2019年のプラレール博限定品として、1988年から2005年まで豊肥本線熊本ー宮地間を走行していたSLあそBOYが発売されました。58654号機自体は2009年から2017年ごろまでSL人吉としてレギュラー品で販売されていたのでスポット復活といったところでしょうか。実車は1922年に登場し、九州各地を転々とし1975年に引退後。その後、人吉駅近くで保存されていた同機を復活させ、台枠に亀裂が入り修復不可となった2005年8月まで走行。JR九州は復活の可能性を探り続け、奇跡的に製造時の図面が発見されたことからこれをもとに台枠を新製し、2009年4月に肥薩線の熊本-人吉間で運転開始。2020年7月の豪雨災害で肥薩線に復旧の目処が立っていないことから、2021年春以降は暫定的に鹿児島本線の熊本〜鳥栖間で一往復走行しています。

あそBOY(左)と人吉号(右)。正面の違いはヘッドマークの有無くらい。後述しますが、両車は同じ一つの車両のようでそうも言い切れない事情があります。

客車側のそBOY時代(右)と人吉(左)。実車が改造されているので違うのは当然ですが、プラレールでは新しい方のあそBOYはテールランプが消されています。

あそBOYの車軸は赤

現在はグレー

客車のギミックは共通で、人形を乗せられるようになっていますが人形は人吉にだけ付きます。


実車の58654号機は二度目の復活にあたり、部品がほぼ総取り替えされ、製造当時のものが一つでもあるのかどうか分かりません。理論上はこれまで交換された部品を組み合わせれば、58654号機をもう一機仕上がるとも解釈できるでしょう。1922年製という経歴だけは維持していますが、もはや別物ではないかという理屈も時折言われています。(テセウスの船)