NO.2753 黒・小豆から「白」へ、佐賀・長崎両県を運行する観光列車、「ふたつ星4047」紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 去る3月21日、鹿児島中央~吉松間を結ぶ観光特急列車(D&S(デザイン&ストーリー)列車)でありました、「はやとの風」が運行を終了しました。

 

 この「はやとの風」とは、平成16年の九州新幹線新八代~鹿児島中央間の部分開通により運行を開始した観光特急列車でありまして、キハ40系気動車(キハ47-8092・キハ147-1045・キハ140-2066(現在「指宿の玉手箱」)によりまして、2両~3両編成で運行されていた列車でもありました。


 この「はやとの風」の停車駅は・・・

  

 鹿児島中央~鹿児島~隼人~嘉例川~霧島温泉~大隅横川~栗野~吉松 

 

に停車しておりまして、このうちの嘉例川駅・大隅横川駅に関しては、無人駅にもかかわらず、客扱いで停車しておりましたが、この両駅に関しましては、駅舎自体が古い事もありまして、見学を兼ねての停車も行っておりました。

 

 当初は、新幹線開業効果もありまして多くの利用がありまして、当初の2両編成から3両編成に増やしまして運行されておりました。しかし、その後キハ140-2066が「指宿の玉手箱」に転用(但し共通予備車扱い)、さらに利用者の減少によりまして平成30年のダイヤ改正によりまして臨時列車化、そして令和2年には「新型コロナウイルス」によりまして運休となりまして、結果専用車両であった2両が新たな「D&S列車」に生まれ変わるために「はやとの風」は運行を終了するに至っております。

 

 運行終了となりました3月21日、私は吉松駅へ足を運びまして、「はやとの風」の姿を収めておりました(NO.2585参照)。この「はやとの風」も、私自身乗車した事もある列車でもありましたので、この列車が運行を終了する事になった事は残念ではありましたが、新たな形での再開を期待しておりました。

 

 

 さて、この「はやとの風」運行終了から半年、この「はやとの風」+1両が新たな姿となりまして運行を開始しております。今回はその姿を収める事ができておりましたので、皆様にご紹介してまいります。

 

 

 それが、西九州新幹線開業に伴いまして運行を開始しました「ふたつ星4047」でありまして、観光特急列車(「D&S列車」)扱いで運行されているものであります。

 

 

 この「ふたつ星4047」とは、「西九州の海めぐり列車」として運行されておりまして、実際に有明海・大村湾の「車窓」とこれら地域の「食」の2つの観点から沿線の海を楽しめる列車でありまして、「ふたつ星」は運行区間の佐賀県・長崎県を、「4047」は使用されているキハ40形・キハ47形各気動車から取ったものでもありまして、デザインはこれまでのJR九州の車両をデザインされました水戸岡鋭治氏であります。

 

 

 運行区間・停車地は・・・

 

 武雄温泉→江北→肥前浜→多良→小長井→諫早→(旧線)→長崎

 長崎→(旧線)→諫早→新大村→千綿→ハウステンボス→早岐→有田→武雄温泉

 

と、佐世保線を通りまして、往路は「有明線(江北→諫早間)」経由で、復路は大村線経由で循環運行されておりまして、それぞれ名所のある所に停車しながら運行されております。

 

 

 この「ふたつ星4047」の使用車両が、キハ47形・キハ147形各気動車が先述の「はやとの風」からの転用、そしてもう1両が現在寸断中の肥薩線の観光列車「いさぶろう・しんぺい」として使用されておりましたキハ140形気動車でありまして、これら3両で形成されております。

 

 (キハ140-2125、平成29年撮影)

 

 

 しかも、これらはいずれも車番が「4047」に改番されております。ここからは江北駅で収めておりました編成を1両ずつご紹介してまいります。尚、この撮影列車は武雄温泉駅発の列車でありますので、3号車から先にご紹介します事はご容赦ください。

 

 (3号車、キハ147-4047(←キハ147-1045))

 

 (2号車、キシ140-4047(←キハ140-2125))

 

 (1号車、キハ47-4047(←キハ47-8092))

 

 実際に、画像はキハ47-4047・キハ147-4047でありますが、車番が「4047」に改番されている事がわかります。JR九州のキハ40系気動車ではキハ47形・キハ40形各気動車におきまして所有車両全車両機関改良を行っている事もありまして、番台が8000・9000番台(空気ばね台車車両は3500番台・4500番台)と高くなっておりましたが、今回「ふたつ星4047」に合わせまして「4047」に改番された事でキハ147形気動車とともに新たな番台が与えられている事がわかるのではないかと思います。

 

 (キハ47-4047)

 

 (キハ147-4047)

 

 

 こちらは、車内全体図であります。このうち2号車には、「ラウンジ40」と呼ばれますフリースペースを備えておりまして、ビュッフェやラウンジも設けられております。また、他の1・3号車に関しましては指定席車両となっておりまして、1号車が38席、3号車が48席となっております。尚、上にもありますように、キハ140-2125はキシ140-4047に改番されておりまして、この「ふたつ星4047」に新たに「シ」形式が登場している事がわかります。

 

 (JR九州HPより引用、車番は前車番です)

 

 

 そして、前面にあります「ふたつ星」の姿です。このような例は「かわせみ・やませみ」でも見られておりますが、この「ふたつ星4047」では☆☆(星2つ)が見られておりまして、佐賀県・長崎県を運行する列車である事をアピールしているのではないかとも思います。

 

 

 ここからは、ホームで収めた模様をご紹介します。先述のように、前面に「ふたつ星」の姿が見られている事をご紹介しましたが、側面にもエンブレムの姿が見られている事がお分かりいただけます。

 

 こちらは「ふたつ星4047」のサボです。上の運行図にもありますように、武雄温泉~長崎間を循環運行する形となっております。したがって、このサボも全区間で有効である事がお分かりいただけます。

 

 さらに、車両中央にあります展望スペースです。これは3両いずれも見る事ができておりますが、これらも「はやとの風」・「いさぶろう・しんぺい」の名残が見られている事がお分かりいただけます。

 

 そして、車外カメラです。現在、ワンマン運転を行っております一部の電車には設置されておりますし、気動車でもYC1系気動車でも見る事ができるカメラではありますが、この「ふたつ星4047」にも設置されております。尚、この列車はワンマン運転は行っておりませんが、このように見られている事がわかります。

 

 

 車内の姿をカメラを伸ばした上で収める事ができておりましたが、画像のような車内となっておりまして、「はやとの風」時代の名残が残されている事がわかります。今回の転用に際しましては、その下の画像にありますように荷物置場をドア横に設けられておりまして、こちらに関しましても木製でもありますので、「水戸岡らしさ」が伺える部分でもありましょうか。

 

 (荷物置場)

 

 また、号車には画像のようなプレートも見られております。もちろんこのプレートは「はやとの風」・「いさぶろう・しんぺい」にもなかったものでもありますので、この列車に乗りますと見られるものではあります。

 

 

 そんなこの「ふたつ星4047」の所属先は佐世保車両センターでありますので、「崎サキ」が見られている事がお分かりいただけます。尚、このうち2号車キシ140-4047はキハ40 2125時代に佐世保車両センター前身の旧早岐機関区で昭和56年に新製配置しておりまして、昭和59年に唐津運転区(現・唐津車両センター)に転属するまでいましたので、実に38年ぶりに里帰りを果たしております。

 

 その他の車も、キハ47-4047(←キハ47-8092)が昭和55年製、キハ147-4047(←キハ147-1045)も昭和54年製といずれも40年戦士でもあります。この長崎線・佐世保線では、これまでもご紹介しておりますようにその下の画像にありますキハ47形気動車が青一色・3色のラインとなって主に肥前浜駅以南で運行されている車も見られておりますが、これらも同年代にもあたりますので、この改正ではこれら車の活躍が見られ始めた改正である事も伺えるのではないでしょうか。

 

 (キハ47-4047の銘板)

 

 (同年代でもあります「上下分離区間」向けキハ47形気動車と)

 

 

 さて、この「ふたつ星4047」は江北駅で8分ほど停車しますが、この折り返しの間に地元の方がホームで販売を行っておりました。実際にこのような姿が各停車駅で見られるようでありますが、こう言ったおもてなしもこの列車ならではかなとも思う所でもありましょうか。

 

 

 そして、発車時刻が迫ってきました。客室乗務員が鳴らしますベルによりまして乗客は車に乗車しまして、この後発車へと至る事にもなります。

 

 発車の際には、先程ホームで販売されていた方が旗を振られておりまして、「ふたつ星4047」を見送ります。本当に、このようなお見送りもある訳ですので、ホームを離れて行くまでおもてなしが行われている事がわかるシーンでもありましょうか・・・。

 

(江北駅を発って行きます)

 

 

 今回は、「はやとの風」・「いさぶろう・しんぺい」から変わりました、長崎・佐賀県内を運行します「ふたつ星4047」に関しましてご紹介しましたが、この時初めて直で見る事もできていた訳でもありましたが、「はやとの風」に関しましては黒から、「いさぶろう・しんぺい」に関しましては小豆色からこのような白い姿に変わった訳ですので、大きく変わった事が伺えます。これによりまして、この地区では観光列車・普通列車とキハ40系気動車の姿が見られるようにもなっておりまして、時代が逆戻りした印象は否めませんが、これからもこの列車が利用されます方々を楽しませていただければと思っております。