2022年10月14日、日本に最初の鉄道が開業してからついに150年の節目を迎えます。

『近代日本』の歴史を象徴すべき出来事でもあった新橋~横浜(いずれも当時)の開業以来、全国各地に官民それぞれの手によって幹線となる鉄道網が形成されていきました。

(大宮の鉄道博物館に収蔵の『1号機関車』)

 

 

その後、日本の鉄道(国鉄・JR)にはいくつかのターニングポイントとなる出来事がありました。

◆民営によって開設された幹線鉄道網を中心とした鉄道国有化

◆鉄道敷設法(改正も含む)の成立による地方への路線網拡大

◆太平洋戦争(軍需輸送、施設の疲弊、戦災による破壊とその復興)

◆日本国有鉄道の発足

◆国鉄戦後5大事故(桜木町事故、洞爺丸台風、紫雲丸沈没、三河島事故、鶴見事故)

◆車両の近代化(無煙化達成によるSL廃止)

◆東海道新幹線の開業

◆国鉄の完全赤字転落、合理化推進による労使関係の悪化

◆国鉄再建法の成立(赤字ローカル線の整理など)

◆国鉄分割民営化によるJRグループの発足

◆青函トンネルと瀬戸大橋の開業で鉄道による『一本列島』が実現

◆JR本州3社とJR九州の株式上場による完全民営化

◆リニア中央新幹線の建設

…と、いろいろ挙げればキリがありませんが、こんな処でしょうか。

 

それらの事を乗り越えて、現在に至るJRですが、ご承知の通りコロナ禍による輸送需要の低迷、地方路線においては過疎化による人口減で存廃問題も浮上しており、また輸送モードの多様化によって鉄道にとっては厳しい時代である事に変わりありません。

 

とかく、暗い話題が多い昨今の鉄道界。そんな中で迎えた日本の鉄道150年の節目にあたり、私は2022年8月時点のJR路線網において、壮大な旅の計画を実行する事に致しました。

その名も『鉄道150年記念・特急

このタイトルでピンとくる方も多いでしょうが、『特急にっぽん縦断』といえば『鉄道ジャーナル』とその姉妹誌『旅と鉄道』(※現在『天夢人』編集の同名誌とは異なる)に掲載されていた文字通り特急列車による日本縦断企画で、ハッキリ言ってそのパクリです…(汗)。

 

ただ…完全なパクリではなく、私は北海道の人間なので北から南を目指すルート、つまり現在特急列車が通っている最北端最南端を結び、稚内から枕崎(※特急列車としては指宿が最南端の終着駅だが、せっかくなので枕崎まで足を運ぶ事にした)への乗車券はあくまでも『一筆書き』(※詳細なルートはこの後の添付画像をご覧ください。但しコースから外れる区間は別途乗車券を使用)、そして在来線を中心に、新幹線も織り交ぜて最新型から引退迫る車両、話題の観光列車、さらにはファン垂涎の名列車など、とにかくバラエティに富んだラインナップで乗り継ぎしようとコースを計画したつもりです。

そして、鉄道150年記念企画ならばJR旅客全6社を廻るコースにしなければそれぞれの会社にとって失礼なので、勿論各社それぞれの特急型車両(または新幹線車両)に乗車するという鉄則(?)は一応守っています。但し、四国は一筆書き切符で廻る事ができないため、一旦岡山で離脱して瀬戸大橋を渡り、JR四国管内に入ってから『バースデイきっぷ』(※私は8月生まれ)という強力な乗り放題乗車券を使用し、コチラに関しては同社未乗区間の乗車も兼ねたため、全て特急列車で移動するという縛りは除外する事にしています。

他にも西九州新幹線開業に伴う在来線特急列車再編の絡みもあり、長崎本線特急はどうしても乗っておきたくて、以上の目標を全て実現させるには当初7泊8日で計画していた行程を1日延長せざるを得なくなり、私にとっても過去にない(※当比)壮大な旅を実行する事になりました(『最長片道切符』の行程から見ればひよっ子みたいなモンですが…)。

(JR各社の車両はほんの一例です)

 

 

 

またいつものように前置きが非常に長くなってしまいましたが、その乗車券を購入するにあたって、敢えて近場の駅ではなく、私は7月某日に『はまなす編成』の61Dサロベツ1号に乗り、南稚内駅へ向かったのでした(この時の乗車券は『HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス』使用)。

 

 

 

わざわざ、なぜ旅の起点となる稚内駅でもなく、隣の南稚内駅で購入したかというと、今年は稚内の「鉄道開業100周年」の記念という事で、元祖『稚内駅』だった南稚内駅にこだわったからなのでした。どっちみち売り上げの分は各社に分配されるため大した収入にはなりませんが、当駅に敬意を表するという意味も込めまして。

 

 

 

勿論、複雑かつ経由地の多いルートとなるため、マルス券での発券は不可能な事から、手間暇の掛かる出札補充券での発券となります。駅員にとって「メンドクサイ」券に関しては後日引き取りに行くという前提を承知の上なので。私も極力窓口氏の手を煩わせないよう配慮し、事前に各路線のコース(乗換駅)を示した路線図、それに基づいてExcelで作成した運賃計算キロと合算表を用意して持参してきました。

南稚内駅に到着後、早速きっぷ売場の窓口氏に「カクカクシカジカ」…とルートを説明し、稚内から枕崎ゆき』乗車券の購入を申し込みます。幸い、窓口氏の若い駅員さんが感じの良い方で、「僕、この駅に勤めて4年ですけど、このような乗車券を売るのは2度目です。勉強になります!」と前向きに対応してくれました。

 

 

 

勿論、同じ稚内が発駅である『最長片道切符』のルートや距離に比べたら全然カワイイモンですが、どっちみち後日にならないと発券できないため、出来上がり次第電話するという事で私の連絡先を伝え、サロベツ1号の折返し列車となる52D宗谷で札幌へトンボ返りしたのでした…。

(左の2番線停車中のキハ54は稚内を18:03に発車する4330Dの回送車)

 

 

 

それから3日後。実はこの日、根室本線(花咲線)のキハ40増結列車に乗るために同じLOVEパスを使って根室まで行っており、折返し列車で奇しくも最東端の東根室駅に来たタイミングで南稚内駅から電話が掛かってきて、乗車券が出来上がった旨を伝えられたのでした。

(釧路方に『道北 流氷の恵み』、根室方がキハ54 521『地球探索鉄道 花咲線』ラッピング車の2連で運転された根室発釧路行3628D快速『はなさき』。この時は実際に東根室駅で降車)

 

 

 

その翌日、私は再び51D特急宗谷で一旦稚内駅へ向かった後、折返しの6064Dサロベツ4号で南稚内駅へ切符を受け取りに参りました(勿論同じLOVEパス使用の上で)。

 

 

 

出来上がった乗車券がコチラで、しめて¥34870ナリ。瀬戸瀬から志布志ゆき』以来、私が実際に使用する出札補充券でございます。いわゆる「業務報告書」のルート記載はパソコン作成となっており、乗車券と共にホチキスで綴じられています。

この日は申し込みした時に対応した駅員さんがちょうど不在で、新人と思われるさらに若い窓口氏が対応し、運賃を支払って購入。せっかく手間暇掛けて乗車券の発券をしてくれたご本人に直接お礼を言えなかったのは残念でしたが…。

 

 

南稚内で購入したのは乗車券のみで、コース上で使用する特急券は予めえきねっと予約、もしくは10時打ちで既に確保しており、あとは出発日となる8月1日を待つばかりなのでした…。

その旅行記の本番、8月1日以降はまた後日に紹介させて頂きます。また、4月1日~6日に実行したLOVEパスのJR北海道全線完乗の旅』旅行記も、3日目以降はずっと中断したまま放置して申し訳ありません。いずれにしても他の記事を挟みながら順次紹介していきますので、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

 

つづく