みなさんこんにちは。前回からの続きです。


3年振りに、今年は現地開催となった鉄道イベント「きんてつ鉄道まつり」。

ここまで、会場の「五位堂検修車庫(奈良県香芝市)」の訪問記をお送りして来ました。



訪問記の最後に、このイベントで入手した戦利品?について取り上げているところです。


さて、今回のイベントで最も手に入れたかったのが、こちらの「鉄道コレクション 近鉄2410系 伊勢志摩お魚図鑑 2両セット(5000円)」でした。



「鉄道コレクション」とは、模型メーカー「トミーテック」が展開している、鉄道模型の人気シリーズです。

その多くは模型店、家電量販店などでの一般販売がなされているのですが、このように、鉄道会社のイベントに合わせて「鉄道会社限定」で発売される、というものもあります。



今回は、幸運にもそれを手に入れることが出来ました。早速、自宅レイアウトに入線させて、愛でてみることにします。




モデルになっているのは「2410系」という車両でした。解説にあるように、昭和40年代半ばから長年にわたり「大阪線」で活躍を続けているベテラン級の通勤型車両です。


近鉄電車というと、見た目は他の車系と変わりないのに、車両性能や製造年代によってまったく異なる分類をされることが多々あるように感じるのですが、20m級の車長に4枚の扉と、その中でも「標準的」な車両だと言えます。

府内でも、中河内地域で育った人間としては、それこそ幼少から見慣れた顔つきの車両です。


しかし、それとペアを組む手前の車両!




同じ「2410系」ではあるのですが、車両全面に悠々と魚が泳ぐ奇抜なラッピング。


実車はこのような感じ。鶴橋にて。

先日の記事でも取り上げたのですが、沿線の伊勢志摩で早朝に揚がった魚介類を、行商人とともにこの列車で奈良や大阪へ輸送するという、特殊な役割を持つ車両なのでした。


そういったことで、これはその輸送のための専用車両。さまざまな魚が、車体にいっぱいにひしめいています。







実車は何度か目撃したことがあるのですが、じっくり観察出来たのは、これがはじめてです。いや、これはおもしろい。


というか、行商ではきっと扱わないであろう、マンボウまで居るではないですか\(^o^)/




運転台のない側、妻面(つまめん)も精密な再現がなされています。本来であれば、こちらには先ほどの相棒が連結されることになっているのですが…


行商人専用車両のこちらに対して、相棒の方は一般乗客が利用出来るようになっているので、誤乗防止、ということで、ステッカーが貼られていることもわかります。


目を凝らして見ると「この車両へのご乗車はご遠慮ください」とあります。



ただし、実際に運行される際、扉の前にはベルトのパーテーションがあったり、巨大な容器が置かれていたりしますので、誤乗の心配はなさそうです。わたしの余計なお世話でした(^^ゞ



この「お魚図鑑列車」ですが、平日の早朝に、松阪駅から大阪上本町駅へと向かう、定期の快速急行に連結されています。

先ほどの写真は、伊勢から大阪に到着した折り返しで、またすぐ松阪に戻る便ですので、行商の方々は誰も乗られていません。


この種の列車、もともとは定期列車への連結ではなく、「鮮魚列車」という専用に仕立てた列車として運行されたという歴史がありました。


ただし、行商人の減少などの事情があり、2020(令和2)年3月からは、このような形態で運行されるようになりました。それでも、十分に珍しい車両です。 




そういったことでここまで、3年振りの開催になった、五位堂検修車庫で行われた今年の「近鉄鉄道まつり」の様子をお送りして来ました。




やはり、普段入ることの出来ない特別な場所をじっくりと、観察して触れてということが出来ることのありがたさを、あらためて感じた次第です。


コロナ禍が続く中ですが、尽力された関係者の方々には、素晴らしいイベントを開催してくださったことに、感謝しきりです。

いや、本当に楽しい時間でした。


長駆、シリーズにお付き合いくださりありがとうございました。今日はこんなところです。