日間をまとめて紹介します。
第4弾・特急ニセコ(11月26・27日)
毎年9月初旬~下旬に函館本線山線経由で運転されている臨時特急ニセコ号は一般のキハ183系でしたが、2021年シーズンからはNRE編成を起用し、ファンを喜ばせましたがそれも束の間、1年足らずでの引退発表…。翌2022年シーズンも同編成での運転が継続されましたが、指定券の取りづらさは前年以上に…。そのNRE編成ニセコ号としては正真正銘最後となってしまうのが今回のメモリアル運転なのでした。ダイヤは同じでも全車指定席である事が9月の運転時と異なるポイントです(列車番号は下り8012D、上り8011Dと変わらず)。私は26日分に関してはえきねっと事前受付、27日分は駅の10時打ちでそれぞれの往復分指定席を確保し、メモリアル運転全列車の乗車が叶う事となったのですが、両日とも復路分のみえきねっと事前受付で複数ヒットしたため、余席はまたまた旭川在住のらんちゃん女史にお譲りし、両日とも下り列車のみ同行する事となりました。
札幌駅ではまたまた相変わらず入線時刻は発車の4分前と慌ただしく、まともに撮影するのは困難でしたが、今回は(私が)今まで見た事がなかった札幌 - 函館というヘッドサインが表示され、メモリアル運転に彩りを添えていました。
初日26日は大気が不安定な状態で天気雨となりましたが、その代わり札幌駅発車後間もなくノースレインボーの車窓から虹🌈が見えるというサプライズが!!コレは手稲駅到着前まで見る事ができました。


以前にも紹介した画像と同様で恐縮ですが、小樽駅では3分間の停車中に4番線『裕次郎ホーム』で裕ちゃんとNRE編成を絡めてのショットを改めて撮影。
残念ながら小樽市(後志管内)に入ると雨模様というグズついた天気となってしまいましたが。


余市駅に停車中のNRE編成を撮影。今回は雨という事もありましたが、後述する特産品販売で商品を購入したため1番ホーム側からの撮影は諦めました。
後志管内から渡島管内に入ると天気が一転、青空が見えるようになりました。



毎回特急ニセコ号の上り列車停車中にホーム上で実施される余市町観光協会の特産品販売ですが、到着するや否や乗客がドッと押し寄せ、商品の奪い合いというカオスな状態😱
今回私は初めて購入したのですが、名物のアップルパイと余市町特産の🍎『りんごのほっぺ』果汁を使用したりんごラムネがセットになった『ワンコインセット』(¥500)を購入。アップルパイはまさに絶品!今まで買わなかった事を後悔しています…。一方のりんごラムネですが、SNSでもいわれている通り開栓する際噴きこぼれるとの事だったので慎重に「玉」を落としたにも関わらず…やっぱり噴きこぼしてしまいました💦ラムネ自体はほんのりとリンゴの味と香りがし、アップルパイとも合うスッキリとした味わいです。

倶知安駅から先に見えるハズの羊蹄山ですが、残念ながらどんよりとした雲に覆われて裾しか見る事ができませんでした…。やがて尻別川の流れに沿って走行します。


長万部駅に到着。今回も出ました!『まんべくん』。


ちょっと雲が多いものの、NRE編成のメモリアル運転でようやく晴天の内浦湾を眺める事ができました。

天窓からはひこうき雲、そして左側車窓には大沼が…。




小沼と駒ヶ岳をバックに撮影できる新大沼跨線橋には撮り鉄の姿がズラリ。

『流氷特急オホーツクの風』に続き、ニセコ号メモリアル運転でも車内のインフォメーションボードに速度表示がされました(山線区間を除く)。函館へ向けてラストスパートをかけます。
上り列車の終着駅にして、折返し下り列車の始発駅となる函館駅に到着。
今回も、駅スタッフが横断幕を持ってお出迎え。


函館本線の起点・0キロポスト。
この表記が見られるのもいつまで続く事やら…。

下り列車への折返しまでの間、撮影に没頭しますが、やはりホーム上での他の撮影者の入り込みは避けられず。

下りニセコ号は2号車に乗車。先述したようにらんちゃん女史(先に函館入り)とのペア乗車で、えきねっとの事前受付を複数申し込みした処、なんと!26日分に関しては1人分ずつにも関わらず隣同士での予約が成立していたのでした😲たまたまとはいえ、こんな事もあるんだなぁ…と事前受付の結果に驚いた次第です。
途中省略しますが、やはり長万部駅での『まんべくん』はハズせません…。ニセコ号停車中に発着する6014D北斗14号(9月まではキハ281系だった…)に手を振るのは毎度のお約束。

翌11月26日(日)。
いよいよ、市販の時刻表に掲載されるNRE編成使用列車運転の最終日となってしまいました。やはりLEDの列車名は札幌 - 函館を表示。

余市駅での特産品販売はこの日も開催。相変わらずもみくちゃにされながらも、前日と同じワンコインセットを購入しました。

『ソーラン武士!』とNRE編成の並びも、コレで最後…😢

ワンコインセットのりんごラムネとアップルパイ。私はラムネを噴きこぼす事なく開栓する方法を発見!ガラス瓶の蓋のプラスチック部分をゆ~っくりと時計回り(逆ネジ)の方向でひねる事によって、炭酸ガスを一気に放出する事なく開栓できる事に気付いたのでした。但しこの方法で開栓してもガラス玉は瓶の中に落ちるため、飲み口が大きい分誤って玉が口に入らないように注意する必要があります💦

この日は気温が低く、稲穂峠越え区間になるとうっすらと積雪状態に。


倶知安駅に到着。この日も『じゃが太』と『じゃが子』がお出迎え。

今回はホーム先端ギリギリで停車するNRE編成の撮影に成功しました。

残念ながらこの日も羊蹄山の麗姿を眺める事はできませんでしたが、メモリアル運転最終日にして雪が車窓風景を彩ってくれました。


特急ニセコ号といえば、往復とも倶知安~ニセコにおいて㈱ニセコリゾート観光協会による車内販売が行われるのですが、やはり今回も『あんこカスタードパウンドケーキ』を購入(前日も同様)。高橋牧場ミルク工房の『のむヨーグルト』は、函館駅から下り列車に乗車するらんちゃん女史へのお土産。


長万部駅まで来ると雪はありませんでしたが、雨が降っていたらしくホームは濡れたまま。9月の運転時と異なるのが、当駅で顔合わせする札幌行7D北斗7号がキハ261系に置き換わっていた事…。

勿論『まんべくん』とのショットはハズせません!

そのまんべくんと駅長さんらに見送られながら長万部駅を発車。

内浦湾沿いに出ると、前日に続いて晴天となり、駒ヶ岳を見通す事ができました。

NRE編成は側窓が下まで大きく取られているため、このように波打ち際まで眺められるというのもポイントでした。『北の大地は全周視界』といわれる所以です。

流石に道南といえども、この日の駒ヶ岳山頂はうっすらと雪化粧をしていました。

流石にNRE編成のメモリアル運転最終日ともなると、沿線各地の撮影名所には撮り鉄が多く繰り出していました。
私にとってNRE車両からの函館山の眺めも、コレで最後…😢
ラスト、桔梗~五稜郭において118㎞/hを表示。私が見た中では多分コレが最高速度だったかと…?かつては130㎞/h走行が可能だったNRE編成でしたが、残念ながらそのトップスピードを発揮する列車に乗った事はありません。

終着・函館駅に到着。車内整備の後、札幌へ向けて特急ニセコ号としては最後の旅路に出ます…。



連絡通路の横断幕は、前日と異なるデザイン。
(写真提供・らんちゃん様)

いよいよ、NRE編成メモリアル運転の最終列車です。その最後に乗車したのが、気動車に連結される唯一のダブルデッカー車・3号車キサハ182-5201。当初は10時打ちで他の号車に席を確保していましたが(但し通路側)、その約1時間後にえきねっとサイトを開くとまだ下りニセコ号に空席が残っており、この車両も空いていたため席を押さえた次第(勿論最初に取れた分は放流)。流石に窓側は全て埋まっており、結局通路側になってしまいましたが、どっちみち日没が早くて車窓を眺められる時間が短いので。それより、最後にして付随車ならではの静かで快適な乗り心地を楽しめるというのは実にラッキーではありませんか!思えば…先に引退したクリスタルエクスプレス最後の乗車もダブルデッカー車(但し自由席)でした。


内浦湾沿いに出て森駅に到着。



下り列車は山線区間に入ると日没に掛かるため、ほとんど車窓は楽しめません。
もうすっかり暗闇のニセコ駅に到着。前日とは異なり、ホームと線路がうっすらと雪化粧をしていました。

この日は交換列車のH100-7単行による長万部行2948Dとのツーショットの撮影に成功しました。前日は2948Dが遅れ気味だったため、両者を絡めたツーショットの撮影は断念したのでした…。

この日も駅長犬『ハーディー君』は人気者!

NRE編成のメモリアル運転の後は、2023年春に予定されている旅行会社向けの団臨でラストランとなり、正真正銘の引退を迎えるワケですが、車両自体もあちこちガタが来ており、メモリアル運転の期間中においてはトイレの故障(特に5号車)、4号車出入口プラグドアの不具合といったマイナートラブルが相次ぎました。特にトイレにおいては一般のキハ183系が真空式に改修されているのに対し、NRE編成は登場時と変わらず循環式のままで、その汚物処理装置の故障なのでしょうか。希少価値の高いジョイフルトレインだけに、莫大な経費を掛けて車両のリニューアルを行えばまだまだ走れそうですが、そこまでする余力もないというJR北海道の厳しい現状を思い知らされるのです。
最大6編成を擁した同社のリゾート車両もついに終焉を迎えるにあたり、日本にまだ夢のあったあの頃を懐かしみつつ、本稿を締めさせて頂きます。長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。
おわり