終着駅の風情をたんまり堪能し、また岳南鉄道の乗車に戻る。
14:16、乗ってきたデハ7001で再び吉原へ…
…行かず、僅か7分で途中下車。
降りたのは、
岳南富士岡駅。
やはり車両基地を併設する駅で、できるだけ降りておきたいという気持ちはこの頃からある。
しかもこの時は、どうしても降りたかったのが…
5000系が残っていたこと!
構内には5002編成と5004編成が、それぞれED501とED29 1と共に留置されていた。
この2006年には、予備編成として最後まで残っていた1編成も除籍されたことになっている。
この岳南富士岡駅に残されていた2編成は外板の老朽化が進んでいたので、除籍からはずいぶん
月日が経っていたと思われ、結局稼働している姿を見ることは少しの差で叶わなかった。
5000系列自体、動いている姿は松本電鉄(現・アルピコ交通)で一度見たきりである。
ただ、車両自体はここから3年ほどは残されていたらしい。
だが、軽量構造もあって老朽化の進行は待ったなく、残念ながら全車解体されたとの由。
そんな中、岳南江尾行きの到着を見る。
時は流れ、このデハ7002も運用を離脱して久しい。
今では、5000系5004編成が居た線路に処分保留状態で残されている。
乗降は少なく、ローカル線ならではの厳しさが垣間見えた時間。
そして、また改めて構内を眺める。
ED501は、動く姿を見られなかったのは残念だったが…
いまなお岳南富士岡駅にあり、整備も尽くされて保存されているのは嬉しい限り。
5000系はもういないが、こうして写真はいつまでも遺る。
だから、こうした記録を遺すのは大事なのだ。
滞在33分。
短くもあるが、収穫の高い滞在であった。
ここから吉原まで、デハ7002に乗って最後の旅へ。
京王帝都電鉄3000系のデハ3100に、初代5000系の部品を組み合わせて誕生した7000形。
譲渡された3000系の中では、一番模型のようなオリジナリティのある個性派となった。
今は2両のみが、8000形と共に活躍を続けている。
途中、ED402がワムとコキを牽く姿に遭遇した。
岳南鉄道線内で貨物列車を見たのは、この時が最初で最後のこととなった。
15:09、吉原に到着。
約1時間45分ほどの訪問は、これで終わりとなった。
これで旅は終わりに…はならず、限られた一日をもう少し有効に使うために走っていく。