885系「白いかいおう」で行く福北ゆたか線フェスタ | 風かおる 鉄の路

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主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

かいおうに885系?

福北ゆたか線の特急列車といえば、博多~直方間の「かいおう」です。

この特急は純然たる通勤特急であり、博多行きが朝に、直方行きが夜に、各1本ずつ運行されます。

使用車両は2022年ダイヤ改正より787系6両編成、それより以前は783系が使われていました。

私も783系時代に一度乗車したことがありますが、夜走るので景色は見えなかった記憶があります。

↑記事はこちら

 

そんな「かいおう」が臨時列車として昼間に走る日がやってきました。

 

それは2022年12月3日のこと。

この日直方車両センターで行われる「福北ゆたか線フェスタ」に合わせて1往復かいおうを運行することとなったのです。

 

9064H 特急かいおう4号 博多(8:17)→直方(9:18)

9065H 特急かいおう5号 直方(16:00)→博多(17:14)

 

しかも、使用車両はこれまで「かいおう」に使用されたことのない885系!

福北ゆたか線フェスタで展示する車両の送り込みと返却を兼ねて運行されるのだとか。

 

885系といえば現在は「リレーかもめ」「みどり」「ソニック」で活躍する振り子式車両。

登場以来福北ゆたか線には縁のない車両で、今回の「かいおう」で初の営業運転での入線となります。

 

今回はこの珍しい885系「白いかいおう」に乗車してきたのでご紹介します。

 

885系入線

2022年12月3日。博多駅7番のりばにやってきました。

 

ホームには臨時の乗車位置案内が設置されていました。

 

ホームで待っていると、まずやってきたのは直方からやってきたかいおう1号。

こちらは定期の列車です。

博多行きは朝運転されるので乗りにくいんですよね…

 

787系が去るといよいよ「白いかいおう」の出番です。

 

すでにホームの発車標には「かいおう4号」の文字が。

朝の8時台にかいおうの文字が見られるのはかなり違和感(笑)

 

ちなみに博多発定期の「かいおう2号」は21:36発なので、「4号が2号より先に走る」というこれまた珍しいことになっています。

 

 

8:10頃、南福岡より回送で885系6両編成が入線してきました。

こちらが今回「かいおう4号」となる車両です。

 

停車して、改めて車両を見ると、やけにピッカピカです。

実はこの編成(SM1編成)、2日前に小倉総合車両センターを出場したばかりなのだとか。

検査したてのつややかな車両が直方に向かいます。

 

 

かいおうに入ることも、直方に行くことも想定されていないため行き先表示は「臨時」単体。

 

それでは車内に入ります。

 

今回乗るのは…グリーン車!

せっかく珍しい列車に乗るのだから奮発した…というわけではありません。

この臨時「かいおう」には、グリーン席・指定席・自由席の3つのタイプの座席が設定されていたのですが、このうち指定席は全席福北ゆたか線フェスタツアーの貸切。実質的にはグリーン席と自由席しか設定されていませんでした。

ということで必然的にグリーン席一択。

 

ちなみに「かいおう」に関してはグリーン料金が特例で320円とかなりお得になっている…というのは以前もご紹介したとおりです。

 

885系のグリーン車の特徴としては、この丸いかわいい木のテーブルだったり、

 

コンセントがついていたり(一部指定席車にも設置されています)。

今回は反対向きですが、1号車を先頭に走るときは前面展望も楽しめます。

 

それでは時間になりました。

885系福北ゆたか線初入線の旅、スタートです。

 

初めて行く旅路

博多を発車した列車は、まず普段は通らない福北ゆたか線専用の単線を走ります。

 

最初の停車駅・吉塚に停車。

ここからいよいよ福北ゆたか線(篠栗線)に入ります。

885系入線は初なので、各駅には撮り鉄の姿がちらほら見えました。

 

特急なので途中の駅を飛ばして快走…と言いたいところですが…

 

さっそくスピードを落とし、停車しました。

香椎線との接続駅、長者原です。

 

ドアは開かない運転停車で、しばらくすると反対ホームに博多行き普通列車がやってきました。

 

発車したかと思ったらまた停車。門松です。

 

普段特急が走らない時間に無理やりダイヤをねじ込んでいるため、このような行き違いの運転停車を繰り返します。

特急らしさは感じられませんが、これもまたご愛嬌。

 

門松を発車すると、篠栗線の主要駅、篠栗を通過。

 

篠栗を過ぎると、列車は山の中へ。隣りには現在4車線化工事の真っ最中の八木山バイパスが並走しています。

 

城戸南蔵院前で運転停車。世界最大級の釈迦涅槃像のある南蔵院最寄り駅です。

 

城戸南蔵院前を出ると八木山峠越え。全長4550mの篠栗トンネルを抜け、筑豊地方へと入っていきます。

 

篠栗トンネルを出た先の九郎原でもまた運転停車。

ここは篠栗線一の秘境駅であり、普通列車も一部は通過となります。

そんな秘境駅に今日は885系が停車しています。

 

桂川に停車。吉塚を出てからいろんな駅に止まってきましたが、ここが吉塚以来最初の客扱停車駅です。

ここからは筑豊本線に入ります。

 

飯塚に停車。旧上山田線との分岐駅だった駅。

飯塚市中心部の駅は次の新飯塚です。

 

 

飯塚をでてすぐ、新飯塚に停車。後藤寺線との分岐駅です。

次は終点の直方です。

 

列車は遠賀川を渡ります。

普段はもっと下流で遠賀川を渡る885系ですが、今日は中流域の橋を渡っています。

 

遠賀川を渡ると直方はもう間もなく。

最後にめったに流れない鉄道唱歌のメロディとともに車内放送が流れました。

 

 

9:18、約1時間の旅路を終え、終点直方に到着しました。

 

直方に885系がやってきた日

直方市の中心駅、直方駅。平成筑豊鉄道との乗り換え駅です。

普段は813系や817系・BEC819系といった普通列車用車両しか見られないこの時間帯の直方駅に885系がやってきました!

 

違和感しかないです(笑)

 

初めて直方にやってきた885系を歓迎しようとJR九州の社員さんが横断幕と…

 

なぜかシャボン玉でお祝い!

ふわふわシャボン玉~

 

記念の旗を配布していたのでもらってみました!

今回の885系乗り入れ、なかなか気合が入っていますね。

 

ツアーに参加した方は885系に乗ったままフェスタ会場の直方車両センターに入れるようで、ツアー客を乗せたままドアが閉まり、発車していきました。

 

発車した885系は転線を繰り返し、直方車両センターへと入っていきました。

 

ということで885系福北ゆたか線初入線の列車に乗車することができました。

やはり普段入線しない車両が走るというのは面白いですよね~

これからもそんな面白い列車の設定に期待します。

 

それでは、私も直方車両センターへと向かいましょうか。

 

885系振り子体験!

直方駅のお隣、JR九州筑豊篠栗鉄道事業部直方車両センターが「福北ゆたか線フェスタ」の会場です。

 

すでに入り口には列ができていたので後ろに並び、10時の開場を待ちます。

 

中に入ると、まずは受付で入場料100円を支払い、次いでこのような1000円分の体験チケットを購入します。

11回分の「体験チケット」がセットになっており、これを消費することでいろんな体験ができちゃうのです。

 

ということで、まずやってきたのはさっき乗った885系の前。ここでは定番の運転室見学と、そして振り子体験ができちゃうのです。

振り子体験…もしかしてミュージックホーンが聞けちゃうのでしょうか!?

 

ミュージックホーンとは車両から外に向けてメロディーを流す装置のこと。

JR東日本や西日本、名鉄のものが有名ですよね。

ミュージックホーンの目的は、警笛と同じく注意喚起だったり、車外BGMだったり…

いろいろあるのですが、通常は営業運転時に聞くことができます。

 

その一方で885系のミュージックホーンは営業運転では一切聞くことができません。

というのも、こちらのミュージックホーンの目的は「振り子動作試験での注意喚起」なのです。

車両基地などに停車した状態で、運転室のコンソールボックスの中のスイッチを操作することで鳴るようになっているため、営業運転時に聞くことは不可能です。

同じチャイムは883系にも導入されていますが、こちらも操作方法は同じ。

 

振り子体験…と聞いて、真っ先にミュージックホーンのことが頭に浮かびました。

普段は絶対に聞けないメロディー、聞くのが楽しみです。

 

ということでさっそく乗車!

さっき乗車した1号車に階段を使って登っていきます。

885系の車体は下がすぼまった形になっているので階段をのぼるのがちょっと大変…

 

ということで再び車中の人になりました!

ホームが無いところでドアを開けているのってなかなか珍しいですよね~

非常用ドアコックを使ってこのドアだけ開けているようです。

 

参加する人が全員集まったところで係員がおもむろに非常用ドアコックを操作しました。

すると、「プシュー」という音とともにすごい勢いでドアが閉まりました。

営業運転ではこんなに速く閉まらないですよね…?

新鮮な驚きを感じました。

 

 

ということで、まずは振り子体験、スタートです。

車内放送で、まずはミュージックホーンが流れ、その後に車体が左右に動くとの案内が。

 

ついにミュージックホーン!

 

……………。

 

??

あれ?聞こえない…

車内だからでしょうか…?

 

 

続いて、動物の鳴き声に近いような音がして、車両が左右に傾きだします。

わかりにくいですが、確かに傾いています。

…カーブを曲がるときに聞こえるあの音って振り子装置の動作音だったんだ…!

またひとつ知識を得ることができました。

 

振り子体験が終わると、続いては運転室見学!

885系の運転室に入るのはこれで確か2度目です。

 

こちらが885系の運転席です!

運転席はレカロ社に特注したセミバケットシート。座ってみると身体を程よくホールドしてくれるのがわかります。

 

こちらは運転台の機器類。

コンパクトに計器類がまとめられています。

 

運転席の隣りには機器類の灯りスイッチ、そして運転席後ろの液晶ガラスの切り替えスイッチが備わっています。

液晶ガラスとは、普段は透明ですが、非常ブレーキの動作時などには瞬時に不透明に変わるガラスのこと。

 

(昔、885系ソニックの先頭座席に座っていて人身事故に遭遇した際、ぶつかる直前にこのガラスが一瞬で不透明に変わった瞬間を見たことがあります…おかげでぶつかる様子を見ずにすみましたが…)

 

 

手歯止使用中の標識なんかも。

普段はなかなか見る機会のないものを見ることができました!

 

885系かもめ編成車内探訪

終わったらすぐに出なければいけないかと思っていましたが、時間までは車内を見て回っていいそうなので、この機会にじっくり見ておくことにします。

885系はデッキが面白いので、各デッキの様子を見ていきましょう。

 

こちらは2号車のデッキ。

半個室になったブースが2つあります。

左側には昔公衆電話があったそうですが、現在は撤去。右側は登場時から携帯電話用ブースでした。

 

中はこんな感じ。ドアは自動で開くようになっています。

 

 

さらに同じく2号車のデッキには壁面にたくさんの書道作品が飾られています。

これは福岡出身の書家・四宮祐次氏の作品。

実は各編成によって違う作品が飾られているのだとか。

 

おどみゃ島原のおどみゃ島原の
梨の木育ちよ何のなしやら
何のなしやら色気無しばよ
しょうかいな早よ寝ろ泣かんで
オロロンバイ鬼の池久助
どんのつれんこらるばい

 

SM1編成に飾られているこちらの作品は「島原の子守唄」の一節だそうです。

 

 

他にも長崎にまつわるいろいろな作品が展示されています。

ただ…長崎行かなくなっちゃったんですよね、残念ながら…

 

こちらは3号車デッキにあるミニショップ。

右側にはショーケース、左側は幕を開けると、対面販売用の簡単なカウンターが設置されているようです。

客室乗務員乗務時代からほぼ車販準備室代わりにしか使われていなかったミニショップ、今後使われることはあるのでしょうか…?

 

こちらは4号車デッキのスペース。

簡単な木のベンチがありますが…ここに座ることを想定しているのでしょうか?

 

その向かいには縦長の大きな窓。

壁には液晶ディスプレイが埋め込まれていて、昔は観光情報の映像を流していたようですが、現在は使われていません。

 

お隣には車掌用の開閉できる窓が備えられています。

 

こちらは5号車のデッキ。

自動販売機がありますが…すでに使用停止されていて空っぽになっています。

JR九州では、全特急列車において自販機の営業を終了しています。

 

かもめマークが出入り口に取り付けられていました。

 

ここでちょっと豆知識。

885系のドア横にはこのようなランプがあるのですが、これは行先によって色が変わり、長崎・大分行きは赤、博多行きは青となるようです。

リレーかもめではどうなっているのかわかりませんが…

 

続いては座席のご紹介。

885系は普通車も含めて本革の座席が有名でしたが、メンテナンスに難があったのか、現在は通常のモケットに取り替えられています。

 

客室端にはこのような大きな荷物置き場が設置されています。

 

客室窓からは813系と817系が縦列停車しているというここだけの面白い光景が見られます。

 

反対にはこれまた縦列停車しているキハ40。

 

賑わうイベント会場も見られます。

885系からこんな風景が見られるのも、この福北ゆたか線フェスタならではですね。

 

そろそろ時間になったので戻ります。

 

遊び心たっぷりの885系の車内をじっくり観察することができました…!

 

こんな角度から885系が眺められるのもイベントならではですね。

 

ついにミュージックホーンが…

私たちの回が終わって、次の回の人たちが車内に入っていきます。

 

待っていたらミュージックホーン聞けそうなのでしばらく待っていると…

 

 

トロピカルな音色のミュージックホーンが…あれ?

途中切りされちゃいました…

 

ミュージックホーンが流れたあと、車体がゆっくりと右左へと傾いていきます。

外から見るとその傾きがわかりやすいですね。

 


それにしても、途中切りされちゃったのが本当に残念…

 

いろんなイベント

885系振り子体験の他にもさまざまな体験があります。

例えば、発車標に好きな文字が入れられたり…

(誰ですか、急行日南って入れた人…)

 

 

このキハ40に自分だけのヘッドマークを取り付けられたりします。

 

(一例)

………。

確かにキハ40 2105は小倉総合車両センターで輪切りにされていますが…

こういう面白い作品も出てくるので見ているだけでも楽しいです。

 

そんなイベントの中で私が選んだのはこちら。アルミカートです。

アルミカートとは保線のために使う小さな乗り物。

車両基地公開の定番です。

 

ということで出発!

100mほどですが、けっこうなスピード感で走り、爽快さを感じました。

 

体験チケットが余っちゃったので、最後は缶バッジ釣りを2回ほど。

流れている缶バッジは基本1枚、ものによっては2枚入っているので2枚入っているものを狙います。

 

ちなみに1枚入りも2枚入りもひとつはこれ↓が入っています。

くきのうみ花火の祭典……

 

あっ!!このバッジって若松駅で1枚100円で販売する予定だったのが花火大会が中止になって売れなかったやつでは…

まさに在庫処分といった趣です。

 

ちなみに2枚入りのうちもう一つのバッジは、

筑前岩屋駅ウォーキング(2022.10.30)や、

 

今日のフェスタにツアーで参加した人がもらえる缶バッジでした。

こっちは嬉しいですね~

 

ということで福北ゆたか線フェスタの様子でした。

規模的にはこじんまりとしていますが、885系がいたり、アルミカートや発車標体験など、楽しい企画でけっこう賑わっていましたね~

これは来年にも期待かも?

 

それでは。

 

★乗車データ

9064H 特急かいおう4号 博多(8:17)⑦→直方(9:18) 885系 SM1編成

※2022年12月3日乗車

 

[9064H 詳細運転時刻]

博多 8:10/8:17⑦→吉塚 8:20→[長者原 8:26/8:28]→[門松 8:31/8:32]→[城戸南蔵院前 8:39]→[九郎原 8:45/8:47]→桂川 8:53/8:54→飯塚 9:00/9:02→新飯塚 9:04/9:06→直方 9:18

※実際に計測した運転時刻です。

※[ ]内は運転停車

 

 

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