町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

車体設計変更でスタイリッシュにイメージ一新、東京メトロ東西線05系(8〜10次車)

2022年11月03日 | 首都圏の地下鉄

1988年から営団地下鉄東西線の輸送力増強と5000系置き換えの為に登場した05系は、同時期に導入計画が進められていた03系をベースに開発され、様々な仕様変更を繰り返しながら増備されました。5000系非冷房車が全廃された1994年度で一旦増備は終了しますが、5年後の1999年からは正面スタイルや走行機器を大幅に変更した8次車が登場し、別形式のような装いになりました。1999年から2001年まで増備されたグループは、新デザインの正面に0607系からの流れである4-6-7-6-4人掛けの座席配置を引き継いでおり不均等な窓割りを有する特徴的なグループです。

増備再開まで時間が空いたことから新形式のように外観を一新した05810次車。1999年に初登場し、スピード感をコンセプトに縦曲線主体の構成になり、斜め配置されたことで吊り上がった目のようにも見えるライトケースが印象的です。帯の色も紺に近い青と濃いめの水色にした他、営団地下鉄時代は誤乗防止対策で東西線の車両であることを主張する為、大きな「S」のシンボルを乗務員室扉後部に貼り付け、側窓上のマークもサイズを拡大したものを取り付けていました。登場から長らく各停運用時は行先のみの表示でしたが、近年には種別表示も行うように修正されています。写真の28編成は9次車で、WS-ATCは5000系の廃車発生品を搭載しています。

中央線の緩行線を走行中の10次車に当たる32編成。行先表示が近年になりフルカラーLEDに換装されました。8次車からVVVFインバーター制御装置がIPM2レベルの三菱電機製MAP-214-15V83形を搭載していましたが、10次車(3133編成3)は日立製作所のVFI-HR2420D形に変更され筐体の外観が異なります。表示器がフルカラーLED化されたこともあり、近年の新造車と比較しても見劣りしませんが屋根上の菱形パンタグラフが登場した時代を感じさせる部分です。この後の11次車は半蔵門線の08系の設計を反映させるようになり、正面形状は踏襲されながらも車体や機器が再び変化しました。

片持ち式座席と大型袖仕切りで、それまでの05系とは全く異なる雰囲気になった車内。座席のクッションはやや硬めで、モケットも無地の赤系(優先席部は青系)になりました。座席が片持ち式化された事に伴い、非常用ドアコックがドア上右側に設置されています。

車内案内表示器は当初LED1段表示タイプを搭載しており、直通運転を行うJR東日本中央総武緩行線・東葉高速線にも対応していましたが、17インチ液晶画面に換装されドアチャイムも営団タイプからJR東日本で使用されている標準タイプに変化しました。

今のところ、B修などは受けていない05810次車ですが、ホームドアにも支障が無く接客設備も現代の水準を満たしているのでこれからも主力車としての運用が続くでしょう。営団地下鉄時代の面影を残す形式として、末永く活躍して欲しいものです。


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2 コメント

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Unknown (名無しメトロ)
2023-10-14 21:59:05
実際には03系を導入する際には05系の設計図は完成されており、05系の設計を元に03系が設計されてました。なので先に登場したのは03系ですが、先に設計されたのは05系です。まあ同期製造ですが。
Unknown (野津田車庫)
2023-10-16 00:31:39
名無しメトロ様

コメント頂きありがとうございます。
そういえば計画当時は日比谷線の輸送力増強を優先したせいで03系が先行登場になった経緯がありましたね。

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