どこ鉄127 〜探偵の真骨頂 | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。


私が出演しておりました舞台

明後日の方向『長い墓標の列』

おかげさまで無事に全公演が終了しました。


ご来場くださったお客様、関係者の皆様、本当にありがとうございました。



配信チケットは12月14日までご覧いただけますので(2000円)、よろしければ是非。


ご購入はこちら


今回は男女逆転のキャスティングだったわけですが、主人公の大学教授・山名庄策(辻村優子さん)の妻・久子役を僕、娘の弘子をホリユウキ君が演じました。

さらに僕ら2人は舞台上で開演から終演まで全ての照明操作をやるという前代未聞の演出。



個人的には面白かったです。

台本を見ながらキュー(照明を変えるタイミング)を叩いて立ち上がってすぐセリフを言ったり「僕は今誰を演じているんだろう」みたいな不思議な経験でした。


まあこれはあくまで枝葉の部分で、この作品が持つ力というのはもっともっと大きいわけです。

気になりましたらぜひ配信を……(笑)




さあそれでは、公演も終わったので本気を出していきましょう。



まずは今回の作品で弘子役を演じたホリくんからの2枚。

これを貰ったのは千秋楽の開演20分前。

楽屋でスタンバイしている時「そういえば貴夫さん、鉄道の写真をどこだか当てられるんですよね、これはどうですか?」と見せてくれました。



問答無用で本番直前鉄道モード突入。



1枚目。

青梅線。

そんなのは一目でわかる。


右側が山ということは左側には多摩川が流れているはず。そして左カーブ。


ここ。

JR青梅線・川井駅。



2枚目。

北海道・札幌近郊区間の高架駅。


写真奥の線路の規模感から札幌ではないと判断。まず探す西側では、

桑園・琴似の2駅が高架。

JR函館本線・琴似駅。



2駅合わせて3分で確保。

無事、本番前に仕留めました。

そしてドヤってしまいました。




多少の種明かしをすると、川井駅は以前にも瞬殺したことがあるのと、琴似駅近くにはコンカリーニョという劇場があって時間堂時代にお世話になった(もちろん駅も利用した)という事ですね。



運が良かったのか悪かったのか!




ここからは終演後の捜索。

ガクちゃんからの1枚。

非電化の単線と高架道路。



東京近郊の貨物線と推定。



まずは京浜工業地帯を走る貨物線を物色。

以前にもこのあたりは捜索して、貨物線が非電化であることは確認済。どうだ?


違ったか!!

でも雰囲気は悪くない。



さらに横浜方面へ貨物線(と高速道路)を追うも、

この区間は複線。



貨物線はマップの実線で表示されないため、捜索も手間がかかる。



よし、ガクちゃんに以前もらった資料を頼りにしてみよう。


京浜工業地帯の貨物線をあらかた捜索、当たりなし。


もう少し範囲を広げて、

横浜の本牧(ほんもく)のほうにも貨物線があるのか。



出発。

非常に都合の良いことに、貨物線に沿って高速道路が通っている。



接近して調査。

おや?


この踏切、オレンジの斜線。


コレじゃね???



すかさずストリートビュー。

合致。


しかしこれでは少々分かりづらいか……



そこで奥技・サイドミラーの景色合わせ。

ウム。

ENEOS根岸製造所から出たところの神奈川臨海鉄道本牧線踏切、ガッチリ確保。



「いつかヘルプ要請が来ると思ってたのに」とのコメントを頂きましたが、貴方がくれた資料のおかげでスムーズに辿り着けたのですよ!




続きまして、ふな蔵さんからの1枚。

「久しぶりに画像を送ります。鉄道を離れて十数年経ちますが、ホーム上に入り切り標があるのを見るのが初めてなので撮りました。

時間が無くてき電線の断路器までは探しませんでした。」



はい!

ちょっと何を言っているのか分かりません!



「入り切り標」というのは架線柱ビームにある「入」という電光表示のことでしょう。

普通は電車の車庫(留置線)にしか掛かってないものが、駅のホームにあるというのが珍しかったんでしょうかね。(ちょっと理解してる)



ともかくこの写真をくれた9月あたり、SNSの投稿でふな蔵さんは兵庫県の豊岡のほうに行っていたことを何となく記憶している。


この車両なんて、どう見てもJR西日本の223系ですからね。やはりそちら方面の駅だろう。



豊岡から捜索開始。

ほう、駅構内が非常に広い。

これは入り切り標もあるんじゃないか?


では元の写真↓


探し出した写真↓

JR山陰本線・豊岡駅、一発で確保。


ああまた人様にSNS制限をかけてしまった!!
 

2代目N会長も眉をひそめている事だろう!




お次はありぴーさんからの1枚。

一時期メンタルをやられかけた赤いCPラインが目を引きますが、架線柱の感じからJRではないと即断。

写真左側は高原リゾートっぽい雰囲気。


ひし形の停止位置目標が、いくつも並んでいる。


思い浮かぶのは東武鉄道の鬼怒川あたり。

このあたりはローカル列車に浅草直通の特急、会津まで直通する快速、さらにはSL大樹も走っている。

そんなバラエティに富んだ列車群それぞれの停止位置目標ではないか?


さらに拡大すると、

ああ……見えちゃった。

ぼやけていても、頭がそっち方面に向いてるから読める。



あとは沿線で左カーブした駅を探すのみ。

そう、君のようなね。



では元の写真↓


探し出した写真↓

東武鬼怒川線・東武ワールドスクウェア駅、難なく確保。



「情報をなるべく排除したのに…精進します!」と言ってくれたありぴーさんからは早速奥の手・海外編が届きました。

ヒィーがんばります!





さて今回ラストは、コンクリート仕事に最近加わった新戦力・ゆきさんからの2枚。

まさつぐ師匠とともに全国を飛び回っています。

「これでわかるの?」と聞かれましたが、、、とりあえずこれだけではメンタルが危なそうです!


2枚目は、

斜めの橋と川。景色が見えて助かる。


「これでわかったら超能力者のレベルだよ」

と素敵なお言葉。


……そうか、超能力者か……



ちょうど今回の写真群をザクザク解いている時に届いたので、鉄道モード高速運転中のまま捜索開始。


まず1枚目を拡大。

この乗車位置案内はJR西日本で確定。


いちばん注目するのは右上の「4○」。

すなわち4両編成の列車が走る路線。

(表記の多さから他にも数種類の列車が走っていそう)


橋の写真もチェック。


複線の鉄橋。

景色は市街地の広がる平野部か。川もそこそこの大きさ。


4両・市街地・川……



京都から奈良へ向かうJR奈良線の普通列車が4両編成だったような。



それに京都盆地には鴨川・桂川・宇治川など多くの川が流れている……(注:最終的に全部まとまって淀川となり大阪湾に注ぎます)


よし奈良線から見てみよう。



京都駅から奈良方面へ、そこそこ大きな川を渡る場所を探そうか、、

というか京都駅出てすぐ橋。


ここはどうだ?



では元の写真(拡大)↓


探し出した写真↓

右側のアーチ橋(東山橋)の形状、左側ビルも一致。


JR奈良線・京都〜東福寺間、鴨川橋梁からの景色、10分で確保!



こっちはさすがに苦労しましたが、徹底的に調べあげました。


京都の隣駅・東福寺駅のこのあたり、下がアミアミした場所だろう!



ゆきさんからの返信↓

完璧。



ところがこの後「東福寺駅は撮影に失敗したので(問題写真は)その次の駅なの」と返信が。



マジですか……?

ガッチリ掴んだはずの自信が全面決壊しそうになります。



そんなはずは……他の駅も調べ尽くした上での東福寺だったのに……?



ゆきさんのデータでは、問題写真は14時35分に撮影。



そして。

ほらきた。



流れがこちらに傾いたところですかさず最終兵器投入。

JR奈良線・東福寺駅、完全にアリバイを崩して確保!!!




あーよかった!


たまに出題者の方が問題の場所を勘違いされることもありますが、真実はいつもひとつ!




余談ですが、以前にも東福寺駅の問題を頂いたことがありまして(この時は隣接した京阪電鉄の駅)、集中線アプリはこの時に初めて使いました。

つい集中線を使いたくなる東福寺駅です。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。



舞台も終わったことだし(12月と来年1月〜4月までの舞台予定が最近なくなって時間ができました泣)、ペースを上げて取り組んでいきたいと思います。



ではまた!