NO.2770 現在は運行休止、大分バス大分~鹿児島線「トロピカル号」、平成26年1月初乗車記録 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 かつて、九州内では夜行高速路線バスが福岡発着で2路線運行されておりまして、数少ない夜通しの交通機関として運行されていた姿が見られておりました。
 
 この2路線とは・・・
 
 福岡~鹿児島線「桜島号」 西鉄バス・JR九州バス運行
 福岡~延岡・宮﨑線 西鉄バス・宮崎交通運行
 
でありまして、これら区間へは唯一の夜通しの交通機関として存在しておりました。
 
 しかし、これら2路線ともかねてから利用者減でもありましたし、かねてからの「新型コロナウイルス」によりまして令和2年春には「緊急事態宣言」が発令された事から昼行便も含めまして運休となりましたが、この夜行2路線に関しましてはその後この年の5月31日まで運休と当初は発表されるも、そのまま同日が路線廃止日となりまして、結局は「運行再開」と言うトンネル出口に来る事はありませんでした。
 
 (画像1・2「桜島号」夜行便 画像1、西鉄高速バス(当時)4012・三菱KL-MS86MP 画像2、JR九州バス744-15555・三菱QTG-MS96VP)
 
 (福岡~宮崎夜行便、西鉄高速バス(当時)4302・三菱BKG-MS96JP)
 
 (同、宮崎交通、宮崎200か・458、日野2TG-RU1ASDA)
 
 
 そして、これらとともに運行されておりました九州島内の夜行便として、大分バスが運行しておりました、大分~鹿児島線「トロピカル号」が平成30年3月31日をもちまして運行を終了しておりまして、私自身も運行終了4年前の平成26年1月に初めて乗車しておりました。今回は、この乗車の模様に関しまして皆様にご紹介してまいります。
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 大分~鹿児島線「トロピカル号」は、これまで鉄道でしか利用する事ができなかった大分から鹿児島間の交通路を高速道路を経由するバスとして平成2年に運行を始めたものでありまして、この大分バスと鹿児島交通(旧称、その後南九州バスネットワークへ)との共同で運行されておりました。

 

 平成28年「熊本地震」前の運行区間は、大分~国道57号~九州自動車道~鹿児島と結んでおりまして、高速バスとは言えども大分~熊本市内間は一般道を経由する路線となっておりまして、昼行・夜行各1往復が設定されておりました。

 

 この「トロピカル号」の運行形態は、昼行便が運行されていた頃は、大分を夜行として鹿児島へ走り、鹿児島からは大分へ昼行として往復、一方、逆に鹿児島を夜行として大分へと走りまして、大分からは鹿児島へ昼行として運行されておりまして、運行自体が鹿児島側に合わせていた事もありまして、基本的には大分での折り返し時間が短いと言った姿も見られておりました。

 

 

 しかし、平成18年に南九州バスネットワークが撤退しまして、以降は大分バス単独で運行されておりまして、引き続き昼行1往復・夜行1往復が設定されまして運行されておりましたが、平成27年に昼行便が廃止されまして、以降は夜行1往復で運行されておりました。

 

 

 その後、平成28年は、同年に発生しました「熊本地震」の影響で、玉来・田中両バス停が停車を休止しまして、以来東九州自動車道~宮崎自動車道~九州自動車道を経由するようになりますが、その後も多客期は満席となる便が多かったほどでありましたが、閑散期には10名満たない乗車率であったとの事でありまして、利用客の低迷が伺えておりましたし、それとともに全国的に問題となっておりました運転士の人手不足も重なりまして、平成30年3月末で運行休止へと至っておりました。

 

 この「トロピカル号」の使用車両は、三菱エアロバス(42164・PJ-MS86JP)、

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 もう1台の専用車として三菱エアロエース(42170・BKG-MS96JP)、

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 そしてこれらの予備車として西日本車体(西工)92MCC-I架装の日野セレガR(12767・KL-RU4FSEA)の3台が使用されておりまして、この3台によりまして「トロピカル号」を支えておりました。

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 さて、ここからは乗車の模様をご紹介してまいります。今回の乗車は、大分トキハ前を夜11時05分発の便でありまして、今回乗車するために福岡から「とよのくに号」を利用しまして大分へ、そして大分駅近くにあります温泉浴場(現・閉店)で一風呂浴びましてから乗車するに至っておりました。

 

 

 一風呂浴びまして、夜11時に大分トキハ前バスセンターに戻ってまいりましたが、バスセンター内では多くの「トロピカル号」に乗車される方が待っておりました。その待合場所も、外で待っていらっしゃる方や、中で待ってらっしゃる方など様々でもありました。
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 (外で待っていらっしゃる方)
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 (中で待っていらっしゃる方)
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 トキハ内にあります「のりあいばすプラザ」の正面にありますカウンターです。この「トロピカル号」など夜行高速路線バスに乗車される場合、発券をなされていらっしゃらない場合にはこのカウンターで発券されるようになっております。そのため、通常の高速バスカウンターで購入されていない場合にはそのカウンターを利用する事になっておりました。
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 私自身は、温泉浴場に行く前に、高速バスカウンターでチケットを購入しておりました。尚、この行程ではそのチケットの下に青いのが見えていますように「SUNQパス」全九州版を使用しておりました。これを購入しますと1万円で九州内を回られていた訳でもありますから、本当にお得ではなかったかと思います(現在は12000円です)。
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 こうして、始発地でもあります金池バスターミナルより、「トロピカル号」の42164こと三菱エアロバスがやってまいりました。この車で、約7時間かけて鹿児島へと移動する事になります。
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 この時、この42164の前面方向幕は「大分バス」の幕のままでありました。おそらくは故障していたのではないかと思われますが、画像1を撮影しておりました平成25年12月撮影時にも「大分バス」のままでありましたので、この間は修理をなされていなかったようでした。ちなみに、側面・後部に関しましては、通常通り「鹿児島」の行先を出しておりました。

 

 (前面「大分バス」の行先)
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 (側面「鹿児島」の行先)
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 この日の乗車人数は満席との事でありました。この路線は、乗車当時夜行に関しましては利用客は案外多かったようでしたが、昼行に関しましてはこのような多客期には利用者は多かったものの、閑散期は数名しか利用者がいらっしゃらない場合もありまして、利用者のバランスもまちまちであったようでした。
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 「トロピカル号」エアロバスに乗車しました。座席は独立3列シートでありまして、私も正直どうかなとさえも思っておりましたが、スーパーハイデッカー並みの居住性は確保されていた事もわかりました。また、座席の色は画像でもわかりますように緑色、シートの柄はもちろん「大分柄」を採用しておりました。
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 そして、「トロピカル号」鹿児島行きは発車しましたが、この時の「トロピカル号」は、ほとんど乗車されていた方はトキハ前バスセンターからでありましたが、途中の犬飼久原バス停(大分県豊後大野市)でも数名いらっしゃいまして、これで満席となっておりました。その後発車後には、車内・到着時刻の案内を行いまして、田中バス停(同)を出る際には車内は消灯となりました。

 

 

 それからは、私も眠っておりましたが、国道57号・九州自動車道を走りまして、途中の吉松パーキングエリア(鹿児島県湧水町)にて運転士仮眠のため休憩を行っておりました(携帯のGPSで確認)。私も時々暗い中起きたりしておりましたが、知らない間にここまで来ていたのかと思ったほどでした。尚、吉松パーキングエリアの所にあります吉松バス停で降車される方がいらっしゃる場合には別のサービスエリア・パーキングエリアで仮眠を取る事になっていたようでした。

 

 

 こうして、鹿児島空港南バス停で数名の降車客がいらっしゃった後は、あとほとんどの方は鹿児島中央駅前での降車客でありました。実際に今回乗車の「トロピカル号」では約12分ほど早着で到着しておりまして、かなり順調であった事も伺えました。
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 ちなみに、鹿児島中央駅前の乗降場所は、平成25年1月までは降車に関しましては鹿児島中央駅の県道沿い、
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 乗車に関しましては南国センタービルの所のバス乗場(画像は三菱エアロエース)でありましたが、
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 平成25年2月からは画像の南国交通鹿児島中央駅前バスターミナルに変更されておりまして、これまでが上の画像のような屋根なしの乗車・降車場所であった事を思いますと、だいぶ利用しやすくなっていたのではないかと思います。
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 その後、この「トロピカル号」は、先述のように平成30年に休止となりましたが、使用されていた車両に関しましては、車齢が浅い三菱エアロエースに関しましては以下画像のように大分~宮崎線「パシフィックライナー」に転用されるも令和3年に廃止、それ以降は大分バスが運行します夜行路線であります大分・別府~名古屋線「SORIN号」や大分・別府~長崎線「サンライト号」でも使用される事がありますが、「パシフィックライナー」転用時に見られました「国道九四フェリー」ラッピングは解除、現在は「白一色」に変化が見られております。
 
 (「パシフィックライナー」転用時、平成31年2月撮影)

 

 (「サンライト号」時、令和3年撮影)

 

 一方、それ以外の2台に関しましては運行休止後に残念ながら廃車となりました。特に、上の画像にあります西工92MCC-I架装日野セレガRに関しましては貴重な車でもあっただけに、廃車となった事は正直残念ではなかったかと思っております。

 

 

 今回は、平成26年に利用しました、九州で数少ない夜行高速路線バスでもありました「トロピカル号」の乗車記をご紹介しましたが、この時実は私自身も久々の夜行バス利用であったのですが、利用してみまして大変利用しやすかったのが印象的でありましたし、「SUNQパス」を持てば一旦大分移動で利用できていたのが良かったほどでした。それにしても、この頃は好調さが見られていた訳でしたが、わずか数年で利用者低迷、そして休止へと至っておりましたので、本当にそう言った事は残念ではなかったかと思っております。ご覧の皆様も、このようにかつて存在していた事を存じていただければと思っております。
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