京王電鉄 さよなら5000系走行会 1996.12.1
~スコッチゲージ近代化の立役者~
~スコッチゲージ近代化の立役者~
記念日シリーズ VoL.32
かつて京王電鉄さんの近代化に向けて開発された、初代の
5000系。特急から各停まで難なく運用できる性能を有し、
通勤輸送から休日の行楽輸送まで、オールラウンドに活躍
しました。
▼初代5000系の登場は、東海道新幹線の開業より1年早い
ホワイト」の 新カラーも「うさぎ」さんを連想しました
初期の先頭車の乗務員扉付近には「ヒゲ」が付いていました
が、後に省略されてしまいました。また当時の通勤電車では
非冷房が当たり前でしたが、1968(昭和43)年 の増備車か
らは、早くも「冷房装置」を搭載して誕生しており、関東の
ロングシート車両の冷房付き通勤電車は、京王さんが初めて
であったことが特記される事柄でしょうか。
初期の先頭車の乗務員扉付近には「ヒゲ」が付いていました
が、後に省略されてしまいました。また当時の通勤電車では
非冷房が当たり前でしたが、1968(昭和43)年 の増備車か
らは、早くも「冷房装置」を搭載して誕生しており、関東の
ロングシート車両の冷房付き通勤電車は、京王さんが初めて
であったことが特記される事柄でしょうか。
この冷房車の投入によって、夏場の快適さはライバルの国鉄
中央線には先手で「圧勝」すると共に、東京の郊外への住み
替えを考察している人々に対して、京王線沿線への移住誘致
へのアピールポイントにもなりました。また、この成果を見
ていた関東の大手私鉄各社が、こぞって通勤電車の冷房化に
力を注ぎ始める "きっかけ作り" も 果たしたのでありました。
女性専用車両の導入も、京王さんから始まったものですし、
なにかと時代をリードされておられる会社さんですね。
▲5000系の投入とこのカラーの組み合わせで「新装・京王電
鉄」さんをより強く印象付けることに一役買いました
京王さんと言えば、軌間が1372mmということは有名ですね。
この軌間は、19世紀初期のスコットランドのラナークシャー
地方の鉄道で採用された「4フィート6インチ軌間」であり、
英語圏では「スコッチ・ゲージ(英: Scotch gauge)」とも
呼ばれ、我が日本においては「東京馬車鉄道」で、この軌間
が採用され、以後、東京の路面電車もこれを継承しました。
▼京王さんの新宿界隈における路線の変化
地方の鉄道で採用された「4フィート6インチ軌間」であり、
英語圏では「スコッチ・ゲージ(英: Scotch gauge)」とも
呼ばれ、我が日本においては「東京馬車鉄道」で、この軌間
が採用され、以後、東京の路面電車もこれを継承しました。
▼京王さんの新宿界隈における路線の変化
▲左手が「初台」方面、右手が「新宿3丁目」付近
(出典:新宿歴史博物館)
開業当初の京王さんは、新宿の末端は 山手線内側の「追分」
(新宿3丁目付近)で、東京市電(今の東京都電)へ乗り入
れる前提であったため、市電が採用していたスコッチゲージ
に合わせたという歴史を、現代まで継承している訳です。
かつての京成電鉄さんも、王子電気軌道(現在の都営荒川線)
へ乗り入れる構想があったため、スコッチゲージを採用して
いましたが、後の相互乗り入れ相手となる都営浅草線&京急
さんの 1435mm に合わせて、営業運転を行いながら途中で
改軌するという大工事を成し遂げましたが、京王さんと相互
乗り入れを行う前提で後から建設された「都営地下鉄新宿線」
は京王さんのゲージに合わせて建設される流れになりました。
▼初代5000系の晴れ舞台のひとつ「特急高尾」号
▲大きな愛称板を掲げて「行楽輸送」にも大活躍しました
(出典:京王資料館)
小生も昔、初代5000系の「特急高尾」号に乗って「高尾山」
へ何度か行った覚えがありますが、当時京王線のレール幅に
ついては「国鉄線より広いなあ」と思っていた程度で、都電
と同じ幅であるということは、後になって知りました。
普段、国鉄の4扉通勤電車ばかりに乗っていた身には、たま
にしか乗らない3扉電車の方に、特別なワクワク感を抱いて
おりました。(京成さん&京急さん&西武さんも同様で・・)
初代 5000系は、1996年12月1日に実施された「さよなら
走行会」(応募抽選による招待制)で、若葉台 - 新宿 - 京王
多摩センター - 若葉台間の走行をもって、京王線から引退し
ましたが、地方鉄道へ譲渡された仲間の中には、来年で還暦
を迎える現役の兵も、まだいるようです。
走行会」(応募抽選による招待制)で、若葉台 - 新宿 - 京王
多摩センター - 若葉台間の走行をもって、京王線から引退し
ましたが、地方鉄道へ譲渡された仲間の中には、来年で還暦
を迎える現役の兵も、まだいるようです。
昨今の日本では「人生100年時代」などと言われております
が、日本で活躍する他の鉄道車両達にも、もっと長生きして
もらえる技術革新は、できないものなんでしょうかね・・
* * *
■京王さんに最後まで残った 初代5000系 に 会いに行く
京王線の多摩動物公園駅 直近にある「京王れーるランド」
には、さよなら走行会で正真正銘の最終ランナーを務めた
クハ5723形 が保存され、触れ合うことができます。
*保存車のページで、ご覧いただけます→こちら
京王電鉄 さよなら5000系走行会 1996.12.1
~スコッチゲージ近代化の立役者~
~スコッチゲージ近代化の立役者~
おわり
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