NO.2751 40年経過した気動車の再登板です、長崎線「上下分離区間」向けキハ47形気動車紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 西九州新幹線が開業しました、去る9月23日のダイヤ改正では、九州内では大きく様変わりした所も見られておりまして、各地では大きな動きが見られている地域も見られております。

 

 九州内におきましては、鹿児島線の快速列車・普通列車を中心に大幅な減便や減車が見られておりまして、区間によりましては積み残しまでも発生する事態にまでなっている路線さえも見られております。この要因も、これまで活躍して来ておりました415系電車(鋼製車両)の引退や、編成両数の変更(短編成化)、さらにはワンマン列車拡大によるものなども見られておりまして、この「コロナ禍」にもかかわらず混雑まで見られる事に不満が見られているのが現状でもあります。

 

 一方、こちら長崎線に関しましても、これまでもご紹介しておりますように、上の画像の肥前山口駅と呼ばれていた駅が江北駅に変わりまして新たなスタートを切っておりまして、引き続き佐世保線との分離駅としての姿も見られております。

 

 また、この江北駅から諫早駅間が佐賀県・長崎県が管理する「上下分離区間」となっておりまして、電化区間も江北~肥前浜間に短縮されてもいまして、それ以降は電車が入る事がなくなっております。

 

 

 そして、今回ご紹介しますのが、その肥前浜駅から南の区間で活躍する事になりますキハ47形気動車が今回の改正で10両導入されております。今回はその区間を中心に運行されておりますキハ47形気動車に関しまして、皆様にご紹介してまいります。

 

 

 今回導入されましたのは、先述のようにキハ47形気動車が10両導入されておりまして、このうち8両が青色の塗装であります。青色の塗装と言いますと、以前当ブログでは「用途不明」とも述べておりましたが、後のJR九州の発表でこの青色の車が「上下分離区間」に使用される事が発表されておりました。

 

 この青色塗装の中には、3色の模様が描かれておりまして、それぞれ「白波」に、朝日を浴びて光輝く事から「黄色の波」、夕日が波間に沈むイメージから「オレンジ色の波」を表現しておりまして、青の塗装から運行区間にあります有明海にこれらを加えたイメージを出しているようでもあります。

 

 (この車の場合、サボの位置が後ドアから左側にあります(部分、後述))

 

 また、側面上部には運行されております地域の地名を表記しておりまして、(長崎県)長崎市・諫早市・(佐賀県)太良町・鹿島市・江北町の長崎線内の各地名、さらに(佐賀県)大町町・武雄市・有田町・(長崎県)佐世保市の佐世保線内の各地名もアルファベットで表記されてもいまして、この運行区間が長崎線の江北駅以南(江北~長崎間)、そして佐世保線の江北~早岐間で運行されている事がわかるのではないかと思います。

 

 

 さて、この区間に使用されますキハ47形気動車には、同じ佐賀県内を走っております唐津線や、福岡県筑豊地区の路線で見られているようなフロントの行先表示は採用されておらず、画像のような車内差し込み式のサボが採用されております。このような例は、3月改正より採用されておりました南九州地区の例を生かした形となっておりますが、正直先述のように唐津線の存在もありますので、方向幕を採用した方が良かったようにも思いますが、南九州の形を採用したのは正直残念かなとも思う所ではあります。

 

 (普通 江北行き)

 

 (普通 諫早行き)

 

 (裏側、車内より)

 

 (南九州採用例)~吉都線の場合

 

 それに伴いまして、取り付け場所も様々な所で見られております。この車(キハ47-8135)の場合は運転席から見て右側の場合は乗務員室後の窓の上部に、

 

 この車(キハ47-3510)の場合、運転席から見て左側の場合は、後ドアから左側のボックス席の部分に取り付けられております。ちなみに、車によりましては後ドア右側の窓の部分に取り付けられている場合もありまして、細かな違いも見られております。

 

 

 では、車内をご紹介しますが、画像のようにステップが追加されております。これはかさ上げしていた駅に対応するためではないかと思われますが、特に足腰が悪い方はステップが追加される事で乗りやすくなっているのではないかと思います。

 

 

 車内は、これまでの姿とは変わっておらず、その下の画像にありますようにボックスシートもありますセミクロスシート車でもあります。正直モケットを新たに交換しているのかなとも思っていただけに、これまでの(JR化後に交換した)姿のままであった事には、引き続きオリジナル感が出ている事も伺わせる所でもありましょうか。尚、ワンマン車両のため、レシップ製の運賃表も引き続き装備されております。

 

 (運賃表)

 

 

 そして、発表時にも言われておりましたトイレであります。これまでは和式便器が設けられておりましたが、今回トイレを改修しまして、画像のように洋式便器を採用しております。よく見ましても、明るくなった印象ではありますが、それだけトイレを改修する事で利用者に優しい一面を見せているようにも思う所でしょうか。

 

 (ちなみに、扉はこれまで通りです)

 

 

 さて、先述のように今回10両がこの路線で使用されておりますが、転用されました車は以下の通りであります(一部収めていない車もあります)。これらはいずれも3月に定期運用を離脱していた車たちでありまして、製造年も昭和54年から56年まで製造されました、いわゆる40年を経過しました車たちが今回「上下分離区間」に転用されております。

 

 キハ47-3509

 

 キハ47-3510

 

 キハ47-4509~画像なし

 

 キハ47-4510

 

 キハ47-8076~画像なし

 

 キハ47-8129

 

 キハ47-8135

 

 キハ47-8158~画像なし

 

 キハ47-9031~その下の画像は銘板、「富士重工 昭和54年」が見られます

 

 キハ47-9041~画像なし

 

 尚、この中には青一色ではなく白一色で出場していた車(上では黒で表示)もありまして、キハ47-9041+キハ47-8076が該当しますが、この車に関しましては「Choo Choo 西九州 TRAIN プロジェクト」の一環として、ダンス&ボーカルグループ「EXILE」のTAKAHIROさんがデザイン、それを沿線の小学生の手でペイントして運行される事になっておりますが、現時点では運行されておらず、運行が楽しみな所ではあります。

 

 (JR九州HPより)~10月10日から運行開始予定(追記)

 

 

 また、この中には3500番台・4500番台も見られておりますが、これら車は特徴としまして耐寒・耐雪構造、台車も異なる車両でもあります。これらはいずれも「DT44A」と呼ばれる台車をはいておりまして、寒地用の台車である事から空気ばね式となっているのが特徴でありまして、耐雪ブレーキも付いておりますし、機関改造の際に1軸から2軸駆動に改造されているのも特徴でもあります。

 

 ちなみに、他は「DT22D形」と呼ばれる台車でありまして、いわゆる暖地用の台車でコイルばね式であるのが特徴であります。

 

 

 それでは、これら車の過去に収めていた画像からご紹介してまいります。まずは3500・4500番台の4両をご紹介しますが、画像は大分車両センター・熊本車両センター所属時の画像であります。しかし、その前はいずれも唐津運輸センター(当時)に所属しておりまして、唐津線・筑肥線を運行しておりまして、運行区間は違えども、15年ぶりに佐賀県内で運行する姿が見られております。

 

 (キハ47-3509)~熊本車両センター所属時

 

 (キハ47-3510)~大分車両センター所属時

 

 (キハ47-4509)~大分車両センター所属時

 

 (キハ47-4510)~熊本車両センター所属時、光で見にくい部分がある事はご了承ください

 

 尚、唐津の前に所属していたのは旧・新潟運転所(現・新潟車両センター)でありまして、耐雪ブレーキまで装備している事から豪雪地帯を運行していた事がわからなくはない所ではありますが、運行されておりました弥彦線・越後線の電化により余剰となった事で、昭和60年に九州入りしまして、唐津運転区(当時)に転属に至っておりました。本当に、雪とはあまり縁がない所に所属していたのも正直今となればなぜ?と言う所ではありましたでしょうか。


 

 この他の車の過去画像です。以下画像はキハ47-8135の熊本車両センター所属時の画像(平成30年撮影)でありますが、画像のように三角線で活躍する姿が見られておりました。この時は、上の画像のようにキハ47-3510とペアを組んでおりましたが、その後これらがこのような形に転用する事になろうとは思いもしなかった所ではあります・・・。

 

 

 そして、これら3両が直方車両センター(博多運用)に所属していた頃の画像です。これらはいずれも香椎線で活躍する姿が見られておりまして、いずれも「アクアライナー」として運行されていた事がありました。これでわかりますのが、いずれもフロントが青一色となっていた事がお分かりいただけますが、現在は全体青一色となっておりますこれら車(キハ47-8076を除きます)も、フロントのみ青一色の姿も見られていた事がわかるのではないかとも思います。

 

 (キハ47-8129)

 

 (キハ47-9031)

 

 (キハ47-8076)

 

 

 今回は、長崎線「上下分離区間」などで使用されておりますキハ47形気動車に関しましてご紹介しましたが、実際にこれら車も非電化区間となりました肥前浜駅以南を中心に活躍する姿が見られております。本当に、YC1系気動車の登板があるかとされていた所での40年以上経過しました車の再登板には驚かされる所ではありますし、正直715系電車・713系電車が導入されました昭和59年以前の姿がタイムスリップしたような印象となってしまった事は否めませんが、このように再び登板している以上は、これからも地域の足として活躍していただきたいと願う所ではあります。