営業用車両に測定用の装置を搭載し、保守作業を効率化する動きが各社で始まっています。
JR東日本では本格的な導入が進められており、小田急に乗り入れている常磐緩行線の車両にも、線路設備モニタリング装置が取り付けられている編成があります。

現在はクヤ31形を使用して行われている小田急の検測ですが、今後線路設備モニタリング装置等を導入する可能性はあるのでしょうか。

小田急が線路設備モニタリング装置を導入する可能性

かつて機械扱いの車両や、人の手によって行われていた軌道や架線の検査は、営業運転中の実施が可能な車両を導入することで、効率化が図られてきました。
小田急でも2003年に総合検測車のクヤ31形を製造し、2004年の春から運用を開始しています。

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同様の車両は京王や東急等にも在籍しますが、近年はJR東日本等で営業用車両に測定用の装置を搭載するようになってきました。
外見からも分かりやすい架線状態監視装置や、床下に線路設備モニタリング装置を搭載する車両があり、営業運転中に検測が行われるようになりつつあります。

小田急では現在もクヤ31形を使用して検測を行っていますが、中期経営計画において線路設備モニタリング装置の導入に触れており、将来的には導入する可能性が高いとみられます。
クヤ31形の牽引車は1000形から8000形へと変わりましたが、古い車両を牽引車として抜擢したことも、この方向性を裏付けています。

検測を担う車両はどうなるのか

中期経営計画においては、線路設備モニタリング装置の導入に関する具体的な時期は触れられていません。
しかし、牽引車が8000形であることを踏まえれば、10年以上先ということはなさそうです。

仮に導入をするとなった場合、既存の車両を改造するのか、新造車両に取り付けるのかという点も気になるところです。
改造であれば、リニューアルを進めている3000形の可能性が高いといえますが、営業列車で行う場合には全線を走る10両である必要があります。
3000形の10両がリニューアルを行うのかについては、現時点において分からない部分ですが、実施する場合には可能性が出てきます。

新造車への搭載であれば、やはり増備が行われている5000形の可能性が高いでしょう。
他社の路線にも行かないため、効率よく小田急線内の検測ができると考えられます。
片瀬江ノ島まで10両で入線する列車は、現状も運用として残されており、今後の展開も踏まえてのことなのかもしれません。

おわりに

技術の進歩により、営業列車でも可能となりつつある設備の検査。
労働人口の減少も迫っており、今後は様々な動きが出てくることになるのでしょうね。