西武鉄道の全所有車両VVVF化は2030年度完了予定

トピック:西武鉄道の全所有車両VVVF化は2030年度完了予定

スレッド:西武鉄道
「西武鉄道」スレッドのノート

■車両動向

新造

・2021年度…40000系10両x3本導入(→詳細
・2022年度…40000系10両x3本導入(→詳細
・2023年度…40000系10両x4本導入(→詳細
→2023年12月中旬現在、4本全てが営業運転開始済み

廃車

・2021年度…49両廃車
・2022年度…70両廃車(新造代替分30両+車両保有数削減分40両→詳細
・2023年度…40両程度廃車見込み?
→2024年3月下旬現在、8両が横瀬車両基地へ回送済み、38両が搬出済み

サステナ車両

・当初の定義 “無塗装車体、VVVFインバーター制御車両等の他社からの譲受車両”(→参考(PDF)
→2023年度設備投資計画では“VVVFインバータ制御車両等の環境負荷の少ない他社からの譲受車両”と定義(→参考(PDF)
・2023年9月、東急9000系と小田急8000形の導入を発表、2024年度~2029年度に順次導入予定(→参考
→東急9000系…多摩川線・多摩湖線・西武秩父線・狭山線に導入、2025年度以降運行開始予定
→小田急8000形…国分寺線に導入、2024年度運行開始予定
・新造車両とサステナ車両を並行して導入することで2030年度所有車両全VVVF化を目指す(→詳細

車両改造ほか

・列車無線デジタル化対応
→2018年9月~2022年7月に施工済み(→詳細

・6000系制御装置更新
→2015年3月~2023年6月にかけて全25編成に施工(→編成表
→2023年3月、6102Fの制御装置更新(→詳細)
→2023年6月、6101F出場(→詳細)、2023年度設備投資計画で6000系10両1編成に対して機器更新実施を明記(→詳細

・20000系CP更新
→2019年9月~2022年10月に施工済み(→詳細

・20000系制御装置更新
→2021年頃よりVVVFインバータ制御装置に更新年のラベル表示(→目撃情報

・車内LCD(スマイルビジョン)更新
→6000系・30000系の車内LCD画面(4:3)を40000系と同等の2in1タイプ17インチ画面(16:9)に更新中
(→6000系詳細30000系詳細

・6000系前照灯LED化(→詳細)
→換装作業完了

・6000系行先表示器更新
→既存のフルカラーLED表示器を更新、既存品と比較し高いリフレッシュレートが特徴(→目撃情報

・車内防犯カメラ設置拡大
→新車(一般車)は2020年度新製の40000系(40153F)以降、新製当初から設置済み
→2023年春現在、一部の6000系に設置確認(→詳細
→今後も既存車両への整備(準備)を推進(→詳細1詳細2
→2024年4月現在、複数系列で設置進行中

・ドライブレコーダー設置
→全編成を対象に設置予定(→詳細
2023年春現在、各線の20000系一部編成に先行設置済み2023年10月現在、取り外し
→2024年春現在、各線の20000系一部編成に設置済み

・本線走行車両へ車載塗油器設置を検討(JREA2022年12月号より→詳細
→一部のワンマン車は以前から設置済み

・CBTC実証試験対応(列車情報装置改修)
→2024年2月に101系1241Fが対応(→詳細

・6000系地下鉄非対応車表示(→詳細
→2024年3月末現在、6107Fと6151F~6158Fで確認

■輸送動向

・2021/03/13改正(ニュースリリース(PDF)
→終電車の繰り上げ
→平日朝・夕方の秩父鉄道直通列車運転取りやめ

・2022/03/12改正(ニュースリリース(PDF)
→日中時間帯を中心に減便

・2023/03/18改正(ニュースリリース(PDF)
→平日朝上りに拝島ライナー新設
→土休日朝の秩父鉄道直通列車運転区間縮小、土休日夕方の運転取りやめ

・2024/03/16改正(ニュースリリース(PDF)
→池袋線特急増発、時刻変更、運転区間変更
→拝島ライナー(上り)平日朝増発、新宿線特急平日一部運転取りやめ・区間縮小
→平日日中帯の新宿線・拝島線・国分寺線増発

・秩父鉄道直通列車は縮小傾向
→2020年改正…土休日朝・夕方の直通列車運転区間を縮小(池袋発着から飯能発着へ変更)
→2021年改正…平日朝・夕方の直通列車運転取りやめ
→2023年改正…土休日朝の飯能発1本を運転区間縮小(横瀬発長瀞行き)、土休日夕方の秩父鉄道線内発飯能行き直通列車運転取りやめ

・新宿線⇔国分寺線の直通列車運転休止
→2019年改正より、東村山駅付近連続立体交差事業のため新宿線⇔国分寺線直通列車の運転を休止中(→詳細(PDF)
→2023年現在、国分寺線・西武園線で使用する車両は玉川上水車両基地をベースに運用、出入庫の回送は小川駅を介して運転

・西武新宿⇔西武球場前の直通列車運転休止
→2022年改正より、所沢駅ふれあい通り線道路新設工事のため西武新宿発着の狭山線直通列車の運転を休止中(→詳細(PDF)
→2023年現在、所沢駅構内は▽新宿線の渡り線移設済み、▽21番線使用停止中

■施設・設備動向

連続立体交差事業

新宿線中井~野方駅間(地下化)
2020年度2026年度完成に向け事業中(中野区:事業施行期間変更について

新宿線・国分寺線・西武園線東村山駅付近(高架化)
2024年度2028年度末完成(鉄道付属街路事業は2030年度末完成)に向け事業中(東村山市:市報2023年10月15日号1面PDF
→工事の都合上、2023年現在、新宿線と国分寺線・西武園線は分離中

新宿線井荻駅~西武柳沢駅(高架化)
→2021(令和3)年11月都市計画決定、2024年3月6日事業認可取得、2037年度完成(鉄道付属街路事業は2039年度完成)に向け事業に着手(→東京都報道資料)
→事業区間内に上石神井車両基地が所在

新宿線野方駅~井荻駅付近(構造形式検討中)
→事業化に向け準備中

列車無線デジタル化

・新宿線系は2022年7月10日、池袋線系は2022年10月16日にデジタル化済み

信号保安装置

・2023年現在、本線・多摩川線は西武ATS、西武有楽町線はATC、山口線は点制御式ATSを使用
・2024年3月10日~2025年1月にかけて、多摩川線にて西武式CBTCシステムの走行試験を実施予定(→詳細1詳細2
→実証試験の結果と鉄道各社の動向を踏まえて次期信号システムの方式決定
→2030年代に西武線全線へ次期信号システム導入を目指す
・2022年初頭より池袋線系で列車情報装置向けとみられる新機器設置(→詳細

運行管理システム(SEMTRAC)

・第二世代システムは池袋線系:2005年、新宿線系:2006年から稼働
・新システムへ更新準備中、池袋線系は2023年度導入予定(→詳細
→司令所-乗務員間の文字情報による通告の実現、自動放送装置による旅客案内の内容充実化(→第3世代の改良点詳細
→池袋線系は2023年9月10日切替、16日本運用開始(→詳細

ホームドア

・2020年度までに6駅22番線(池袋(一部ホーム除く)、練馬、西武新宿、高田馬場、所沢、国分寺)に設置済み
・2021~2025年度…6駅17番線に設置予定(→詳細
・2026~2030年度…19駅45番線に設置予定
・2023年度時点で整備着手するのは8駅23番線(池袋の一部ホーム、新桜台、中村橋、富士見台、練馬高野台、石神井公園、東村山、新所沢)、整備に向けた検討を進めるのは2駅6番線(花小金井、小平)(→詳細
・2023年時点では定位置停止装置(TASC)未設置
→今後、地上設備の整備・車両改修の見込み(→バリアフリー整備・徴収計画(PDF)より)

ワンマン運転

・2023年現在、4路線3系統(池袋線飯能~吾野間・西武秩父線、多摩湖線、多摩川線)でワンマン運転を実施
・2021年5月公表の「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」にて、次期計画以降の取り組みとして「運転業務のスマート化(鉄道のワンマン運転エリア拡張)」の記述(→詳細(PDF)

注記

※参考として新造・廃車・輸送動向(各改正のトピック)は直近3年分の情報を記載
※直近3年より過去の情報は子ノート「まとめ:西武鉄道(過去ログ)」へ

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西武鉄道の全所有車両VVVF化は2030年度完了予定

#47669
SATS
モデレーター

日本鉄道技術協会の協会誌「JREA」2022年12月号によると、西武鉄道が新造車両と並行して「サステナ車両」を導入することによって2030年度までに全所有車両のVVVF化を目指していることが明らかになりました。

これは、西武鉄道の鉄道本部長が同誌に寄稿した記事から明らかになったもので、同社の各技術部門における固定費削減に向けた取り組みが紹介されています。この中で、車両部門における取り組みの一つとしてサステナ車両施策の検討経緯について触れられています。
記事によれば、同業他社局と比較して車両のVVVF化が遅れているとしたうえで、従来は非VVVF車を新造車両に更新することで車両のVVVF化を目指しており、この場合2036年度までかかる見込みであったとしています。
しかし、社会的な環境負荷軽減活動の高まりに応える意味で、二酸化炭素排出量削減を加速させるための検討を行ったとあります。検討の結果、同業他社局ではすでにVVVF車の廃車が発生していることを踏まえ、車両更新計画の一部を他社局からの譲受車両(サステナ車両)とすることで2030年度までにVVVF化完了を目指すことになり、今後は計画の実現に向け関係者との調整・協議を進めるとしています。

今後記事通りに計画が進む場合、当初の見込みより6年前倒しで所属車両のVVVF化が達成されることになります。
現有の西武鉄道所属車両で非VVVF車は101系・2000系・4000系・10000系(一部除く)の4形式で、2022年12月5日現在の上記各形式の所属車両数は

101系:28両(4両・7本)
2000系:290両(2両・13本、4両・19本、6両・6本、8両・19本)
4000系:48両(4両・12本、「52席の至福」含む)
10000系:35両(7両・5本、内1本はVVVF車でありその編成を除外すると7両・4本)

の、計401両(10000系は5本で計算)です。
ここ数年、西武鉄道では一般車両に限れば年20~30両程度の新車導入が続いていたほか、2022年度は車両保有数削減分40両と合算して70両が置き換え見込みであることが明らかになっており、2022年度これまでに2000系38両で廃車とみられる動きがありました(上記数字にこの38両は含んでいません)。
以上のことから、今後も車両更新のペースが加速することが予測されます。

なお、この記事では他にも、

・変電所間に敷設しているケーブルをメタルケーブルから光ケーブルに変更し、遠隔で取得できる変電機器データを多様化することで現場巡視作業軽減を狙う
・レール探傷車更新に合わせてレールの波状摩耗測定等を行う測定装置を搭載(2021年度に検証を行い、2022年度から運用開始)
・車輪交換費用やレールへの影響低減を図るため、本線を走行する車両へ車載塗油器設置を検討

と、電気・工務・車両の各技術部門における取り組み状況が紹介されています。

▼参考文献
藤井:「鉄道施設・電気設備の固定費削減」, JREA 65(12):2022.12, p.46548-46549

※サステナ車両:“無塗装車体、VVVFインバーター制御車両等の他社からの譲受車両”と西武が独自に定義した呼称
「2022年3月期 決算実績概況および「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」の進捗」45、47ページ(PDF)より)

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