古くてサビた鉄道模型線路(レール)を再生し使用する簡単な方法【鉄道模型・Nゲージ】

古くてサビた鉄道模型線路(レール)を再生し使用する簡単な方法

鉄道模型の古い線路・レールを復活させる方法「古い線路の整備」を2022年8月に相模原鉄道模型クラブのメンバー様である「ゴバです」さんがこのサイト(web)にご寄稿賜った。
その後、多くの皆様にご反響を賜っているので、追加と言うか「補足説明」とし古い線路を使う方法と、もっと簡単な方法もご紹介申し上げたい。

できれば新品が良い

まず初めに、レールが錆びてしまった古い線路や、中古で購入したような線路をジオラマなどに再利用するのは、正直なところオススメできない。
鉄道模型と言えどもレールや分岐器(ポイント)などは「消耗品」である。
本物の鉄道においても、レールを定期的に交換するのと同じであり劣化はしてくるので、例えば走行頻度が多い(高い)レンタルレイアウト店では2年前後で線路(レール)を新品に交換する場合が多い。
このようにレールを酷使するようなケースが想定される場合には、できればレールやポイントくらいは最初から新品で設置したい。
新品の方が長く使えるし、走行不良などが発生しにくいため、余計なメンテナンスに時間がとられることも少なくなる。


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例えば、トミックスの茶色のレールはステンレスの可能性あり、現在発売されているPCレールの材質は洋白(真鍮系の合金)なので通電性も良くなっていると言う事なのだ。
当然、新品のほうが、中古品をメンテナンスするような手間もないのでラクチンである。
もし、古い線路を所有されているのであれば中古で売って、その原資も加えて新品購入をお勧めしたい。
それでも、やはりコストはかけたくないと言う場合や、長く使っていた線路のメンテナンスと言う部分となる「補足説明」としては下記の通りになる。

サビ落とし

まず線路の鉄部分がサビている(錆びている)場合の対処法。
錆びが認められる場合には、単純にサビを落とせばよい。

一般的には、紙やすりを使ったりする方法が一番費用も安いだろう。
#1000番以上が目安で、できれば2000番などが良いか?

なお、サビかたにも色々とあり、布でふくと緑色に汚れが取れた場合には、緑青(ろくしょう)といって銅の成分が酸化していると言う事になる。

なお、錆を落とす場合には削るしかないので、その削り方に注意が必要だ。
一部分だけ一生懸命削ってしまうと、線路のフラット(平面性)が損なわれてしまう可能性がある。
要する、目で見ても分かりにくいが、レールがデコボコしてしまう場合があり、そうなると走行安定性が失われて脱線の要因になることもある。
そのため、研磨の技師のようにスーッと、全体の平行が失われないように、なおかつ薄めに削って行く必要がある。

お勧めの道具としては下記のモノがある。
2022年4月1日発売の新製品。

レールドクターツーアップ (青)
※1300円くらいなので下記で高値だったら購入しないようご注意を。

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レールドクターツーアップはIMONさんの店舗などでも販売されている。
黒く汚れたら、削るのに成功していると言う事になる。
いずれにしてもレールを削ることになるため、そんなに力を加えず軽く処方願いたい。

削りすぎると、レールの高さが低くなるため、Nゲージ車両の底が線路にひっかかることにもなりかねない。
また少しとはいえ削ったと言う事は、目に見えない細かな傷がレール表面についていると言う事なので、更に汚れやすくなってしまう。
そのため、削ったあとのレールは通常のクリーニングのメンテナンスが多く必要となるのは言うまでもない。

まぁ、基本的にはそんなに神経質になる必要はないのだが、結局は面倒で作業も多く必要となるので、新品に越したことはない。

なお、錆びる原因は水分なので、清掃する場合などに水が含まれているものを極力使わない事が必要となる。

通電不良の場合

サビがなくてもカクンカクンという走行になってしまったり、通電が悪い場合の対処法。

そもそも、車両が特定の場所で止まってしまう場合には、ジョイナーがそこだけないと言う可能性も考えられるが、急にスピードが落ちたり、カクン・カクンと走行が不安定になる場合には「レールの汚れ」がある可能性が高い。
他の車両だと大丈夫と言う場合には、その車両の車輪が汚れている可能性もある。
いずれも、線路から車輪に電気を供給していることによる「スパーク汚れ」だ。

このような通電不良は、概ねレールや車輪の両方をキレイにすることで解決できる。
私もこれまで色々と試してきたが、なんだかんだいって下記のようにTOMIXやKATOなどから市販されているレールクリーナーが一番良いと感じている。

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このようなレールクリーナーは汚れを浮かすものなので、綿棒を使ったり、クリーナー液をつけてキムワイプで拭き取れば良い。
専用品のため車輪やレールなどを傷めることもなく、台車やトラクションタイヤにも影響がないので初心者からベテランまで安心して使用できる。

路線が長い場合には割り箸の先に白い布を輪ゴムで止めて、クリーナー液をつけてレールにそってクリーニングすると効率が良い。
車輪の汚れは、歯ブラシなどにクリーナーをつけて軽くこするのも有効だ。

本当は手作業で清掃したいところだがトンネル・鉄橋などがある場合には、トミックスの「クリーニングカー」を頼るのが良いか?

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中古車両の初期メンテ

例えば中古で購入した車両によっては、酷使されていて車輪がとても汚れている場合もある。
車輪にカーボン汚れ、スパーク汚れがあれは本来の走行性能を発揮できない。
よって、中古品を買ったら最初は車輪の清掃くらいはしておきたい。

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ただし、新品の車両でも、そもそも汚れている線路を走行させると、すぐに車輪が汚れやすいと言う事もある。
逆に車輪が汚れている車両が走行すると、そのあとの線路は汚れた状態になりやすいと言う事もある。
このことは、長年の運転会にジオラマを持参していてとても実感している事だ。
あるメンバー様の車両が走行したあとレールを清掃すると汚れが目立つが、あるメンバー様が走行させたあとにレールを清掃しても汚れがほとんどないと言う場面に遭遇することがある。
すなわち、レールも車輪も両方とも汚れが少ないと、車輪もレールも両方とも汚れにくいと言う事が言える。
このような理由もあり、中古レールをジオラマなどに使用することはお勧めできない次第だ。

無水エタノールなど

市販されているレールクリーナー液にはサビや接着剤・塗料などを除去する能力はないが、他のクリーナーは異なる。
レールクリーナーの代わりに「無水エタノール」や「パーツクリーナー」などを使用されている鉄道模型ファンの方もおられる。

無水エタノールは確かに汚れは落とせるが、揮発するため素早く作業することが必要。
また、無水エタノールの液体をNゲージ車両にこぼしてしまうと、溶剤で塗料がはげてしまうため取り扱いにも注意が必要となる。
更に無水エタノールがプラスチック(レールの道床など)に付着すると変色・ひび割れなどが生じ表面がボロボロになる可能性もある、
揮発性が高く引火性もあるので火災にも注意が必要。
なお、無水エタノールでも最初から約5%の水分が含まれているが、開栓後空気中の水分と混ざりやすいため、少しずつ液体内の水分濃度が上がり消毒エタノールに近づいてきて、水分が多くなることで清掃すると錆びる可能性も出て来るで早めに使用したほうが良い。

ただし、レールクリーニング液にサビや接着剤・塗料などを除去する能力はないので、線路周りを塗装したあと、レールに付着した塗料を除去する(落とす)場合には無水エタノールは大変有効と言える。


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何を使うかは自由なので、中古レールの使用と同様に拒否はしないが、清掃目的の場合にはレールクリーナー以外はお勧めはできないと言う事になる。
クリーナー液を使うのであれば、なんだかんだ言って市販のレールクリーナーが一番適しているとご理解頂けると幸いだ。

パーツクリーナーは確かに不動品の車両を動かす場合にも必須アイテムであろう。
しかし、車輪についているゴム製のトラクションタイヤに影響が出やすいし、ギア類のグリスも落としてしまう可能性があり、適切な知識がないと知らないうちにNゲージ車両の寿命を縮める可能性がある。
呉工業の「パーツクリーナー・プラスチックセーフ」や「クイックドライクリーナー」のように、プラスチックの道床やプラスチックの車体に影響が及びにくいものをチョイスするのも一考だ。

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このようにパーツクリーナーは基本的に金属専用なので車両の塗装やプラスチックを侵す危険性があると言うのを、きちんと理解したうえで使用するのは自己責任であり問題ないだろう。

集電性向上剤は確かに通電がスゴク改善されるが、レールがピカピカで滑りやすくなりやすい(薄い油膜ができる)ので、登り坂など上がって行かなくなる可能性もある。

このように素材やツールの特徴などをきちんと把握したてうえで清掃や改善を行えると良いのだが、よくわからない場合には市販のクリーナー液を使えばそれが一番無難と言える。
中古品や古いものはどうしても手間暇がかかるため、のちのちのことを考えると一番簡単な方法としては「新品レール」を使った方がぜんぜん長く遊べると感じる次第だ。
ただし、前述したとおり、古い物を再生させて使うと言うのも楽しみのひとつでもあり、それら皆様が決断した判断を否定するものではない。

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