リニア・鉄道館のわかりやすい解説~名古屋にある「JR東海の鉄道博物館」で新幹線・SLなどを満喫

鉄道模型Nゲージ運転会

リニア・鉄道館

リニア・鉄道館は愛知県名古屋市港区金城ふ頭にある鉄道保存展示施設で、東海旅客鉄道(JR東海)が運営・管理しています。
もともとJR東海は、飯田線の中部天竜駅と言うかなり山の中にある中部天竜機関区の跡地を利用した佐久間レールパークを運営していました。
しかし、名古屋港・金城ふ頭を整備した名古屋市の要請を受ける形で移転し、2010年に「リニア・鉄道館〜夢と想い出のミュージアム〜」がオープンした次第です。
展示車両は鉄道車両が39両(屋内展示35両と屋外展示4両)、バスが1両などの構成で動態保存車はありません。
佐久間レールパークにあった展示車両も移転したため、飯田線の古い車両(国電・流電)も静態展示されています。

何回も伊勢湾岸自動車道を行ったり来たりしていたことがあります。
しかし、定休日が合わなかったり1度もリニア・鉄道館は訪れていなかったため、今回の出張では行程に組んでみました。

リニア・鉄道館

券売機でチケットを購入して入場口から入りますとまず初めに目につくのはC62蒸気機関車でして、SLがお出迎えと言う感じでした。(シンボル展示と言うらしい)
C62蒸気機関車17号機は、1954年12月に東海道本線・木曽川橋梁にて129km/hの狭軌蒸気機関車の最高速度を達成した優秀なSLです。
松本零士さんの「銀河鉄道超特急999号」の牽引機もC62形ですし、京都・梅小路にもC62があります。

C62蒸気機関車17号機

日本最速SLの隣に並んでいるのはJR東海955形 955-6「300X」(ラウンドウェッジ型先頭車)です。
もちろん聞いたことも無い形式なのですが、新幹線の高速試験用電車300Xとなります。
米原駅~京都駅間で日本国内最速速度記録(リニアを除く)443km/hを樹立した試験車両で、N700系開発に大きく貢献しました。

JR東海955形 955-6「300X」

上記写真の右側にあるのは、JR東海 MLX01リニア実験車輛 MLX01-1 になります。
山梨のリニア実験線用に開発された車両ですがすでに引退となっており、現在の中央リニア新幹線・試験車両はL0系に置き換わっているようです。
このように最初の展示フロアでは、当時の世界記録を樹立した記念すべき車両が3種類展示されていると言う事になります。


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ここからは通常の屋内展示をご紹介してみます。
古い順番から製造年が戦前(~1945年)までの車両を掲載してみようかな?
鉄道に詳しくはないので、記載間違いなどありましたらお詫びを申し上げます。(ご指摘頂けますと助かります)

ホジ6005形蒸気動車

ホジ6005形蒸気動車は「鉄道記念物」に指定されています。
とても特殊な車両で蒸気機関を装備した「蒸気動車」と言う事になります。
わかりやすく解説すると「小さなSL」と「客車」がセットになった気動車と言うと理解しやすいでしょうか?

ホジ6005形蒸気動車

客室内に石炭を使う小さな蒸気機関車が組みこまれていて、単独で走行できた気動車(両運転台)で現存する唯一の蒸気動車との事。
鉄道院に導入されたうちの1両(ホジ6014)で、犬山遊園から博物館明治村を経て、2011年からリニア・鉄道館にて保存展示されており、1番の目玉となるでしょう。
ただ、ガソリン・エンジンの主力が向上するとガソリンカーに置き換わっていったとの事です。

ケ90形・蒸気機関車

大正時代に東濃鉄道(JR太多線)で使われていた軽便鉄道の蒸気機関車で野外で展示されている。

ケ90形式・蒸気機関車

ちなみに、ケ91形は浜松の遊歩道「堀留ポッポ道」で静態保存もある。

モハ1形電車

鉄道省が製作した木製電車(モハ1035)で復元され現存する唯一の車両。

モハ1形式電車

京浜線、中央線などで活躍しのち通勤電車の見本となった。

ED11形電気機関車

ED11形電気機関車は大正12年にアメリカから輸入した電気機関車。

ED11形電気機関車

東海道本線・横須賀線が電化された際に2両だけ導入され、伊東線でも運用された。
最高速度は65km/h。

ED18形電気機関車

ED18形電気機関車も東海道本線が電化される際に鉄道省がイギリスから輸入した電気機関車で、3両導入されたうち1両が現存する。

ED18形電気機関車

晩年は中部天竜機関支区に配置され、飯田線でED19形とともに貨物列車牽引用に使用された。
最高速度は65km/h。

この日は平日と言う事もあり、小学生の遠足も訪れていた。(楽しそう)

モハ12形電車

モハ12形電車は両運転台式3扉ロングシートの車体長17m級電車。

モハ12形電車

展示されている12041は、鉄道省初の鋼製電車モハ30形式として誕生したあと1987年(昭和62年)に牽引車のクモヤ22形(旧モハ10形)を旅客用に整備したもの。
晩年は飯田線で活躍した。

スニ30形荷物車

スニ30形荷物車は鉄道省初の鋼製荷物車で、乗客の荷物や郵便物などを運搬する車両。
原型はオハ31系客車。

オヤ31形客車とスニ30形荷物車

上記写真の右側がスニ30形荷物車で、左側はオヤ31形客車。

オヤ31形客車

このオヤ31形客車は大変珍しいスハ32系客車を建築限界測定用試験車に改造したもの。

オヤ31形客車

接触式センサーが付いており、走行しながら建築物(トンネルなど)に支障しないか測定する目的で改造され、7両だけ生産され国鉄民営化の際に各JRに分配された。
現在はレーザー光線を当てるレーザー距離測定方式であり、長さも6m前後と短くなっている。
ワールド工芸さんから鉄道模型(Nゲージ)でもオヤ31形客車が発売されている。

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モハ52形電車

流線型デザインから「流電」の愛称で親しまれ戦前に京阪神間の急行電車として活躍した戦前の国有鉄道を代表する電車。

モハ52形電車

晩年は飯田線にて運用された。
下記はモハ52形電車の運転席の様子。

モハ52形電車

下記はモハ52形電車の客室(座席)だが、このレトロな雰囲気はスゴク良いですね。

モハ52形電車

リニア・鉄道館のクモハ52004は製造時の塗装となっています。
KATOから鉄道模型Nゲージでモハ52形が2023年頃に発売される予定。

(参考) 講演「模型で楽しむ飯田線の旧型国電+α」railways湘南ラインしんゆり店さま10周年記念企画・参加レポート

クモハ52004に関してはショート動画も作成してみたのでよければご覧頂きたい。

オハ35系客車

オハ35系客車はスハ32系客車の改良型。

オハ35系客車

三等車として主に使われ、リニア・鉄道館の オハ35 206 は、登場時の車内に復元されていると言う。

C57形蒸気機関車139号機

C57形蒸気機関車139号機はお召列車にも使用されたSLで、準鉄道記念物に指定されている。

C57形蒸気機関車139号機

以上が戦前(~1945年)までに製造されてきた形式の鉄道車両。

下記写真は右から1等寝台の「マイネ40」、1等寝台「オロネ10」、気動車「キハ48000」、特急形気動車「キハ82」、通勤形電車「モハ63」、東海道色の1等車「サロ165」最奥(一番左)が「クモハ165」。

リニア・鉄道館

その他、JR東海らしく新幹線の展示も豊富です。

リニア・鉄道館

国鉄バス第1号車

下記は2階に展示されている国鉄バス第1号車(省営バス)は現存する最古のバス、国の重要文化財、鉄道記念物にもなっています。
国鉄が初めてバス輸送を開始した際に使用された車両が展示されています。

国鉄バス第1号車

国産車が採用されており、岡崎-多治見、高蔵寺-瀬戸記念橋間で運転されていました。

※展示内容などは執筆後に変更となっている場合もありますのでご容赦願います。

その他2階にはシュミレーターや、16番のジオラマなどがありました。

リニア・鉄道館のジオラマ

また駅弁なども販売されているデリカステーション、お弁当などを食べられる飲食コーナーなどもありました。

1階の出口では「売店」(ミュージアムショップ)があります。
リニア・鉄道館では大変貴重な銀河鉄道999フローティングモデルが売られていることでも有名でして2個ほど棚に在庫があったうち、とても残念ながら1個購入してしまいました。

銀河鉄道999フローティングモデル

銀河鉄道999フローティングモデルは、組み立てたらまたご報告申しあげたいと存じます。
→ 組み立てました。(下記)

銀河鉄道999「宙に浮いている?」C62 48号機999号~銀河超特急フローティングモデルを名古屋で入手

リニア・鉄道館の見学所要時間ですが、駆け足ですべての展示車両を撮影しましたが、有料駐車場からの移動も含めた見学時間は約90分でした。
ゆっくり見学しますと2時間以上は必要だと思われます。


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交通アクセス

リニア・鉄道館への行き方・交通アクセスですが、名古屋臨海高速鉄道・あおなみ線の終点・金城ふ頭駅から徒歩約2分。
駐車場ですが、建物脇にタイムズがあり一番近い駐車場だと思って入ったら、観光バス専用駐車場でした。
5分以内に退出すれば無料なので、すぐに出て市営の金城ふ頭駐車場(1時間500円)に止めています。
駐車場からは徒歩5分以上です。(駐車券の割引などはない)

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