七隈線が博多に…!
福岡市地下鉄七隈線は福岡市3番目の地下鉄として、2005年に天神南~橋本間が開業しました。
この路線の都心側の終点は天神南。空港線天神駅とは天神地下街経由で約550m離れており、博多駅方面へ向かうにはこの距離を歩かないといけません。
そんな不便さを解消すべく、2010年ごろに博多までの延伸が決定。
国体道路・はかた駅前通りを通り、商業施設のキャナルシティ博多付近に中間駅が設けられる事となりました。
建設は順調に…とはいかず、あの有名な博多駅前大規模陥没事故を起こすなどした結果開業は当初より2年遅れ。
2023年3月27日に開業することとなりました。
その99日前である2022年12月18日、(仮称)中間駅改め「櫛田神社前駅」の一般公開が行われることとなりましたので、今回はその様子をご紹介したいと思います。
整理券を受け取り…
当日の朝。
この日は「今期最強の寒波」という後から更新されそうなフレーズで形容されるほど寒い日。
福岡では年に数度しかない雪のお天気となりました。
午後からの予約が不要な回に参加する予定だったのですが、整理券配布が急遽9:00~となったため、予定より早くやってきましたが…
入場時間の12:15になっても普通に整理券余っていたようなので早く来る意味は皆無でした(笑)
むしろお隣キャナルシティ内のほうがなぜか長蛇の列ができていました。なんのイベントなんでしょうね?
キャナルシティの今年のクリスマスはディズニーコラボらしく、キャラクターがあちこちにいました。
新駅に潜入!
さて、そろそろ時間。櫛田神社前駅に向かいましょう。
キャナルシティの周りに入り口はいくつかあるのですが、今回の公開イベントの入り口は5番出口。
キャナルイーストビルが最寄りです。
入り口の前に西鉄バスのバス停があって、ちょうど「キャナルシティラインバス(CCLB)」が来ていました。
七隈線ができたら確実に影響を受けるであろうCCLB、もしかしたら櫛田神社駅と一緒に撮れるのはそう長いことではないかもしれません…
入り口で整理券を提示し、いざ地下へ!
地下に降りると、コンコースに待機列が設けてあって、すでにかなりの人数が並んでいました。
傍らにはまだ電源が入っておらず、路線図も運賃表も掲げられていない券売機の姿。
開業前って感じでわくわくしますね~
壁には「地下では携帯電話つながりません」という貼り紙。
まだ基地局設備が稼働していないようです。
12:15になりました。
見学スタートです!
博多の伝統を感じられる駅
さっそくホームへ…というわけではなく、まずはコンコースを順路に沿って歩いて行きます。
けっこう広めのコンコース、実はこの櫛田神社前駅ならではの見どころがあるのです。
歩いていくと…
さっそくなにやら壁が…
壁が塀みたいになっています!
この櫛田神社前駅がある付近は「博多旧市街」と呼ばれ、中世の貿易港だった「博多」を感じることができるスポットが点在しています。
この櫛田神社前駅でも博多の伝統を取り入れた駅装飾が行われているようです。
こちらもその一つ。
博多織を始めとする伝統工芸品を展示するスペースが設けられています。
おなじみの博多人形から…
山笠をモチーフにした作品、
ねこ!
地下鉄工事をモチーフとした人形、
博多独楽、博多鋏、博多曲物なんて小学生のとき社会科の調べ物学習以来の登場ですよ…
こちらが博多曲物。いわゆる「曲げわっぱ」です。
展示スペースの横に駅名標っぽいものがありました。
後ろは博多塀でしょうか?
記念撮影スポットになっているようで見学者の方がここで写真を撮っていました。
普段は入れないところに…
続いては改札口のお隣、駅事務室にやってきました。
普段は入れない駅事務室になんと今回は入ることができます!
放送用の機械やICカード読み取り機などの設備が並びます。
こちらはホームドアの状態を知らせる表示盤。
2番線だけまだホームドアに通電してないってことが一目でわかっちゃいます。
運行状況表示板。筑肥線だけ2枚も用意されているのは日頃の行い(?)でしょうかね(笑)
奥には車いすや担架、非常用備蓄品が置かれています。
さらに、非常時の誘導看板、メガホン、それに制圧用の盾?
いざという時の備えはバッチリですね。
駅事務室を出るとそこはもう改札内。
なにやら向こうに人だかりがしているので近寄ってみると…
こんな謎空間が…!
謎空間に張り巡られている配管は地中熱を利用した空調設備の配管。
駅の下にある地中熱交換器で夏は熱を逃し、冬は熱を取り込むことによって適温の空気を作り、空調に利用しているのだとか。
この仕組みは日本の地下鉄では福岡市地下鉄が初らしいです。
エコな地下鉄というわけですね。
階段を降りていきます。
といってもまだホームではなく…
こちら、トンネルの換気ファンを見学できちゃうのです!
ということで謎の地下空間2回目!
広い空間には大きなダクトが伸びています。
ダクトの先にはファンがついています。
地下空間の空気を換気するのに必要な設備。けっこう大きくて迫力がありました。
いよいよホームへ
さあ、いよいよホームです!
階段を降りていきます。
そこには…
黄緑と水色の車体、3000A系が停車していました!
3000A系は後で見ることになるので、まずはホームの様子から。
こちらは路線図。すでに開業後のものが取り付けられています。
ここから天神南までは2分、
博多までは1分。
これまでよりもさらに近くなりそうです。
こちらは櫛田神社前の駅名標。
福岡市地下鉄でおなじみの駅シンボルマークは櫛田神社の象徴である銀杏の葉の上に博多祇園山笠の「舁き縄」を乗っかっているデザイン。
この駅らしいマークになりました。
壁にもシンボルマークが貼られています。
ホーム全景。オーソドックスな1面2線の島式ホーム、もちろんホームドアが完備されています。
ホームドアには人感センサーが付いていて、手をホームドアの向こうに伸ばしたりするとこのように赤いランプがつき、警告音がなるようになっています。
この日はずっと点きっぱなしでした。
ホーム先端から天神南方向。
次はお待ちかねの車両見学!
七隈線延伸に合わせて増備された3000A系が止まっていました。
以前橋本車両基地で外観だけは見ましたが、中に入るのは初めてです。
↑そのときの様子
それでは中に入っていきます。
3000系と同じく運転席は開放的なつくり。
進行方向と反対の運転席は運行時座ることもできますが、その際走行装置はすべてカバーで覆われています。
こちらが車内。
パンタグラフを下ろしているため車内灯が作動せず、このような明かりを持ち込んで車内を照らしていました。