前回までのこのシリーズの続きです。


    熊谷駅を通過してからは徐々に秩父方面の山並みが近づいてきます。
    このシリーズの前回記事で触れましたが、下り列車の場合、冬の快晴の朝などは左側の車窓には大宮駅を出てから熊谷駅にさしかかるまで遠くに富士山が見えますが、熊谷駅を境に見えなくなります。代わって前方に浅間山が現れます。白銀に輝くその姿にはには手前に連なる山々とは別格の貫禄と美しさが感じられます。北陸新幹線の停車タイプの列車に付けられている「あさま」はもちろんこの浅間山から命名されたものです。


    列車は本庄早稲田駅を通過します。
    本庄早稲田駅は後から誕生した駅で、車窓から見ても後付け感溢れる駅です。
    動画の終わりの方に見えたインターチェンジは関越自動車道の本庄児玉インターチェンジです。

    本庄早稲田駅を通過すると関越自動車道が近づいてきてそのまま交差します。
    新幹線と関越自動車道は少し離れたところを並走するように埼玉・群馬県境を流れる神流(かんな)川へと至ります。


    神流川を渡って群馬県に入ります。
    大宮~熊谷付近はいかにも関東平野のど真ん中を突っ切るといった車窓風景ですが、埼玉県北部から群馬県にさしかかるといよいよ広大な関東平野のどん詰まりに近づいたと実感します。

    群馬県に入って進行方向右側に再び関越自動車道が見えてくると、関越自動車道と上信越自動車道のジャンクションである藤岡JCTが見えてきて西へ分岐した上信越自動車道が新幹線の下をくぐります。
    藤岡ジャンクションの手前で交差する単線はJR東日本八高線です。
    八高線を跨ぐと上信越自動車道の藤岡インターチェンジ。群馬県と長野県を隔てる山々を越えるため鉄道も道路も信州に入るための急勾配が控えています。
    烏(からす)川を渡ります。このあと烏川と新幹線は並行して高崎へと向かいます。

    烏川との並行が始まって車窓を注視していると上信電鉄佐野のわたし駅が眼下を通り過ぎ、上信電鉄の鉄橋が烏川を跨ぐのが見えます。

    烏川の向こうに連なる山並みの上に白く見えるのは有名な高崎観音。
    走行中の新幹線からの撮影、しかもスマホのズームでの撮影なので画像は粗いですが、浅間山と高崎観音です。これは昨年末に上越新幹線の東京発下り一番列車「とき301号」での車窓風景です。
    高崎観音が見えるとまもなく高崎アリーナを横に見て高崎駅を通過します。
    上越新幹線高崎駅は2面6線…外側の4線が高崎駅に停車する列車が使用し、通過列車は中央の2線を使用します。


    こちらの動画が途切れる部分で軽くジョイント音が聞こえますが、これが上越新幹線北陸新幹線の分岐点。下り線では38番分岐器(分岐する線路が1m離れるのに概ね38mを要する)が採用され、上越新幹線から分岐して北陸新幹線は高崎駅通過後に速度を落としますが、それでも160km/hで通過できるというものです。
    動画では音でも減速しているのがわかりますが、それでもかなりの高速走行です。
    ちなみに北陸新幹線は上り線はカーブしながら上越新幹線をオーバークロスして高崎駅手前で合流するのでこれほどの速度を出していません。

    冬のよく晴れた朝なら、この辺りでは市街地といえどもこの辺りからでも高架を走る新幹線からは浅間山が望めます。その後は上信国境の山々が近づいてきて浅間山は見えなくなります。

    ここまで下り列車の進行方向左側のことばかり述べてきました。
    進行方向右側の動画は今回はありませんが、ここで少し触れておきますと、上越新幹線を走行中の車窓は熊谷駅を過ぎると赤城山がひときわ存在感を増してきます。
    赤城山・榛名山・妙義山は上毛三山と称されています。いずれも標高はそれほど高くない1,000級なのですが、関東平野からまず目に付くということもあって目立ちます。
    進行方向右側の車窓では上越新幹線との分岐点までは赤城山を眺め、分岐点を過ぎると赤城山は後方へと遠ざかり代わって榛名山の個性的な姿を真横に見るようになります。紅葉の時期の午前中であれば陽光に照らされる榛名山麓が美しいです。
    妙義山は左側の車窓から見えますが、北陸新幹線からは少し離れているので奇っ怪な山容を間近に見ることはできません。しかし、在来線の信越本線では間近に眺められるので機会があればおすすめしたいところです。


    高崎市立高崎経済大学付属高等学校。
    令和4年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)において弓道部(男子)が群馬県勢初となる優勝に輝きました。



    北陸新幹線に入ると上信国境に向かって上り勾配が続きます。
    高崎~安中榛名~軽井沢間では最大30‰ほどの勾配が続きます。これは新幹線では最も急勾配というわけではありませんが、それでも動画でもわかるほどにどんどん標高が高くなってゆくのがお分かりかと思います。


    ちょっと街道っぽくなっているのは国道406号線が通っているところです。
    以前はいつも車で長野まで往復していた私は、遠回りになるのと渋滞もある国道18号線や浅間サンラインを避けて高崎から国道406号線を通って吾妻渓谷へ抜けて草津温泉~志賀高原へ抜けるか鳥居峠を通って大笹街道に入って菅平を越えて須坂へ抜けていました。この国道406号線で新幹線の高架をくぐるときには新幹線の高架の傾斜を見て急勾配であることを外から実感したものでした。
    スズキ自動車の看板などが見えるところを国道が通っています。


    いくつもトンネルが続き、勾配をどんどん上ってゆく車窓に信越本線での碓氷峠を思い出します。
    列車は安中榛名駅を通過します。

    次回のこのシリーズは上信国境から長野県に入って軽井沢駅を通過、佐久平駅通過までをアップするつもりです。