ホームの長さが短い駅があり、各駅停車は全列車が6両での運転となっている小田急の江ノ島線。
小田原線や多摩線では10両の各駅停車が走っているのに対し、設備の制約により短い編成のままとなっています。

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各駅停車を10両でも運転できるようにすれば、様々なメリットが生まれると考えられますが、今後ホームを延長して対応する可能性はあるのでしょうか。

6両での運転が中心となっている江ノ島線

小田原線の支線として、相模大野から分岐して片瀬江ノ島までを結んでいるのが、全長27.6kmの江ノ島線です。
支線ではあるものの、全線に渡って利用者が多いことが特徴となっており、新宿との間を結ぶ快速急行が頻繁に運転されています。

1時間に3本程度が運転される快速急行に対し、その合間を縫って運転されているのが、6両で運転される各駅停車です。
基本的には相模大野と藤沢の間を行き来しており、藤沢から先については区間列車が設定されています。

長編成化が進んだ小田急において、各駅停車を6両以下で運転しなければいけない区間は少なく、小田原線の新松田から先と、江ノ島線のみとなりました。
10両分の長いホームに見慣れてしまうと、6両分のホームはかなり短く感じます。

各駅停車を10両化する可能性

小田原線や多摩線では、10両の各駅停車が多く運転されていますが、今後江ノ島線でも10両の運転を行う可能性はあるのでしょうか。
時間帯にもよりますが、江ノ島線の各駅停車は混雑していることも多く、6両ではやや輸送力が不足している印象もあります。



ホームの延長という観点では、駅周辺の状況から簡単ではないと考えられるものの、しようと思えばできるというところでしょう。
物理的な面を別にした場合、各駅停車を10両化することで、運用上やサービスの面で様々なメリットが生まれます。

しかし、これから投資をしてホームを延長するほどの必要があるのかといえば、なかなか難しいというのが実際のところでしょう。
10年後、20年後を見据えた場合、利用者は今よりも減っていく可能性が高く、ホームの延長が完成する頃には、混雑自体が自然に緩和されてしまうことも考えられます。

今後の可能性を考えるうえで、車両の動向もヒントになりそうです。
現在リニューアルが進められている3000形の6両については、このタイミングで4両と繋ぐための設備を撤去しているとみられる外見になっています。
つまり、編成単独の6両で使うことを前提にしていることになり、見方を変えれば今後も6両の列車をなくす想定はないということになります。

このような動きからは、江ノ島線の各駅停車を10両化する可能性は低く、小田急は6両と10両に編成を集約していく方向性であることが見えてきます。
利用者の減少具合によっては、将来的に6両で運転する区間や列車が増えることもありえるかもしれませんね。

おわりに

都心部で6両の各駅停車が復活する可能性は低そうですが、今後の動向次第では6両が重宝される時代が訪れるのかもしれません。
線内での折り返し運転が基本という面でも、江ノ島線の両数は現状維持となる可能性が高そうです。