イギリスに、ロンドン地下鉄で使われていた「D78形」を改造して地方線区向けの電気式気動車などに改造した「D-Train」(クラス230電気式気動車など)という車両があるとのことです。
元々は第三軌条方式の地下鉄車両で、それを電気式気動車に改造するというだけでも十分魔改造ですが、車体のほうも4ドアだったのを中間のドアを埋めて2ドアにしたり、ロングシートだったのをセミクロスシートにしたり、トイレを設置したりと改造内容は多岐にわたるそうで、もはや新車を作ったほうが早いのではとも思えてくるのですが、個人的にこういう魔改造は好きですね。


そしてこのロンドン地下鉄の「D78形」ですが、車体長は約18mで片開きドアを片側に4つ備えていることで京急800形と共通点が多いです。しかも1980年代初頭頃の製造ということで製造時期も重なりますね(サイトによって製造初年が1978年だったり79年だったり、製造時期が1978~81年だったり1980~83年と書かれていたりで本当のところどれが正しいのでしょうか?)。
京急800形は、老朽化に加えてホームドアの設置が求められるようになったことで置き換えの対象になり2019年度までに全車引退しましたが、「イギリスのD78形→クラス230を真似た車両を、スペックが近い日本の中古車両で作ってみたい」という実に短絡的な発想の浪漫車両工業の担当者の目に留まり、京急の久里浜工場の解体線から数両をサルベージし、東京自動車工場(足立区)などに移送して改造が行われました。


なお、イギリスの「D-Train」と同様に、電車、蓄電池式電車、電気式気動車、ハイブリッド気動車の4種類の動力方式を想定していますが、第1号試作車は取り敢えずクラス230と同じく電気式気動車として落成しています。台車は1435mm軌間では種車のものをそのまま使用する想定ですが、1067mm軌間の場合は新製台車に交換という想定になっています。
2017年に試作車が落成し、水戸海浜鉄道の線路を借りて走行試験が何度か行なわれたものの、さすがにこんな怪しい車両を導入する事業者は日本でも海外でも今のところないようで、いつでも稼働できる状態にはなっているものの今は浪漫車両工業の工場内に放置状態になっています。

 

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