「我田引水」

この四字熟語は、自分の田んぼにだけ水を引き入れる文字通りの意味から、自分に都合がいいように行動することを指します。

戦前の鉄道が発達していない時代、国会議員は自分の選挙区に国鉄路線を誘致し、票を得ようとしていました。そのような行動を皮肉った言葉があります。

―我田引鉄―

今日は宮城県北部のまち、気仙沼駅に来ました。これから乗車するのは、我田引鉄の代表格と言われる路線です。

それが、一ノ関〜気仙沼〜大船渡を結ぶ大船渡線です。特に一ノ関〜気仙沼で、大きく迂回している線形は鍋鉉線と呼ばれており、どう考えても非効率的な大迂回。

一体どうしてこんな形になってしまったのでしょうか?

大船渡線は非電化路線で、キハ110形気動車による運行です。

ドラゴンレール大船渡線という愛称が付けられていますが、これは路線全体の曲がりくねった形が、竜の飛翔する姿に見える事からとられました。

また、沿線に竜の伝説があるのも理由の一つ。気仙沼市の安波山周辺の山並みは、竜の姿に例えられました。気仙沼港の向かいにある大島の南端は、「龍舞崎」と名付けられています。

他にも、大船渡BRTの陸前高田市に大蛇伝説があります。蝦夷征伐に来て討ち死にした将軍、埋葬された場所から大蛇が現れ、賊を征伐したというものです。これを祀った神社が蛇ヶ崎神社であり、大蛇と竜を「竜蛇りゅうじゃ」することも。

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