ローカル線どこへ・・・
皆さん、今朝の日経の朝刊をご覧になられましたでしょうか。
第2面ど真ん中に「ローカル線どこへ」というシリーズものと思われるコラムが掲載されており、JR西日本の「芸備線」を一例にローカル線の実態について触れられていました。
この路線は先日JR西日本が公表した赤字路線リスト筆頭の赤字を抱える路線です。
なんと100円稼ぐために25,000円使っていたそうです
普通の民間企業ではありえない商売です
「公共交通機関」を担う企業としての企業努力だったのでしょう。
しかし民間企業は利潤を追求する法人ですので、いつまでも赤字の垂れ流しを続けるわけにはいきません。
路線を存続させる以上、善後策も必要でしょう。
しかしあの赤字路線リストは恐らく手詰まり状態だったのではないでしょうか
じゃあ廃止になると地元住民は困るのか?
アンケート結果によると75%の方が「芸備線を使ってない」というのです。中には「乗ったことが無い」という方も。
となると廃止にしても「75%の方は困らない」という結果になります。
「本数が少ないから不便で使えない」とも考えられますが、使わなくても支障がない、鉄道が必要ない生活が送れているのです。
国営や公営企業であれば、公共交通機関ですので残る25%の方が困らないよう存続させる必要があると思いますが、民間企業で株式会社である以上、25%の方を切り捨ててでも経営を安定させる法的義務があります。
国鉄が民営化される際、国民のほとんどが納得して民営化したはずです。今さらJRに対して廃止しないよう懇願するのは疑問を感じます。
一方でこんな記事も出てました。
これまではドル箱路線で稼いだ利益をローカル線存続の原資にしているとのことです。これも企業努力の一つですよね。
しかし新型コロナウィルス感染拡大により、都心部企業の働き方が大きく見直され、今後は在宅勤務やリモートを主体とした勤務体系になるため、ドル箱路線で稼ぐというビジネスモデルに危険信号が灯ったのです。
ドル箱路線で稼げない中でも、収益は上げていく必要があるのが民間企業。そのためには赤字部門(路線)は切り捨てるしかないと思います。
さらにこのコラムには続きが・・・
JR北海道の「日高線」は沿線住民賛同のもと廃止されるというのです。
しかし突然の廃止ではなく、沿線住民に対して長きにわたり説明を重ね、理解を求め、日高線の沿線自治体は代替バス導入を決めたそうです。
その原資はJR北海道からの協力金25億円。
手切れ金のようにも感じますが。
ただバスだと融通が利きます。
低床バスやリフト付き車両を導入し、高校や商業施設を経由するようニーズに合わせてルートも柔軟に変更。移動手段としてのレベルアップに専念するそうです。
また最近は限界集落での実用化に向け、スマホアプリを活用したオンデマンドバスが各地で実証実験されてます。
今後の日本はより一層高齢化が進みます。今年は鉄道150周年ですが、鉄道のピーク時と現在・未来の利用者の年齢構成も大きく変わってきており、選択と集中の時期を迎えている気がしてなりません。
そんな渦中の災害による不通路線。どう考えてもJRグループが積極的に復旧させるとは考えられません。
ご参考
同じ新聞をスマホやPCで読まれている方(電子版)は見落とされた方も多いと思います。私は新聞を広告も含めて隅々まで読みますので必ず「紙」です。新聞は、同じ情報量でも媒体によって入ってくる情報量が変わります。何故だか判りますか?