今回はタイムリ―な話題として、2023年春のJR北海道ダイヤ改正について紹介します。

他の乗り鉄記事も更新が進まず申し訳ありませんが、何卒ご容赦ください。

 

本日、ついに発表されたJR各社のダイヤ改正の概要ですが、JR北海道で最も大きなトピックといえるのが石北本線の特急列車からキハ183系が引退し、おおぞら系統から退いたキハ283系に置き換えられる事でしょうか。この事に関しては以前から正式に発表されており、今更驚く事ではありませんが、キハ283系への置き換えに伴いグリーン車が廃止され、路線草創期の2等車(※3等級制時代の「」)以来からの歴史に幕を下ろす事は、石北本線沿線出身者の私として寂しさを禁じ得ません。

 

 

 

個人的な話で恐縮ですが、私が初めてグリーン車に乗ったのはもう40年前の事。親戚の結婚式で両親と札幌へ向かう時に乗ったのが14系客車への置き換え前の夜行急行大雪6号(当時)のスロ54形だったと思います(記憶が曖昧ではあるが…)。当時は家が裕福だったためか復路もグリーン車で、コチラはキハ56系の急行大雪3号(はぼろ・紋別と併結)のキロ26形でした。

そして、私が初めての『ひとり旅』として旭川の親戚宅へ向かう際、親に無理矢理せがんでキハ80系の特急オホーツク2号のグリーン車(キロ80形)に乗る事が叶いましたが、いずれの形式も1回限りの乗車で終わりました。しかし貴重な経験ともいえましょうか…。

(写真は三笠鉄道村に展示されているキロ26 104)

 

 

 

しかし、石北本線内はグリーン車の利用率が芳しくなく、時期によっては満席やソレに近い状態になる事もありますが、現在使用されているキロ182形の定員が24名にしてもやはり輸送力過剰であり、ご覧の通り空気輸送という事も珍しくありませんでした。写真は2020年某日にオホーツク1号に乗車した時のモノですが、グリーン車の乗客は終始私1人!キロハ182形を使用していた2017年冬に乗車した時も、網走→札幌の乗客は私ともう1人だけという事もあったのです。割高なグリーン車を利用する位なら、所要時間が短い女満別空港発着の航空機を利用したほうが良いと思う方もいらっしゃるでしょう。

 

 

 

こうした事から、キハ183系老朽取り換えに伴うキハ283系への石北本線転用に際してはキロ282形は対象外となり全車廃車、キハ283形の半室グリーン車化改造も行われる事なく、ついに石北特急が全車モノクラス、基本編成3両(但し時期によって指定席車の増結はある)という寂しいスタイルになってしまいます。キハ283系への置き換えによって若干のスピードアップ(オホーツク1号のみ1分増)が図られますが、札幌~網走の所要時間は5時間を超えるだけに、せめて宗谷特急のキロハ261形と同様、9席程度のグリーン席は欲しかったというのが正直な処です。普通車の座席定員が減少するデメリットもあるため、改造費用を掛けてまでグリーン車を設定する必要がないという判断でしょうか。所要時間5時間超の特急列車でモノクラスというのはJR西日本の『スーパーおき』にも見られます。

 

 

 

まぁ…沿線人口も少なく、急勾配区間が多く自然環境の厳しい地域を通る石北本線はJR北海道にとってお荷物路線なため、必要以上の投資を行いたくないようで、特急列車は他線の『お下がり』ばかり充てがわれている歴史が続いています。旭川駅でライラック~大雪に乗換の際、乗車時間が短い前者にグリーン席があって、後者にない(※)というのは如何に同線が冷遇されているかを象徴するかのようで…。キハ283系は特に内装のリフレッシュという話も聞こえてこないため、おおぞら号時代と変わらないまま使用するのでしょうか。もっとも、『グレードアップ指定席』の座席自体は現行のキハ183系の一部から最新のキハ261系にまで使われているので、普通車自体は他の列車と横並びにはなりますが…。

(※普通車同士の乗換だと座席のグレードはライラックが下となる)

 

 

 

さて…キハ283にバトンを渡して引退してしまうキハ183系ですが、長年に渡って道内特急の顔として活躍してきた事から、石北特急の定期運行から外れた後、各地へ向けてのラストラン運行が行われるようです。個人的には函館~網走のおおとり復活を望みたいです!

さらに個人的な話で恐縮ですが、私はかねてから稚内~根室の最北端~最東端(またはその逆)にキハ183系の貸切列車を走らせたい!という夢がありました。所詮テツの妄想に終わってしまいましたが…😢

 

 

 

今回のダイヤ改正では石北特急の車両置き換えと連動し、札幌~旭川の特急ライラック1・3・5号の時刻が変更され、自由席が1両のみに減らされる特急オホーツク1号からの乗客転移を狙っているようです。現行のオホーツク1号は通勤・通学利用で特に平日の自由席が混み合う場合があり、果たしてキハ283系置き換え後の混雑度がどうなるか気になる処であります。

その特急ライラックですが…12月15日、旭川発の初電である2号(789系HE-106+HE-206編成)が除雪中の重機と衝突、『ASAHIKAWA』ラッピングのクハ789-206が損傷してしまいました。果たして同車の運命は如何に…!?

 

 

 

また、3月ダイヤ改正ではプロ野球北海道日本ハムファイターズの北海道ボールパーク『Fビレッジ』への本拠地移転にあたって、球場利用者のアクセス用臨時列車が札幌~北広島に設定される事になっており、千歳線のダイヤも見直しが行われるとの事です。かつて存在した北広島を発着する列車は千歳などへの延長に伴い発展的解消を遂げており、新千歳空港駅開業の1992年7月ダイヤ改正以来の復活になろうかと。

 

 

 

この他にも、富良野線の列車が全てH100形電気式気動車に置き換えられる事となり、キハ150形の同線での活躍はちょうど30年で幕を下ろす事となりました。追われるキハ150形は他線で活躍する事になるでしょうが、おそらく現在石北本線で活躍しているキハ40形の置き換えになるのが濃厚かと…?プレスリリースには特にそのような話は掲載されていませんでしたが(※あくまでも推測の域を越えないという事をご了承ください)。

 

 

 

もう1つの話題として、手稲→札幌に平日朝運転されている特急列車の回送兼通勤列車『ホームライナー』が全車指定席化され、料金が値上げされる事です。

現行は普通車・グリーン車とも¥100の乗車整理券(1985年の列車設定以来ずっと変わらなかった)を手稲駅で事前購入して乗車する方式で、あくまでも座席定員制のため手稲駅ホームで並ばなければならなかったのが、ダイヤ改正以降は全車指定席制に変更され普通車¥210グリーン車¥310(いずれもえきねっとチケットレス特急券の場合。紙の切符だとそれぞれ¥530、¥780となる)と料金が別体系となって値上げされる代わりに、座席が事前に確保できるようになりました。JR東日本のいわゆる通勤ライナーが特急列車化されたように、実質値上げによる増収を図る事に倣ったのでしょうが、コチラも普段の利用者からの反応が気になる処です。

 

 

 

そして、JR北海道の毎年の恒例行事でもある『ご利用が少ない駅の見直し』ですが、今回は日高本線の浜田浦駅の1駅のみが廃止対象となり、もう1つ極端に1日の平均乗降人員が少ない釧網本線の細岡駅は4月下旬から11月末までの季節営業に格下げされる事となりました。両駅とも付近に人家のない、いわゆる『秘境駅』的な存在ですが、後者においては近くに釧路川を下るカヌーの船着き場があり、その利用客がいる関係上廃止するワケにもいかず、臨時駅として残される事となったようです。

 

 

 

最後にもう1つ、室蘭本線の苫小牧~室蘭に導入されるワンマン運転対応の737形電車は既に札幌運転所へ初期編成の甲種回送が行われていますが、全車揃うのが3月ダイヤ改正には間に合わないためか5月20日からの運転開始を予定しているとの事です。コチラに関しては実車をまだ見た事がないので多くを語る事はできませんが、とりあえずキハ143形は5月19日までの活躍が見られる事となりそうです。また、同区間で活躍中のH100形も東室蘭以西で運用される車両を残して大半が電車に置き換えられるため、苫小牧配置の一部車両の転属が予想されます。

 

 

 

以上、2023年3月ダイヤ改正の話題でしたが、長年北海道特急列車の象徴ともいえたキハ183系の完全引退は新車の頃から知る者として非常に寂しい事であり、まさに「ひとつの時代の終わり」を象徴する出来事といえるでしょう。また、留萌本線の石狩沼田~留萌が3月31日限りで廃線されますが、ここでは取り上げない事にします。毎度毎度申し上げますが、引退する車両、また留萌本線へ乗りに(または撮りに)北海道へ来られる際は、ファン皆様の節度を持った行動をお願い申し上げます(勿論道内ファンも!)。