京阪電車は12月5日、年末年始期間における列車の運行についての概要を発表しました。今回はこれを取り上げます。

https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/221205_keihan-railway1.pdf

 

1.大晦日

 大晦日は通常の土曜・休日ダイヤで運行されますが、18時ごろからは「大晦日ダイヤ」という特別ダイヤへ移行します。これは主に深夜帯をに、列車の増発や運転区間延長などを実施するものです。

 

2.終夜運転

 そして、今回の話題は終夜運転。昨年、一昨年は新型コロナの影響もあり、終夜運転を実施しませんでしたが、今回は3年ぶりに終夜運転が実施されます。内容は以下の通りです。

 

特急:(大阪)淀屋橋発23時台まで約20~25分ごとに運転→概ね例年通り

急行:京都方面行きは(大阪)淀屋橋発1時台、大阪方面行きは(京都)出町柳発2時台まで20~30分ごとに運転

準急または普通:20~30分間隔で運転

 

 これまでの終夜運転では、夜通し「急行」と「普通」をそれぞれ20~30分ごとに運行していましたが、今回は急行の運転が2時台で終了となり、大幅に縮小されます。2~4時台は準急と普通のみの運行となり、準急は(大阪)淀屋橋~(京都)出町柳間の通しで運行、普通は淀屋橋~萱島間の区間運行になるとみられます。

 なお、支線である中之島線・交野線・宇治線は、30~40分間隔で運行されます。

 

3ー1.正月ダイヤ(1月1日~1月3日)でも京橋~七条間ノンストップ特急「洛楽」が運行されます。京都方面行きが5本、大阪方面行きが夕方に4本設定されます。

 

3ー2.正月ダイヤ(1月1日~1月3日)そのほかの列車

 京阪電車では例年、3が日期間は「正月ダイヤ」という、普段の土休日ダイヤとは全く違う特別ダイヤで運行されます。この期間中の日中時間帯は、通常ダイヤで多く設定されている快速急行・準急の設定が全くなく、特急・急行・普通をそれぞれ15分間隔で走らせるというものになっています。また、中之島線・交野線・宇治線も15分間隔で、石清水八幡宮へ向かう男山ケーブルは5~10分間隔で運転されます。ダイヤは前年とほぼ同じとみられます。

 かつて急行は京阪の主力列車だったのですが、特急や快速急行、準急に置き換えられていき、いまやレアな存在になってしまいました。そんな急行ですが、1年のうち3が日だけは主力列車として輝かしく走るのです。

 なぜ快速急行ではなく急行なのか?というところですが、その理由は停車駅にあります。京阪電車が出している停車駅案内をご覧ください。

https://www.keihan.co.jp/traffic/station/pdf/rosenzu_20160319.pdf

 このうち、神宮丸太町駅(平安神宮など)・清水五条駅(清水寺など)・伏見稲荷駅(伏見稲荷大社)・石清水八幡宮駅・香里園駅(成田山不動尊)と、初詣で多くの人が訪れる寺社の最寄り駅をみると急行停車駅が多くなっています。香里園駅以外は快速急行も通過してしまうので、これらの初詣スポットに訪れる利用者を捌くために、急行が走るというわけです。

 

4.まとめ

 いかがでしたでしょうか。今年は東京メトロ・都営地下鉄・阪神電車・阪急電車が終夜運転を行わないことを公表しており、京阪電車が終夜運転を行うのかどうか気になっていましたが、3年ぶりの終夜運転実施となりました。

 これまでと比べればかなり規模縮小ですが、終夜運転自体を行わない事業者も増えている中、思い切った施策といえるでしょう。沿線に寺社仏閣が多い京阪ならではかもしれません。

 終夜運転やお正月の利用がどこまで伸びるか、注目です!