鉄道開業150周年おめでとうございます!!!

新暦の1872年10月14日、新橋と横濱を結ぶ総延長29kmの日本初の鐵道が開業しました。

それから150年、鉄道は発展を遂げ、日本全国を走るようになりました。


それを記念しまして当時の車両を、と言いたいところなのですが。

既に記事は1年前に投稿したんです。日本で最初の鉄道はこんな車両だったんだな、ということでまず上の記事を読んでください。



それで私、何も出せる車両が無いので……


明治のマッチ箱客車を用意しました。

厳密には150年前にはまだ存在しない車両なんですけどね。あと数年待ってください。

今回も既存の客車の記事同様、IORI工房様のペーパーキットを使用しています。


まずは東京側、新橋〜横浜をはじめとする路線で使用された客車です。

組む上で必要な部材は各車それぞれに書きました。ご参考までに。



ニ4044形エコノミー(古典客車4両セット、単品)

鉄道作業局ブ47〜66(新橋工場製)→鉄道院ニ4044〜4063

客車略図上巻P418に掲載

付属デカール

車番  ニ4044 4047 4055 4057(5057と印刷されている)

車体用•台枠用  各3枚

所有者名  院道鉄 省道鉄  各4枚

区画表記  長車 掌車 物荷  各4枚

(以下使用せず)

等下  12枚

THIRD CLASS  3枚

等三  8枚

Ⅲ(3等標記)  10枚

い ろ は 一〜〇  各10枚


別途購入品

車輪(長軸) 連結器(ねじ式など) 透明プラ板(窓ガラス) 塗料(ぶどう1号、灰色、黒) 真鍮線0.3(任意)


ここで購入品について

・車輪

長軸と短軸の2種類があり、IORI工房では両方を使用します。一般的なΦ5.6で大丈夫です。

間違えると入らないので正しいものを用意しましょう。銀車輪か黒染め車輪がありますので、よく調べるか、お店の人に見せてもらいましょう。スポーク輪が欲しいならKATO一択でしょうか。

※私の作例ではTOMIXかGMを使用しました。全車黒染めです。

長軸…TOMIX品番0651もしくは0652

           鉄コレTT01~04(現行品の03R,04Rも可)

           GM品番8642もしくは8643

           KATO品番11-609(スポーク)

短軸…TOMIX品番0653もしくは0654

           GM品番8638もしくは8640

           KATO品番11-610(スポーク)

※KATO車輪のスポーク以外は未記載

・連結器

アーノルドの場合はKATO品番Z01-0041のアーノルドカプラー、Z08-0034のカプラーポケットを使用します。

※筆者は残念ながらKATOについては詳しくないので、お店の人や頼れる人に確認して買ってください。こちらでは責任を負えません。

ねじ式はIORI工房Nゲージ用を使用します。床板に差し込むスリムなタイプです。2軸車とボギー車で種類が違いますが、ボギー車用を2軸車に使用してもよいです。(逆は不可)

なおねじ式は極めて細かく破損しやすいため、レンタルレイアウトではアーノルド、自宅ではねじ式と換えられるようにするのも手です。

•塗料

GMなどの鉄道模型用が実際の車両に近い色を出せます。なおぶどう1号の場合、唯一のスプレーであるジェイズ製はちょっと違う色なので、モリタやガイアカラーをエアブラシで塗った方が圧倒的に良いです。

※私の作例では全車ジェイズなのでチョコレートに似ています。バレンタインで振る舞うとウケますヨ。



IORI客車の入門編的キットが古典客車4両セットです。そして編成を組む上で最初に来るのがこの荷物車です。この車両から始めた人もいらっしゃると思います。

機関車の次にはこのような荷物車や貨車が連結されます。



ハ1005形エコノミー(古典客車4両セット、単品)

鉄道作業局ハ16,18,19,21〜23,26〜31,34,36,37,39,41,43〜45,47,50,51,55(新橋工場製)

→鉄道院ハ1005〜1028

客車略図上巻P171に掲載

付属デカール

車番  ハ1005 1032 1541(ハ1541形 客車略図上巻P176) 1774(ハ1773形 客車略図上巻P180)

車体用•台枠用  各3枚

所有者名  院道鉄 省道鉄  各4枚

等級  等三  8枚

Ⅲ(3等標記)  10枚

(1900年以前)

等下  12枚

THIRD CLASS  3枚

い ろ は 一〜〇  各10枚

(以下使用せず)

区画表記  長車 掌車 物荷  各4枚


別途購入品

車輪(長軸) 連結器(ねじ式など) 透明プラ板(窓ガラス) 塗料(ぶどう1号、灰色、黒、赤)


当時もっともポピュラーな三等客車です。これと同等の客車を連ねれば当時の列車になります。

製作としては帯を塗るという工程が増えました。塗り方は人それぞれだと思います。私は先に車体を赤くしてしまい、帯をマスキングした上でぶどう色を塗りました。



ロハ851形エコノミー(古典客車4両セット、単品)

鉄道作業局ホ11〜15(新橋工場製)→ロハ851〜855

客車略図上巻P130に掲載

付属デカール

車番  ロハ851 852 853 855(台枠用が854と印刷されている)

車体用•台枠用  各3枚

所有者名  院道鉄 省道鉄  各4枚

等級  等三 等二  各8枚

Ⅲ(3等標記) Ⅱ(2等標記)  各10枚

(1900年以前)

等下 等中  各12枚

THIRD CLASS  SECOND CLASS  各3枚

い ろ は 一〜〇  各10枚


別途購入品

車輪(長軸) 連結器(ねじ式など) 透明プラ板(窓ガラス) 塗料(ぶどう1号、灰色、黒、赤、青)


二・三等の合造車です。そのため帯の色が2色になり作る手間は増えます。でもこれができれば安心です。

IORI工房さんのまんが作品「百年列車」にも登場します。

※帯が太いですがお気になさらず。


(古典客車4両セットの4両目は私鉄客車のため、次の記事に載っています。)



イ113形超精密(単品)

鉄道作業局イ3〜7,15〜17,19,21,22,46(英国製、開業時輸入)→イ113〜124

客車略図上巻P22に掲載

付属デカール

車番  イ113 121 124  車体用•台枠用  各3枚

所有者名  院道鉄 省道鉄  各4枚

等級  等一  8枚

Ⅰ(1等標記)  10枚

定員18 4枚

重量標記 検査標記 所属標記(東)  各4枚

(1900年以前)

等上  6枚

FIRST CLASS  3枚

い  5枚

拾  4枚

一〜〇  各2枚


別途購入品

車輪(長軸) 連結器(ねじ式など) 透明プラ板(窓ガラス) 塗料(ぶどう1号、灰色、白、黒) 真鍮線0.3(任意)


鉄道開業時の客車のなれの果てです。この一等のように色を変えて使われたものと、緩急車のように車体を振り替えたものがありました。

またこの形式に限ったことではないですが、格下げされてイからロに変わった車両もありました。


ロ117(格下げされたイ117)は鉄道開業50年企画で展示されましたが、残念ながら関東大震災により焼失しています。

またロ116、119、121、122、124が車掌車のヨフ7000形になりました。



ハ16形精密(単品)


※左のキャラクターはIORI様著作「百年列車」のハイムちゃんです。「ハ16」がモデルです。


鉄道作業局ハ16,18,19,21〜23,26〜31,34,36,37,39,41,43〜45,47,50,51,55(新橋工場製)

→鉄道院ハ1005〜1028

客車略図上巻P171に掲載

付属デカール

車番  等下六一は 等下二八二は 等下八一は 等下五五は 等下一三三は(登場時)  車体用各2枚

        ハ16 ハ282 ハ18 ハ55 ハ331(1900〜1911)  車体用•台枠用各2枚

        ハ1005 ハ1028 ハ1080 ハ1556 ハ1909(1911年以降)  車体用•台枠用各3枚

※ハ282、ハ1080…ハ1032形(客車略図上巻P173) ハ331…ハ1081形(客車略図上巻P174) ハ1556…ハ1541形(客車略図上巻P176) ハ1909…ハ1909形(客車略図上巻P183)

所有者名  院道鉄 省道鉄  各4枚

等級  等三  8枚

Ⅲ(3等標記)  10枚

THIRD  10枚

定員50 4枚

重量標記 検査標記 所属標記(東)  各4枚


別途購入品

車輪(軸) 連結器(ねじ式など) 透明プラ板(窓ガラス) 塗料(ぶどう1号、灰色、黒、任意で赤)


ハ1005形の原型です。

IORI工房さんのまんが作品「百年列車」の主人公です。

このキットは車体幅が狭いので、一般的なNゲージ車輪の「短軸」(例えばTOMIXでは新集電台車用)を使用します。他にも同じ車輪の車両があるので在庫として持っておくと良いでしょう。



ハ4995形(単品)

二等を三等に格下げした車両です。このタイプの屋根も編成のアクセントとして組み込むと良いでしょう。

晩年は加悦鉄道にて使用、現在は静態保存されています。詳細は以下の記事へ。




次は神戸側、京都〜大阪〜神戸などで使用された客車です。



コハ6500形(単品)

鉄道作業局ハボ1〜9(英国メトロポリタン製)→鉄道院コハ(ホハ?)6500〜6508

客車略図下巻P75に掲載

付属デカール

車番  コハ6500 6503 6508 6510  車体用•台枠用  各3枚

所有者名  院道鉄 省道鉄  各4枚

等級  等三  8枚

Ⅲ(3等標記)  10枚

(1900年以前)

等下  12枚

THIRD CLASS  3枚

い ろ は 一〜〇  各10枚

(以下使用せず)

区画表記  長車 掌車 物荷  各4枚


別途購入品

車輪(長軸) 台車(任意) 連結器(ねじ式など) バッファー(明治初期型、任意) 透明プラ板(窓ガラス) 塗料(ぶどう1号、灰色、黒、赤)


日本初のボギー客車です。9両中1両の車体は神戸工場製と言われています。

この車両は当時の2軸車をそのまま伸ばした形状で、客室ごとに扉があります。そのため片側に扉が10枚も付いています。原点にして最大の多扉車になります。

コハ6500は上記ロ117と共に鉄道50周年展示に参加しました。なおその後の動向は不明です。

コハ6506、7は総武鉄道へ譲渡されました。貨車化、車体新造による客車化、台車交換を経て、1950年代まで活躍しました。またコハ6504は1959年頃まで野田線柏駅の倉庫として使われました。


IORI工房さんの最初のNゲージキットだそうです。構造が異なるのでご注意。また連結器の取付は各自探ってください。この作例では2軸車同様の切り欠きを作っています。

台車も紙製ですが、別売の3Dプリンター製「明治22年台車」も使用できます。(上画像は明治22年台車を使用)

 


ハ4975形(単品)

鉄道作業局ロ38〜41,46〜49,51(神戸工場製)→鉄道院ロ506〜514→ハ4975形(両数不明)

客車略図上巻P85に掲載

付属デカール

車番  ハ4975 4997 4998 4999  車体用•台枠用  各3枚

所有者名  院道鉄 省道鉄  各4枚

等級  等三  8枚

Ⅲ(3等標記)  10枚

(1900年以前)

等下  12枚

THIRD CLASS  3枚

い ろ は 一〜〇  各10枚

(以下使用せず)

区画表記  長車 掌車 物荷  各4枚


別途購入品

車輪(長軸) 連結器(ねじ式など) バッファー(明治初期型、任意) 透明プラ板(窓ガラス) 塗料(ぶどう1号、灰色、黒、赤)


二等として製造されましたが、ハ4995等と共に三等に格下げされた車両です。

甲府モデル様より、車掌車ヨ1形に改造された後のキットも製品化されています。ハ4976、4977の2両が該当します。



フハ3109精密(単品)

鉄道作業局ハ163〜168,170〜225,228〜260,262〜265,267,268(神戸工場製)

→鉄道院フハ3054〜3154

客車略図上巻P258に掲載

付属デカール

車番  フハ3109 フハ3111 フハ3113 ハフ3012 ハフ3019 ハフ3024  車体用•台枠用各3枚

※ハフ3012…ハフ3012形(客車略図上巻P252) ハフ3019,ハフ3024…ハフ3019形(客車略図上巻P256)

所有者名  院道鉄 省道鉄  各4枚

等級  等三  8枚

Ⅲ(3等標記)  10枚

THIRD  10枚

定員50 4枚

重量標記 検査標記 所属標記(東)  各4枚


別途購入品

車輪(長軸) 連結器(ねじ式など) バッファー(明治初期型、任意) 透明プラ板(窓ガラス) 塗料(ぶどう1号、灰色、黒、赤)


ハ1005形に似ていますがブレーキ付きです。編成の端には必ずブレーキ付き車両を連結します。

3054、3062は車掌車のヨ1形に改造されました。



は53精密(単品)

鉄道作業局ハ16,18,19,21〜23,26〜31,34,36,37,39,41,43〜45,47,50,51,55(新橋工場製)

→鉄道院ハ1005〜1028

客車略図上巻P171に掲載

付属デカール

車番  等下三五は 等下七四は 等下九三は 等下七一一は(登場時)  車体用各6枚

        C53 C47 C39 C117(登場時) 台枠用各2枚

        ハ1025 ハ1020 ハ1586  車体用•台枠用各2枚

※ハ1586…ハ1586形(客車略図上巻P177)

所有者名  院道鉄 省道鉄  各4枚

等級  等三  8枚

Ⅲ(3等標記)  10枚

THIRD  10枚

定員50 4枚

重量標記 検査標記 所属標記(東)  各4枚

工  6枚


別途購入品

車輪(長軸) 連結器(ねじ式など) 透明プラ板(窓ガラス) 塗料(ぶどう1号、灰色、黒、任意で赤)


恐らく大阪~神戸で使用された客車です。

アリイ(マイクロエース)の1号機関車に付属する緑の客車はこれと同じ形式と思われます。(鉄道博物館の客車とは違うもの)

時代によっては赤帯が入ります。



以上、官設鉄道の客車たちでした。次回以降登場する私鉄の客車たちと混ぜて編成を組めば明治後期の列車になります。お好きな機関車を作って牽かせましょう。