土山駅【兵庫県】(JR神戸線。2019年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県播磨町東端部(地元では北端部w)、明石市や加古川市との境界近くに広がる住宅街に位置する山陽本線【JR神戸線】の駅で、兵庫県立考古博物館や大中遺跡への最寄駅、播磨町、加古川市、明石市のほか、稲美町や神戸市西区の一部まで駅勢圏に入っている駅、そして鉄道ファンには別府鉄道土山線が接続していた駅として知られている、
土山駅 (つちやまえき。Tsuchiyama Station) です。
 
尚、地図上では線路は南北方向に延びていて、東西に出入口があるのですが、私の地元の明石地区・加古川地区(東播地区)では慣例的に海側を南、山側を北と見なして生活しています。そのため、当記事においては地元の慣例的な方角を指していますのでご了承下さい(一部、正式は方角を括弧書きしています)。
 
 
駅名  
土山駅 (JR-A 77)
 
所在地  
兵庫県加古郡播磨町  
(※) ホームの神戸方は明石市にまたがっています。   
 
乗車可能路線    
JR西日本:山陽本線【愛称:JR神戸線】  
 
隣の駅  
神戸方・大阪方……魚住駅  
姫路方・門司方……東加古川駅  
 
訪問・撮影時  
2019年7月  
 
 

 

土山駅は地平駅で、2003年に橋上駅舎化されました。
南北に出入口があり、いずれも階段・上りエスカレーター・エレベーターの設備を有しています。土山駅はバリアフリーに対応しています。
橋上駅舎は南北自由通路を兼ねています。また、駅西側(姫路方)には踏切と改札外跨線橋(自転車通行可)がありますが、南北自由通路は南北間のバリアフリー通路にもなっています。
 
写真は実質的正面口に相当する北口です。上写真は西を、下写真は南を望む。
橋上化以前は北口出入口の場所に古びた木造駅舎がありました。
大中遺跡や兵庫県立考古博物館が播磨町内にある事にちなみ、古代建造物風のデザインをした橋上駅舎になっています。
階段が左右3ヶ所、上りエスカレーターが西側、エレベーターが中央にあります。
尚、北口は駅前が手狭であるため、まともな大きさの駅前広場が整備されておらず、東側の線路沿いにはバス停留所とタクシー乗り場を設置した簡易ロータリーがあり、西側の線路沿いにはベンチと小さな送迎スペースが設置されています。
 
 

北口駅前です。北(北東)を望む。後方に橋上駅舎があります。
奥に延びる駅前通り沿いには小さな商店街が形成されていますが、歩道がなく危険です。
北口周辺は住宅街で、マンションも多いのですが、駅前は再開発がされておらず、前時代的で雑然とした町並みが広がっています。
これは、北口駅前は播磨町なのですが、すぐ東側のロータリー中ほどまで明石市域が迫っており、さらに写真奥、約180m先では駅前通りが国道2号線と土山交差点で交わるのですが、その土山交差点は加古川市域になります。さらに土山交差点を過ぎて少し進むと明石市域に変わります。土山駅前は複数の市町が入り組んでおり、また、播磨町としては北口を利用するのは播磨町民ではなく加古川市民や明石市民の方が多いため、再開発するにも資金面など調整が難しい面もあるかと思います。隣接する両市にとっても播磨町域に税金をつぎ込めない事情があります。
そして、駅前通りをさらに北進すると約1.2kmで加古郡稲美町へと変わり、さらに進んで右への路地を入ると2.8kmほどで神戸市西区に入ります。そのため、稲美町からの土山駅利用客も多く、神戸市域からの利用客も少しは存在すると思われます。
ちなみに「土山」の駅名は播磨町ではなく隣接する加古川市の地名「平岡町土山」が由来です。
余談ですが、駅周辺の自治体の入り組みが影響してか、駅北口周辺の固定電話の市外局番は播磨町域、加古川市域を含めて明石市の078に統一されています。播磨町および加古川市の市外局番は079ですが、土山駅周辺に電話をかける時は同じ市町内であっても電話料金が多少割高になります。まぁ、078は神戸市の市外局番でもあるため、播磨町や加古川市には神戸市内へ市内料金で通話可能な地域があるという事になります。
 
北口駅前の主なランドマークとしては、イオン土山店(旧ジャスコ。約400m北東)、ドライブインながさわ(スーパーセンタートライアルなどが入居。約900m北東)、第二神明道路と加古川バイパスの明石西インターチェンジ(通称:土山インター。約950m北東)が挙げられます。かつては約300m北に「ライフ土山店」もありました(解体後、マンションに改築)。イオンとライフの間には土山綜合市場があります。
 
 

 

こちらは南口です。上写真は北を、下写真は北西を望む。
橋上駅舎のデザインは南北とも共通で、階段3ヶ所、上りエスカレーターが西側、エレベーターが中央に設置されています。
エレベーター出入口に隣接してトイレと多機能トイレがあります。
南口駅前一帯は別府鉄道土山線の土山駅跡の用地があり、さらに東側を除き播磨町域で統一されているため、大規模なロータリーを有する播磨町設置の駅前広場が整備されていて、駅前が広々としています。バス停留所とタクシー乗り場が設けられており、ロータリー内には古代建築物をイメージしたからくり時計があります(私の訪問時は「調整中」で、稼働していませんでした)。
また、駅東側(写真右外)は明石市域で、明石市は播磨町との境界ギリギリの線路沿いにもう1ヶ所のロータリーを設けています。明石市方面へのバス路線の停留所が併設されています。
尚、2つのロータリーを直接結ぶ車道はなく(歩道では結ばれています)、ここでも自治体の境界を感じます。まぁ、車道を繋げないことによって駅前の渋滞は回避できていますが…。
 
 

南口駅前です。橋上駅舎2階より南西を望む。
正面に播磨町設置の駅前広場が、左側の線路沿いに明石市設置のロータリーがあります。駅前広場手前側の場所には別府鉄道土山線の土山駅がありました。
右手の線路沿いには大和ハウスグループの商業施設である「BiVi土山(ビビ土山)」があり、播磨町土山駅南交流スペース「きっずなホール」、スーパー「トーホーストア」、ドラッグストア「キリン堂」、100円ショップ「セリア」、「西村書店」などが入居しています。
南口駅前は奥に延びる駅前通り沿いを中心に整然とした住宅地が広がっています。商店は少ないです。駅から離れると田畑が残っています。
左側の明石市域も田畑が混在した住宅地で、ロータリー前には丸尾カルシウム土山工場があります。
約2.1km南(西)には山陽電気鉄道本線の播磨町駅と播磨町役場があります。
そして写真奥(約3km先南)には播磨灘を埋め立てて造成した人工島「新島」があり、林立する工場の屋根を駅から確認できます。
 
 

橋上駅舎2階にある改札口です。東を望む。土山駅の改札口はこの1ヶ所のみです。
左手に北口が、右手に南口があります。
土山駅は有人駅で、2019年7月時点においてインターホンは設置されていませんでした。
交通系ICカード『ICOCA』などに対応の自動改札機が4通路あり、一番右の自動改札通路は幅広通路で、点字ブロックが設置されています。窓口に面した右端に有人通路が設けられています。
改札口の右手前には『みどりの窓口』があり、その右側には自動券売機(ICチャージ可)と指定席券売機『みどりの券売機』があります。改札内には自動精算機(ICチャージ可)があります。
改札内にはAEDとトイレ・多機能トイレがあります。トイレ・多機能トイレは改札外の南口1階エレベーター出入口前にもあります。
そして1階にある各ホームとの間には階段、上りエスカレーター、エレベーターが設置されています。土山駅はバリアフリーに対応しています。
改札内の写真奥にはJR西日本系のミニコンビニ「セブンイレブン ハートイン」があります。
尚、改札外の駅構内に売店・コンビニはありませんが、北口の約180m東側の線路沿いにコンビニ「ファミリーマート」があります。
 
 

中線2番のりばに設置されている吊下式駅名標です。電照式で、バックライトは蛍光灯と思われます。
JR西日本の標準デザインで、下部にはJR神戸線のラインカラーかつJR西日本のコーポレートカラーである青が使用されています。
尚、この駅名標には土山駅の駅ナンバリング (JR-A 77) が併記されていません。
JR西日本の駅ではメインの駅名標に駅番号が表示されていませんが、柱に設置されている縦型の駅名標には表示されています。
また、2番乗り場は上下双方向の列車が発着するため、両隣の駅に対して矢印が表示されています。
 
 

土山駅は単式ホーム、島式ホームとも各1面、計2面3線の地平構造で、地元の感覚では東西方向(実際は南南東~北北西方向)にホームが延びています。
左側(北)の単式ホームは1番のりばで上り神戸・大阪方面、右側(南)の島式ホームは左が中線の上下共用2番のりばで主に待避列車が発着し、右が3番のりばで下り姫路・門司方面です。
1番のりばから見て2・3番のりばは神戸方(奥)にずれて配置されています。
ホーム有効長は12両分で、2022年1月時点において昇降式ホーム柵は未設置です。ホーム幅は単式の1番のりばが広く、島式の2・3番のりばが狭いです。1番のりばも両端は狭くなっています。
上屋は各ホームとも約8両分設置されていますが、1番のりばは神戸寄り、2・3番のりばは姫路寄りにやや偏って設置されています。10両編成、12両編成は一部が上屋に収まりませんので、雨天時の乗降は要注意です。
各ホームにはベンチと飲料自動販売機が設置されています。
写真は1番のりばより神戸方・大阪方を望む。
 
 

 

上写真は2番のりばより、下写真は1番のりばより、いずれも姫路方・門司方を望む。右から1番のりば~3番のりばの順です。
3番のりばの左側(南)には1984年1月31日まで別府鉄道土山線の土山駅が併設されていて、島式ホーム1面2線と貨物側線が併設されていました。跡地は西側から出入りするループ構造の路線バス専用道路として暫定使用されていましたが、現在は南口の通路、駐輪場、駅前広場などに転用され、痕跡が残っていません。
そして、1番のりばの右側には保線基地があります(後述)。
 
 

また、1番のりば神戸方の北側には保線基地があり、神戸方から引込線が延びています。
かつてはこの地に貨物ホームなどの貨物設備が存在したと思われます。
写真は神戸方を望む。
 
 

1番のりばより神戸方・大阪方を望む。左から保線用側線が合流します。
また、土山駅の所在地は播磨町ですが、ホームの神戸方は明石市にまたがっています。したがって、ホーム端は明石市です。
この先、郊外の住宅、工場、農地が混在する一帯を南南東へ走り、左手に明石市の給水塔が見えてくると、瀬戸川を渡ります。その後は左側が一段高い台地になり、左へカーブしながら住宅街の中を走ります。そして上り勾配で引き続き住宅街の中を走ると線路も台地に上がり、明石市道をアンダーパスするとほどなくして魚住駅へと至ります。
 
 

1番のりばより姫路方・門司方を望む。
ホーム端のすぐ先踏切と跨線橋があり、その先で以前は別府鉄道土山線が左へ分岐して、マンションや集合住宅が建ち並ぶ中を走って別府港へ向かっていました。土山駅付近の廃線跡は「であいのみち」として遊歩道化されています。
この先、別府鉄道土山線の廃線跡が左へ分かれるとすぐに加古川市へ入り、農地が混在した住宅地の中を北北西へ走り、喜瀬川を渡ります。農地は左側に集中しています。左手の田園越しには圓満寺の五重塔が見えます。その後は国道2号線をアンダーパスして左へカーブしながら郊外の住宅地の中を走り、工場や商業施設などを見ながら北西へ走ると景色が住宅街に変わり、さらに進んで市街地に変わると東加古川駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が土山駅で下車(乗車)したのは1997年に何度もありますが、乗り鉄関係では2016年と2019年の計2度です。1997年は土山でアルバイトしていた事があったため、何度も利用しました。そして2016年は乗り鉄時の寄り道がてら下車しましたが、2019年には兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で改めて下車しました(2019年7月全駅制覇)。ホームは2面3線で、1997年時点では北側に木造駅舎がありましたが、今は綺麗な橋上駅舎になっています。駅前は自治体が入り組んでいることもあり全体的に再開発が進まず、特に北口側は昔ながらの雑然とした町並みになっています。一方、南口側は大半が播磨町域であるため再開発が行われ、駅前広場ロータリーも整備されています。一方、南東側の明石市域には別のロータリーが整備されていて、その2つのロータリーが繋がっていないため、播磨町との連携が取れていない風にも取れます。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線で西明石駅まで行き、JR神戸線の下り普通列車に乗り換えて当駅下車です(新快速は不可)。尚、新幹線を新神戸駅で下車して、神戸市営地下鉄西神・山手線で三宮駅(三ノ宮駅)まで乗ってJR神戸線下り快速(西明石行きを除く)に乗り換える方法も可能です(その場合は新神戸駅で途中下車扱い。地下鉄は別途運賃が必要です)。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の下り快速(西明石行きを除く)に乗れば乗換なしで到達可能です。新快速に乗車した場合は西明石駅で普通(快速)にお乗り換え下さい。余裕で日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、コンビニは駅構内(改札内)および北口東側にあります。一方、駅前に気軽に入れる飲食店は存在しません。北口の約400m北東(東)にある「イオン土山店」内には飲食店がありません。最寄のチェーン店は北口の約600m北東(東)にある「すき家」です。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。JR神戸線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は土山駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:JR西日本のHP、BiVi土山のHP、Google地図、Wikipedia)