都市部を走る鉄道において、駅の構内で線路を渡る手段は跨線橋や橋上駅舎が主流となっています。
田舎を走る路線では、構内踏切が残っている駅も多くありますが、列車の密度が高い都市部の鉄道では数を減らし続けています。

小田急においては、過去に駅構内の立体化が進められていますが、構内踏切を通るケースはどれぐらい残っているのでしょうか。

小田急の構内踏切

全部で70の駅がある小田急ですが、2022年の現在において、構内踏切が残っている駅は一つもありません。
全線に渡って列車の密度が比較的高く、高速で通過することも多いため、積極的に立体化が進められました。

小田急で最後に構内踏切が残っていたのは足柄で、ホームの新宿寄りに設置されていました。
1987年10月20日に跨線橋の使用が開始され、小田急の構内踏切は消滅しています。



構内踏切自体は存在しないものの、栢山や螢田のように、駅に隣接する踏切が構内踏切に近い存在となっているケースはあります。
自動改札機の導入で改札口を増やしやすくなり、結果的に跨線橋より利便性が高くなってしまったパターンでしょう。

乗り入れ先で見られる構内踏切

小田急では消滅している構内踏切ですが、乗り入れ先の路線では僅かながら残っています。
通る車両は限られますが、ややローカルに感じる組み合わせを現在も見ることができるため、貴重な光景といえるでしょう。

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比較的身近に見られるケースとしては、小田原から先の箱根登山線内があげられます。
ロマンスカーの全車両と、1000形が入線するため、終日に渡って頻繁に見ることができます。
構内踏切は風祭と入生田にあり、入線や発車の際に待たされるという体験が可能です。

ふじさん号が乗り入れるJR東海の御殿場線にも、構内踏切が残る駅があります。
山北、谷峨、足柄の3駅が該当し、60000形(MSE)との組み合わせを見ることが可能です。
運行本数は少ないため、走る時間を狙わなければいけないのが辛いところでしょうか。

おわりに

減ることはあっても、今後増えることはないであろう構内踏切。
列車密度が低ければ移動は楽ですが、安全を考えると立体化がベストなのでしょうね。