Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2022年10月:九州横断の旅 ②観光特急かわせみやませみ号で阿蘇へ

  今日は先月の九州旅行の記事です。早めに書かなければ忘れてしまいそう・・・
 (もう苦痛になってきとるな。しかし、あっちいったりこっちいったりやな・・・by妻)
  
  空港最寄り駅の肥後大津駅からは、JR豊肥本線を走るJR九州の観光特急列車かわせみ
 やませみ号に乗車して、目的地の阿蘇駅に向かいます。
  青いボディの2両編成のディーゼルカーです。観光特急として改造された車両ですの
 で、内部は普通の列車とはちょっと違うのです。

  特別仕様の車両なので内装はちょっと豪華です。至る所に、かわせみ(野鳥)の装飾
 が施され、座席の配置や車両の構造もちょっと変わっています。

  オッサンの指定された座席は窓に向かったカウンター席でした。お一人様だったから
 ですね。眺めを楽しむのは良いですが、座り心地は今一つ。車内は比較的空いていたの
 で、4人がけの青いボックスシートに移動させてもらいました。

  パンダ君も悠々と車窓風景を眺めていますね。(アホ)

  車内には記念品や飲食物を売る売店があります。乗車記念グッズもあります。

  車内は普通の観光客と、いわゆる「鉄っちゃん」が半々くらいでした。オッサンも、
 車内を探検?して、いろいろ写真を撮っていましたので、傍から見たら「鉄っちゃん」
 に見えたでしょう。(つぅか、鉄っちゃんそのものやん。by妻)

  車内のあちこちに「かわせみ君」が描かれていて、ちょっとほっこりしますね。

  そして、鉄っちゃんを喜ばせることがもうひとつあります。それは、この列車の走る
 豊肥本線の立野駅と赤水駅の間にあります。そうです、立野(たての)駅の駅名看板に
 あるように、この区間には「スイッチバック」とよばれる楽しい仕組みがあるのです。

  豊肥本線の線路は熊本平野から徐々に標高を上げてきているのですが、阿蘇の外輪
 山を越えて盆地のような阿蘇地方に向かう時には、一気に標高が上がってしまうので
 勾配が急になり過ぎ、普通に真っすぐ線路を敷設できなかったのだそうです。
  そこで考案されたのが、ジグザグに線路を敷いて少しずつ山を登っていくスイッチ
 バック方式なのです。これですと急勾配を少しずつ列車が登っていくことができます。
  豊肥本線は単線なのですが、スイッチバック区間では隣に線路が見えます。下の写真
 の車窓に見える線路は、たった今通って来た線路なのです。 

  立野駅を出た列車は、これまでと進行方向を変えて西に向かいます。最初のスイッチ
 バック区間です。少しずつ登りながら数百メートル進んでいくと、ゆっくり列車が停止
 します。しばらくすると、車内通路を運転手さんが通って反対側の運転台に移動します。
 今度はまた進行方向を東に変えて、さらに少しずつ山を登っていきます。上の写真は、
 その時のものなのです。このように二回スイッチバックがありますので、逆Z字のよう
 に二度向きを変えながら登っていくことになります。三段式のスイッチバックとしては、
 日本でも最大規模なのだそうです。


  鉄っちゃんたちは興奮して写真やビデオを撮りまくっていますが、冷静に考えると、
 これはとても手間と時間がかかる仕組みです。事実、並行する国道を走る車はスイスイ
 と山を登っていく中で、列車は何度も行ったり来たりしながら少しずつ山を越えて行く
 ので、とても時間がかかります。標高は立野駅が277m、赤水駅は465mなので、わずか
 な距離の間に約200メートルも登っていくのです。このスイッチバック区間を通ってい
 ますと、見る見るうちにさっき通って来た線路が遠ざかっていくのがわかりますので、
 ものすごい急坂を上っていく感覚が味わえます。
  先頭から見るとこんな感じ ↓ です。かなり急な勾配を登ってきているのがわかります。


  参考までに、ネットで見つけた豊肥本線のスイッチバック区間の写真を掲載します。

     

  だんだん阿蘇の外輪山(カルデラ盆地の外側の山々)が近づいてきました。目的地の
 阿蘇地方はこの山を越えたところなのです。

  スイッチバック区間の通過には20分くらいかかったかな? 阿蘇カルデラに入ると、
 一転して平坦な地形となり、広い盆地の中に人家や田畑が連なります。
  肥後大津駅を出発してから約50分、定刻の12時03分に阿蘇駅に到着しました。そう
 いえばこの区間は2016年4月の熊本地震の影響で長らく運休となっていましたが、2020
 年の8月にようやく運転再開となり、豊肥本線が再び全通しました。復旧にあたられた
 JRや関係する皆様の努力のおかげで、オッサンもこうして暢気な旅をできるわけですの
 で、感謝の気持ちでいっぱいです。列車は少し先の宮地駅まで行きますが、半分くらい
 のお客さんがここで下車しました。

  標高の高い場所にありますので、爽やかで少しひんやりとした空気を感じます。
 この日の天気は快晴、絶好の観光日和です。阿蘇山もちゃんと見えそうです。


  オッサンの乗車した1号車はかわせみ号なので少し青い色(瑠璃色?)でしたが、

 2号車のやませみ号は少し深い緑色ですね。芸が細かいな、JR九州さん。

  最初の「かわせみ号」の写真と見比べてみると面白いですね。

  なんだか今回は旅行記事というより、鉄っちゃん向けの電車オタク記事になっていま
 いました・・・(さすが「電車小僧」や、普通の人はついていけんわ・・・by妻)


  この後はJR阿蘇駅前のトヨタレンタカーで予約した車を借り、阿蘇山の観光に出かけ
 ます。3回目の訪問です。・・・その記事は次回で(また長くなりそうや・・・by妻)