住吉停留場 (住吉駅)【大阪府】(阪堺電気軌道阪堺線、上町線。2016年ほか訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
大阪府大阪市南部、住吉区西部の住吉大社周辺に広がる市街地に位置する路面電車・阪堺電気軌道阪堺線と上町線の接続駅で、2016年1月31日に上町線の住吉~住吉公園が廃止された事で現在の配線になった、
住吉停留場 (すみよしていりゅうじょう。SUMIYOSHI Station) です。
 
 
電停名 (駅名)  
住吉停留場 (HN 10)  
(※) 記事内では「住吉駅」「住吉電停」と表記する場合があります。   
 
所在地  
大阪府大阪市住吉区  
 
乗車可能路線  
阪堺電気軌道:阪堺線上町線   
 
隣の停留場 (電停・駅)  
阪堺電気軌道阪堺線   
恵美須町方………東粉浜停留場  
浜寺駅前方………住吉鳥居前停留場  
  
阪堺電気軌道上町線   
天王寺駅前方……神ノ木停留場  
(※) 上町線の全電車が阪堺線の浜寺駅前方へ直通します。  
 
訪問・撮影時  
2014年2月、2016年12月    
 
 

 

住吉電停は恵美須町~浜寺駅前を結ぶ阪堺線と、天王寺駅前~住吉を結ぶ上町線の分岐駅ですが、運転系統は利用実態に合わせて天王寺駅前~浜寺駅前の系統と恵美須町~我孫子道の2系統が運転されています。そのため、上町線の天王寺駅前~阪堺線の浜寺駅前が本線格で、阪堺線の恵美須町~住吉は支線格に甘んじています。ですが配線は路線名に合わせて恵美須町方面~浜寺駅前方面の阪堺線から天王寺駅前方面の上町線が分岐する形になっています。
 
写真は両路線の分岐地点西側にある待合所です。2枚とも西を望む。
住吉電停は無人駅ですが、この待合所が実質的な駅舎と言える…かもしれませんw
待合所にはベンチと飲料自動販売機がありますが、自動券売機などの設備は一切ありません。阪堺電車は車内収受方式が採用されていますので、車内で運賃を支払って下さい。『PiTaPa』などの交通系ICカード全国相互利用サービス対応のICカードも利用可能です(チャージは車内で)。
 
 

待合所の屋根にある駅名標です。非電照式です。
上の写真をトリミングして拡大したため、分かりづらくて申し訳ありません。
阪堺電車の新デザインで、下部の矢印には阪堺電気軌道のコーポレートカラーと思われる緑色が使用されています。
行先方面の矢印部分は黄色に塗られています。
また、駅ナンバリングも導入されています (HN 10)。
ちなみにメインの駅番号は上町線の天王寺駅前電停から浜寺駅前方面へ順に振られており、阪堺線の恵美須町方面は恵美須町電停を「HN 51」として住吉方面へ順に振られています。万が一阪堺線の恵美須町~住吉が廃止されても後戻りしなくてもいいような付番方法になっています。
住吉電停の駅番号はメイン系統の「HN 10」のみです。
 
 

こちらは駅北側、阪堺線の恵美須町系統下り電車のみが発着するホームです。恵美須町方(北)を望む。
阪堺線は南海本線の東側を南北方向に延びる紀州街道(大阪市道)の中央部を通っています。
見た目は低床のホームですが、軌道線なので正式には安全地帯です。
路面との段差が小さいため、どこからでも出入りできますが、スロープがなくホーム幅が狭いため、車いすは利用できません。ちなみに現在、恵美須町系統では低床車が運行されていません。
阪堺線恵美須町方面から上町線天王寺駅前方面へ向かう場合は住吉電停で乗換になり、ここで下車して後方にある天王寺駅前方面ホームへと移動する必要があります。
尚、阪堺線恵美須町方面から阪堺線浜寺駅前方面(堺市内区間)へ乗り換える場合は、終点の我孫子道電停のみが乗換駅に指定されています。住吉電停で乗り換えると運賃1回分損してしまいます。乗換指定駅で運転士に申告して1時間以内に乗り換えると1乗車分の運賃で乗換が可能です。
 
そして、右へ分かれる路地へ入ると、すぐに上町線の浜寺駅前方面ホームに到達します。
大和川電停以遠の堺市内区間で下車される場合は上町線ホームをご利用下さい。
住吉鳥居前、細井川、安立町、我孫子道の各電停で下車される場合は阪堺線ホーム、上町線ホームのどちらも利用可能ですが、上町線の天王寺駅前系統の方が圧倒的に本数が多いです。
 
阪堺線・恵美須町方はこの先、沿道にビルやマンションが建ち並ぶ紀州街道中央部を併用軌道区間で北へ走り、やがて緩やかに右へカーブすると東粉浜停留場へと至ります。約100m西には南海本線の小浜駅があります。阪堺線は全線において所要時間で勝る南海本線が並行しているため、表定速度が低くなってしまう阪堺線は苦戦しています。
 
また、駅周辺は住宅街が広がっており、商店が混在しています。
 
 

 

阪堺線・恵美須町系統下りホーム前より浜寺駅前方(南)を望む。
後方に阪堺線・恵美須町系統下りホームがあり、左手に上町線・天王寺駅前系統下りホームがあります。
前方で左から来た上町線が阪堺線に合流しますが、2016年1月以前は上町線の本線が阪堺線と斜め平面交差して右前方の架線柱をくぐり、約200先の南海住吉大社駅前にあった住吉公園電停へと続いていました。架線柱付近には上町線上り線のホームがありました。
合流地点で奥に延びる紀州街道の東側歩道は上町線と交差しますが、踏切(遮断機、警報機)はありませんので通行の際は十分ご注意下さい。
そして合流地点の先には阪堺線・上町線共用の上りホームがあり、紀州街道東側は住吉大社の境内になります。
 
 

こちらは阪堺線・上町線共用の上りホームです、恵美須町方・天王寺駅前方(北)を望む。両路線分岐点の南側にあります。
ホーム(安全地帯)は阪堺線下りホームと同じく低床で、車いす対応幅ではないです。
こちらは超低床車両も発着するのですが、車いすでの乗降をどうしているのか不明です。
ホームの左前方には前述の待合所がありますが、ホームとの行き来は紀州街道を渡らなければならないため、自動車に注意して下さい。
 
 

こちらは待合所前より上りホームを撮影。浜寺駅前方(南)を望む。
安全地帯は横断歩道に接していません。柵もないので、どこからでも出入りできます。
また、柵がないためにホームで待機中も通行する自動車に注意をしなければなりません。
駅南側は東の一帯が住吉大社の境内です。また、約250m南西には南海住吉大社駅があります。そのため、駅南側の西側一帯は駅北側と比較して商店の数が多いです。
ちなみに住吉大社正面参道への最寄駅は1つ南の住吉鳥居前電停です。
 
 

こちらは上り線ホームより浜寺駅前方を望む。
奥に延びる道路は紀州街道で、左前方は住吉大社の境内です。
当駅から4駅先の我孫子道電停までは天王寺駅前系統と恵美須町系統の双方が走行しますので、電車の本数が多くなります。恵美須町系統は我孫子道までで、引き続き堺市内の浜寺駅前方面へ移動される場合は我孫子道駅にて運転士に申告の上で天王寺駅前~浜寺駅前系統にお乗り換え下さい。
この先、左手に住吉大社の境内を、右手に市街地を見て紀州街道の中央部を南下すると、すぐに住吉鳥居前停留場へと至ります。
住吉~住吉鳥居前の営業キロは0.2kmで、各線の住吉駅下りホーム~住吉鳥居前駅下りホームの間は確かに約200mですが、住吉駅上りホーム~住吉鳥居前駅下りホームの間はわずか140mほどです。
住吉駅上りホームからは肉眼で住吉鳥居前駅の上下線ホームを確認できます。
また、住吉鳥居前駅のすぐ東には住吉大社の正面参道があり、約80m西には南海の住吉大社駅があります。住吉大社駅の西側には住吉公園があります。
住吉大社駅の手前右側には2016年1月まで上町線の終着駅であった住吉公園駅がありました。末期は朝方しか電車が発着しませんでした。
 
 

 

上写真は走行中の電車より、下写真は待合所前より、2枚とも阪堺線・恵美須町方、上町線・天王寺駅前方を望む。
上写真後方、下写真右後方には上りホームがあります。
すぐ先で前方に延びる阪堺線から上町線が右へ分岐します。
前述の通り、以前は住吉公園前駅からの上町線線路が左から出てきて、阪堺線と斜め交差して阪堺線と上町線を結ぶ連絡線と合流していました。
分岐後、阪堺線はすぐ先の下り線側にホームがあります。
一方、上町線は分岐後すぐに左へカーブしますが、カーブ地点の下り線側にはホームがあります。
各ホームはいずれも両路線の交差地点の手前にありますが、これは信号待ちを兼ねた客扱いをする目的かと思われます。
 
 

 

上写真は紀州街道より、下写真は走行中の電車より、2枚とも上町線・天王寺駅前方を望む。
後方に阪堺線と上町線の分岐点があります。尚、上町線は2駅先の帝塚山四丁目電停の先まで専用軌道区間です。
前方の警報機があるものの遮断機がない踏切の先、左カーブ地点には上町線下り線ホームがあります。
こちらは奥へ進むごとにホーム幅が狭くなるものの、手前の出入口付近は幅が広く、段差をスロープで解消しているため、車いすで低床車の乗降が可能です。
また、上屋も設置されており、住吉駅で一番豪華なホームを有していますw
 
ちなみに駅東側は住宅街が広がっていますが、大阪市内でも比較的閑静な地域です。
 
 

走行中の電車より上町線・天王寺駅前方を望む。後方に住吉駅の上町線下りホームがあります。
すぐ前方には片渡り線があり、天王寺駅前方へ折り返せるような配線ですが、普段は使用されていません。
この先、閑静な住宅街の中を右へカーブしながら走り、進路を東に変えると今度は左へカーブしながら上り勾配になります。そして盛土高架区間へ上がると神ノ木停留場へと至ります。神ノ木電停のすぐ先で南海高野線を乗り越します。
 
 

こちらは走行中の電車より上町線下りホームを撮影。浜寺駅前方を望む。
急カーブ地点にホームがあります。その先で左へ急カーブして阪堺線に合流します。
 
 

 

紀州街道より浜寺駅前方を望む。上町線、阪堺線とも後方に下り線ホームがあります。
住吉電停を発車した上町線電車は左へ急カーブして阪堺線に合流し、そのまま住吉鳥居前駅へと駆け抜けます。
合流地点の右側には待合所があり、合流地点の先には上り線ホームがあります。
 
また、2016年1月30日までは、住吉電停を出た上町線本線はそのまま直進して阪堺線と斜めに交差し、その直後に左へ急カーブして終点だった住吉公園駅へと至りました。
道路と専用軌道跡の境界部には廃線跡の進入ルートを示すように架線柱があり、今も残っています。
右側の架線柱の先には上町線上り線ホームがありましたが、痕跡は見られません。
住吉~住吉公園間の大半において、廃線跡がコインパーキングに転用されています。
 
 

 

こちらは住吉~住吉公園間が営業していた2014年、走行中の電車より浜寺駅前方・住吉公園方を望む。
当時はこのような配線でした。阪堺線と上町線が斜めに平面交差していて、上町線天王寺駅前方と阪堺線浜寺駅前方を結ぶ短絡線が分岐する形でしたが、いつしか短絡線の方が本線格になりました。
前述の通り、上町線本線が再び併用軌道区間へ入った地点の右側に上り線ホームがありました。
また、住吉~住吉公園間の廃線と前後して、待合所がリニューアルされ、駅名標も更新されました。

⇒現役時の上町線・住吉~住吉公園間の記事はこちら
 
 
あとがき  
私が住吉電停で下車(乗車)したのは……ありません。隣の住吉鳥居前電停で下車したついでに訪問しましたww 2路線の分岐駅という事で構内は複雑で、ホームは3ヶ所に分かれています。乗り間違いに注意が必要です。そのホームも阪堺線上にあるものは厳密にはホームではなく安全地帯駅であり、車道との間に壁がないため常に危険にさらされています。また、駅前は市街地で商店が点在しており、南東側には住吉大社の境内が、南東側には南海本線の住吉大社駅があります。
 
東京からですと東海道新幹線に乗り新大阪駅で下車し、JR京都線~大阪環状線の乗継またはOsaka Metro御堂筋線で天王寺駅まで行きます。そして駅南側にある天王寺駅前電停から阪堺電気軌道上町線の電車に乗り(行先不問)、当駅下車です。じゅうぶん日帰り訪問が可能です。
一方、難波からですと南海本線の普通車(行先不問。優等列車や高野線列車には乗らないで下さい)に乗車して住吉大社駅で下車。北東へ徒歩5分です。阪堺電車で現地入りするには難波から南海線またはJR大和路線に乗り新今宮駅で下車。駅東側の新今宮駅前電停へと移動して阪堺線の我孫子道方面行き電車にご乗車の上、当駅下車。あるいはOsaka Metro御堂筋線またはJR大和路線で天王寺駅まで移動し、以降は上記のルートで到達できます。余裕で日帰り訪問可能です。
(飛行機の利用は考慮していません)
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる飲食店は存在せず、約100m西にある「スーパー玉出」が最寄りの食料販売店です。最寄りのコンビニは約220m南南西の南海住吉大社駅前にある「デイリーヤマザキ」、最寄りの飲食チェーン店は約250m南西の南海住吉大社駅高架下にある「ロッテリア」です。まぁ事前に用意しておいた方が無難でしょう。
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。阪堺電気軌道阪堺線および上町線を乗り鉄される際は、せひ一度は住吉駅でも途中下車してみて下さい!
  
(参考:Google地図、Wikipedia)