菊水山に到着。ほんとは一息つきたかったけど、時間的な余裕が全く無いので、コーラアップとポイフルをミックスしたものをプラボトルからラッパ食いして早々に出発。いや〜これ当たりだわ。何もしていないときに食うと毒々しい甘さだけど、運動中だとこの体に悪そうなどぎつい甘さが心地よい。コーラアップがいいアクセントになっている。ちょっと清涼感すら感じる。

 

歩き始めるとすぐに「えっ!?」

 赤鬼さん!?

 かと思ったら赤鬼さんの予告の方だった。

第一チェックポイントを出発してすぐにこの状況。相当まずい。第2チェックポイントのある摩耶山(掬星台)の通過制限時刻は15時50分。こりゃ危ないな・・・。

これまでの経験上、途中でペースを上げることは僕には無理。しかもこれから最大の難関、摩耶山に挑むのである。となればこの30分の貯金をいかに減らさずに次のチェックポイントの摩耶山掬星台に滑り込むかだ。そこから先、嫌な舗装路歩きもあるが一軒茶屋の最終チェックポイントまで逃げ切ればなんとかゴールは見える。

 

時間的にも気持ち的にも写真を撮る余裕はなくひたすら下り

 摩耶山の前哨戦、鍋蓋山へ突入。取り付きのところでリタイヤされたご夫婦がおられた。奥さんのほうが「もう足が痛くて」とのこと。

僕の方はそういうのは一切ない。しかし登るには登れるんだが周りのペースについていけない。追い越すのはおじいちゃんやおばあちゃん、あと格好からして日頃あまり山歩きをしていなさそうな人ばかり。それ以外の人には「どうぞ〜」と道を譲りながら登る。

 山頂とうちゃこ。ご覧の天候である。このまま素通りせにゃならんのだが、疲れたので木の切り株に腰を下ろしエナジージェルを投入。もう惜しげもなくぶち込んでいく。

 2分くらい休んで市ケ原目指し下っていく。

いつも通り 途中の大龍寺でドリンクを補給しようとしたらトラブル。なんと自販機が壊れていてお金を入れてもそのまま釣り銭のところから出てきてしまう。僕を含めここをあてにしている人は多く一様に「マジかぁ~」と困惑して再び歩き始める。背中のハイドレーションのドリンクもだいぶ少なくなった。次の補給地点は市ケ原。あそこで買えないと水無しで摩耶山に挑むことになってしまう。


そして13時25分、市ケ原とうちゃこ。史上最遅。本格的にやばい・・・。

 さくら茶屋で飲み物を買おうとしたらこれがまたなかなかの渋滞。この状況で余裕でおでんとか食べてる人もいる。しばし並んだがこりゃ時間が勿体ないと近くの自販でお茶を二本投入。ハイドレにぶち込みいざ出陣。

時刻はすでに13時半。コースタイムどおり行けば摩耶山(掬星台)には15時着だがコースタイムどおりに歩ける自信が全くない。

 さぁこの全縦大会最大の難関、摩耶山への登りである。

もうね、時間的な余裕がまったくないから写真は全然撮らない。つーかそれどころではない。

登るには登れる。しかし後ろからの追手のペースには全く敵わず、ゆらゆらと登っては道を譲る。

 ぶひぃ〜、しんどいぶぅ〜。

 やっとこさ登りきった。

 時刻はすでに15時半をまわっている。もうコースタイムがどうこう言ってる場合ではない。とにかく時間内にチェックポイントを通過しなければならない。

 ぶひぃ〜、やっとこさ着いた。時刻は15時39分。ボランティアの方があと10分で赤鬼が出発する旨の案内をされている。また、休憩する前にとにかくチェックポイントを通過せよとの案内もされている。

チェックポイントを通過してから東屋で横になって休もうなんて思っていたんだが、全くもってそんな状況じゃなくなった。

おかしいなぁ。こんなはずじゃなかったんだけどなぁ。もうスポーツマッサージがあるとかないとか探す余裕もなく、いつもほっとさせられるホットレモンも頂くことなくそのまま素通り。つーか菊水山も掬星台もほぼ休憩なしで通過である。

苦手な舗装路歩き。

止まって行動食を食べようとしたら「最後尾で~す」という言葉とともにあっという間に赤鬼さんに追い抜かれた。時計を見ていてわかっていたことではあるが非常にショック。僕もとうとうくるところまできてしまった・・・。

その後、この階段の下でへたり込んでいた参加者のケアをしていた赤鬼さんを追い抜くも再び引き離される。追い抜かれるときに「追い抜かれたらそこで終了ですか?」と聞くと「一軒茶屋(最終チェックポイント)までに私たちを追い越してもらったら大丈夫ですよ」と返ってきた。

しかし・・・どうにもこうにもついて行けない。あっという間に引き離された。この瞬間実質的に僕の全縦が終わった・・・。

でもいけるところまで歩こう。別に体に異変はない。膝も痛くないし足も痛くない。平坦と下りは普通に歩ける。ただ登りになるととたんに歩く速度が落ちる。「今年もダメだったか・・・。」 

これまで完走した時はいつも膝が破壊されたり疲労困憊だったりもうボロボロな状態で歩いていたのだが今日はそんなことはない。歩ける。ただとてつもなく遅いだけだ。

三国池の東屋でおにぎりを食べ、ガーデンテラスを目指す。しかしその手前、記念碑台の交差点で決断した。「もうここが潮時だ」

17時9分のことだった。これ以上歩いても最終チェックポイントに着く頃にはもう撤収が終わっているかもしれない。いや、その前に青鬼さんに追い越されるだろう。

掬星台を出発した時から覚悟はしていた。それでも一軒茶屋のチェックポイントまでは行こうと思っていた。時間切れで失格でもその後は有馬温泉へ下ればいいと思っていた。それが一軒茶屋どころかガーデンテラスまでもたどり着けないとは・・・。

 

バス停では今日はケーブルカーが動いていないことを聞いた。この記念碑台のバス停から1日数本ある阪急六甲行きのバスが20分後に通る。皆さんそれを待っていた。

数分後、青鬼さんが通過しゼッケンとICタグを渡した。本当に僕の全縦が終わった。

くやしい。めっちゃ悔しい。

 

阪急六甲行きのバスに乗り込むと悔しくて涙が止まらなくなって大号泣。皆さん僕の後ろに座っていたから気づいていないだろうが運転手氏は「なんでこの人泣いてるんだろう」と思ったと思う。

 

今年はこの大会にかけていた。足のけがの具合は関係ない。実際痛みはなかったし。ただただ僕がしょぼかっただけ。

全体の完走率は8割ほど。僕はダメな方の2割に入ってしまった。しかも前回の参加に続いてだ。

 

あれから三日たったが今思い出してもめちゃくちゃ悔しい。ふがいない。情けない。悲しい。寂しい。いろんな感情が入り混じる。

前回参加した2018年の時と同じことを繰り返してしまった。あのころと比べると関西に戻ってきて近所に山があって圧倒的に運動はしている。だから漫然といけそうな気はしていた。

ただ数字的なことから分析すると今回の原因は加齢と体重の増加。前回から4歳年を取り体力は落ちたにもかかわらず体重は8kg増えた。車でいえば排気量が小さくなって車重が重くなったようなものだ。そりゃアクセル踏んでも走らんし、坂道は登らんよ。

でもそれは自分の責任。意志の弱さだ。

あ~もう悔しい!こんなところで絶対終わりたくない!

体を絞ろう。そうしないと来年も無理だ。昔はなんだかんだで当たり前のように完走してきた全縦。それが今はこんなにも大きく立ちふさがる存在になってしまうとは。

来年こそ、来年こそは完走してやる。10年前の自分が見たら「そんなところまで落ちたんか・・・」って思うだろう。くそぉ~、10年前の俺に負けるか!!!

今日から来年に向けて頑張ろう。