北陸新幹線「かがやき501号」金沢行上野駅から乗車しての車窓の動画シリーズ…前回は佐久平駅を通過して千曲川を渡ったところまでアップしました。長野駅で下車するまでの動画なので今回は最終回となります。
    東京駅~東北新幹線~大宮駅~上越新幹線~高崎駅~北陸新幹線と走ってきた「かがやき501号」東京都~埼玉県~群馬県~長野県と走ってきて、私が下車する長野駅から先は長野県~新潟県~富山県~石川県と、1都6県を走ります(但し「かがやき」号は停車駅の少ない通過タイプなので群馬県と新潟県には停車駅がありません)。

    佐久平駅を通過して上田駅までの間にいくつかあるトンネルのうち最後のトンネルを抜けてすぐ再び千曲川を渡ります。
    斜めに渡るので動画では川面は見えませんが、斜張橋を渡っている様子がお分かりかと思います。

    千曲川を渡ると列車は川に並行するようにして進みます。千曲川の対岸へ渡る道路橋が交差します。

    上田市内を流れる千曲川。
    東日本各地が災害に見舞われた3年前の令和元年東日本台風(台風19号)では千曲川が各所で氾濫し、長野県内においても堤防が各所で決壊するなど甚大な被害を受けました。上田市内においては上田駅~別所温泉を結ぶ上田電鉄の橋梁が崩落するなどの被害に見舞われました。
    北陸新幹線では長野市のJR東日本長野新幹線車両センターが千曲川の決壊により車両基地が浸水して滞泊中のJR東日本E7系およびJR西日本W7系合わせて10編成(12両編成×10本)120両が水没、廃車となってしまったことは記憶に新しいです。
    面積の広さでは北海道・岩手県・福島県に次ぐ広さ(13,562.23k㎡)の長野県。「日本の屋根」と呼ばれるほど海抜が高く、3,000m級の山々が連なる飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈に囲まれた県土は大きく分けると善光寺平・松本平・佐久平・伊那平と4つの盆地が県歌「信濃の国」に挙げられていますが、それ以外にも上田平・塩田平(ともに上田盆地)や諏訪平(諏訪盆地)などもあり、それぞれが高い山に隔てられている県です。
    上田市は千曲川を挟んで東側が上田平、西側が塩田平と呼ばれています。地形的には佐久平とともに長野県東信地方の中核を形成しています。
    上田駅を通過します。
    現在の上田駅は軽井沢駅とともに新幹線がJR東日本、在来線がしなの鉄道の駅となっています。
    新幹線開業以前の国鉄~JR東日本信越本線時代の上田駅は特急列車も全て停車する駅でした(信越本線に初めて特急列車が設定された時代の「白鳥」は通過していましたが…)。
    長野県上田市といえば東信地域の経済や商業の中枢を担う都市ですが、有名なのが上田城
    よく「デタラメを平気で拡散させる」マスメディアなどで「真田幸村の上田城」などという誤った表現や表記がされていますが、日本史における人気武将であっても真田幸村は「城持ち大名」となったことはなく、上田城を築いたのは父の真田昌幸。また親しまれている「真田幸村」の名は生前使用された形跡は無く、初めて登場するのは「大坂夏の陣」で戦死して約60年も後に刊行された「難波戦記」という物語とされています。「真田幸村」のモデルとなったのは真田信繁という昌幸の次男。ずっと後世になってからなって作られた講談などに「幸村」として登場、大坂冬の陣・夏の陣をはじめさまざまな舞台でヒーローとして扱われたため「幸村」の名前が定着したといっていいでしょう。

    高崎駅から西寄りに向かっていた新幹線は上田市街地を抜けると北東方向に向きを変えます。高崎駅から長野駅に最短距離を取るとするなら北西方向に直線的に作れば良さそうなものですが、そうすると2,000m級の山々がひしめく険しい山岳地帯であるうえに浅間山や白根山といった活火山が行く手を阻みます。そのため昔の北国街道も在来線の信越本線もこれを迂回するように千曲川に沿って通っているのです。



    向きを変えた新幹線はトンネルに入ります。
    この先の4点の動画はほぼトンネルなのでスルーされても結構ですが、上田平から善光寺平へ抜ける旅の雰囲気を楽しみたい方はそのままご覧いただくとして、そうでない方は以下連続する4点の動画の4つめの動画の後半からお楽しみください。



    長いトンネルを抜けるとそこは善光寺平…北信地域へと入ります。
    長野自動車道を跨いで三たび千曲川を渡ります。

    千曲川を渡ると長野市の篠ノ井。
    在来線の篠ノ井駅を横目に通過する頃に車内放送で長野駅到着の案内放送が流れはじめます。
    篠ノ井駅は在来線のJR東日本信越本線篠ノ井線および第三セクターしなの鉄道の接続駅。
    しなの鉄道が第三セクター化されたとはいってもローカル列車の運行体系は変わらず、しなの鉄道の列車は戸倉・上田・小諸・軽井沢方面と長野駅を直通運転、篠ノ井線の列車は松本・上諏訪・小淵沢・甲府・大月方面のローカル列車と名古屋からやってくるJR東海特急「しなの」JR東日本エリアへと乗り入れてきます。
    しなの鉄道115系が停車していました。
    こちらはタンク車牽引のJR貨物EH200形電気機関車「ECO POWER BLUE THUNDER
    かつて篠ノ井には機関区があった関係で構内は広い造りとなってます。
   私が少年時代の篠ノ井駅には急行列車は停車しても特急列車は停車していませんでしたが、国鉄の増収策の一環として急行列車の特急格上げが行われると篠ノ井駅にも一部の特急列車が停車するようになりました。現在では特急「しなの」の全列車が停車します。  
    篠ノ井駅付近は新幹線もわりと低く建設されたので在来線もよく見えますが、再び高架が高くなってこの先の今井・川中島・安茂里といった在来線の駅は車窓から見ることはできません。
    犀川を渡りますが、この付近では晩秋から春にかけての大陸からの移動性高気圧に日本列島が包まれる快晴の朝などは周辺の山々の向こう側に北アルブスの一部(槍ヶ岳など)を見ることができます。高速走行中の新幹線の車窓からなのでほんのわずかな時間ですが、沿線に素晴らしい風景がたくさんありながらトンネルだらけの新幹線に辟易しているところでこの風景を見るとちょっと感動的です。
    犀川付近ではこのような車窓に出会えることもあります。

    昨年の秋には大きな虹を見たこともあった犀川付近での車窓。
    列車は減速を始めて長野駅到着が近いことを感じさせます。
    マルコメ味噌の工場と社屋を横目に見て裾花川を渡ればいよいよ長野駅構内へと入っていきます。






    長野駅ではここから終点の金沢駅までを担当するJR西日本の乗務員が待機しています。
    北陸新幹線長野駅から先の飯山駅~上越妙高駅までがJR東日本の管理ですが、長野~上越妙高間の区間運転列車以外はすべての列車が長野駅でJR東日本←→JR西日本の乗務員交代が行われます。
    長野駅にて下車しました。

    これで今回のシリーズは終了となります。