2022年10月、しなの鉄道に今も残る115系に乗車した。数年前まで群馬、長野、新潟などで数えきれないほど乗った115系も見る機会がずいぶん減ってしまった。希少価値が出るほど少なくなった115系も、しなの鉄道ではまだ定期列車として運転されている。日常的な雰囲気の中で乗りたいと思っていた。
115系に乗ってしなの鉄道全区間を往復するのが一番の理想だが、なかなか自分の都合と115系の運用が一致する日が見つからず後回しになっていた。あちこちで引退し、いつまで運転されるかわからない。そこで、あまり欲張らず短い区間に乗ることにした。

10月上旬の3連休の初日、11時ごろ軽井沢駅に到着。今回の115系乗車は軽井沢-小諸間を往復するだけ。たったそれだけ、と思われるかもしれないが仕方がない。1往復ではすぐ終わってしまうので、2往復して少しでも長い時間乗ることにした。
同区間の片道は500円。2往復すれば2000円となるが、「軽井沢・別所温泉フリーきっぷ」(1880円)を購入すると、少々安くなる。

 

 

 

 


12時過ぎ、ホームへ降りると、お目当ての115系が入線した。
懐かしい色の115系。この塗装は初代長野色といわれる。新幹線が開業する前、この列車に乗って信越線を高崎から長野まで何度旅したことだろう。

 

 

 

 


軽井沢駅に保存されている機関車EF63と115系。25年前に廃止された碓氷峠の記憶がよみがえる。

 

 

 

 


角度を変えて115系とEF63。


せっかく115系に乗るのだからボックス席の窓際に座りたい。撮影は簡単に済ませ、早めに車内に入って発車を待つことにした。
12時28分、115系小諸行きが発車。聞き覚えのあるモーター音、固い乗り心地、見覚えのある沿線の風景。来る前はほとんど忘れたと思っていたが、実際に115系に乗ってみると、自分でも驚くほど昔のことを覚えていることに気付く。

 

 

 

 


空いている各駅停車に乗る。車窓から風景を見る。それだけのことが貴重な時間に思える。(信濃追分駅)

 

 

 

 


12時52分、小諸着。115系にはいろいろな塗装がある中、これは明るくシンプルな塗り分けだ。

 

 

 

 


ちょっと引いて撮影。左は小海線の列車。
小諸の折り返し時間は7分しかない。わずか2枚の写真を撮るだけで車内に戻る。フリーきっぷを買って正解だった。
 

 

 

 

軽井沢着、13時24分。
左からしなの鉄道の新型車両、115系、EF63。新旧の車両が並ぶ。駅も変わり、車両も変わり、町の様子も変わる。


再び小諸行きに乗る。1往復目はカメラを手にしていたが、2回目は何もしないでただ車窓を眺めるだけにした。特に信濃追分付近の風景は何度眺めてもいい。

 

 

 

 


小諸に着くと、隣には115系の湘南色編成が止まっていた。だが、停止位置がずれて両者の顔が並ぶ光景が見られなかったのは残念。

 

 

 

 


反対側に新型車両が到着した。初めて見る顔だ。車内をのぞくとボックスとロングシートが混在していた。JR東日本の車両によく見られる座席の配置だ。自分の好みではない。

 

 

 

 


再び折り返しの軽井沢行きに乗り、14時47分軽井沢着。隣は新型車両。こちらは座席指定タイプの快速列車のようだ。


このように短い区間を2往復しただけだが、わずかな時間でも実際に115系に乗ってみると、自分が想像していた以上に感慨深いものがあった。あと何回115系に乗れるだろうか・・・