10月1日土曜日昼過ぎ、それは拝島駅での甲種輸送撮影の時のことだった。
クレーン車・ワゴン車が控車のコキ106と切り離され、構内東方に引き上げられた時のこと。
あとは牽引してきたEF65 2092が、このコキを1両だけ牽引して帰っていくはず。
それもまたレアなシーンになるだろうと考えていたが、いつ発車するかは分からなかった。
この日は撮影後は月例業務でオフィスに戻る予定だし、さてどうしようかなと思案を巡らせ…
そんな時、西武拝島線6番線に、見慣れた黄色い電車がやってきた。
ああ…新2000系か…
方向幕は?フルカラーLEDか…
そう思って見るのをやめかけた次の瞬間。
カ、カンブリア牧2403Fが西武新宿方についてるッ!?
グロベン、ナンバープレート、方向幕…間違いない!
今や旧2000系で方向幕を装備するのは、遂にこの1編成だけ。
ということは、実際には2007Fが引退した4月にとっくに気づいていたのだが…
2両編成で増結用という用途故、なかなか運用が掴みきれない。
しかも新宿線系統は、池袋線と違ってその2両編成の連結位置がちょいちょい変わる。
ある日は拝島・本川越側、またある日は西武新宿側…
それが編成によって違ったりするから、なお掴みきれない。
最近は仕事で巡回中に見かけることが度々あったのだが、仕事中である故にカメラも向けられず
ジレンマがあったが、そんな中で自分から捕まりに来てくれた!←違う、そうじゃない
しかも連結位置は西武新宿側!
ということは、前パン!
これは記録するしかない!
そうカチっとスイッチが入った瞬間、足早に改札を通り、西武拝島線へ。
幸いまだ甲種輸送関連に視線が行きがちだったからか、こちらに注目する人はほとんど無し。
新旧の併結も、じわじわ減っているように感じるが…
検査期限の関係か、新2000系の廃車の方がまだまだ多いような感じ。
なかなか順序が掴みづらく、これもまた積極的に動きづらい一因になっていたりする。
おかげで、気持ち穏やかに動いていられるけどね。
突発性難聴の告知の直後、過度なストレスになるような動きは自重。
考えてみれば、スカートもついてパンタグラフはシングルアームに交換済み。
幕自体も英語表記入りに変えられて久しく、2007Fと同様に原型要素には乏しいのだけど。
それでも、今なお生き続ける旧2000系の系譜を伝える貴重な存在であることに違いはない。
それから9000系まで続く西武鉄道特有の伝統デザインとなった。
気持ち良い秋晴れに、黄色い車体が映える。
そんな当たり前にあった西武鉄道の日常風景が、ここにきて次第に希少になりつつある。
昨年暮れのイベントの時にもさんざん撮り回ったけど、また復習してみたり。
そうこうしていると、7番線に拝島終着の電車が到着。
入れ替わりに発車、13:19発。
西武鉄道特有の7M3T、かつクモハ先頭の強力編成はとにかく力強い。
古き良き走りを今なお魅せてくれているが、それを堪能できるのも先が短くなってきている。
ことに2000系の場合クモハ先頭は西武新宿側連結に限られるので、よりレアなシーンだ。
電車は順調に拝島線を走っていく。
西武立川までは、自分もいたく順調だった。
この日は月例業務の関係上、いずれにしても拝島線内で記録を終えるつもり。
それも、行っても萩山くらいまでのつもりでいたが…
武蔵砂川で少し撮影に出た時だった。
太陽に目が眩んだか、
暑さにふらりときたか、
やっぱり難聴の影響はあったのか、
おっととととと。
行かれてしまった。
ポツンとホームに取り残された43歳。
もしもを考えて、荷物はちゃんと持ってて良かったけどね。
こうして、この日の記録はこれにて終了。
これがもしかしたら、最後の記録になるかも…
なんて思ったりもしたが、なんのまだまだ。
ここから先が、また記録蓄積への号砲となっていくのであった。
※この日は「青」の記録はありません。