JR山陽本線岩国ー下関間のローカル輸送に充当されている下関総合車両所運用検修センター所属の2扉転換クロスシート車、115系3000番台。1982(昭和57)年の登場以来、主力として活躍を続けていますが、このほどN-12編成の4両が廃車となったようです。回送された本所(下関市幡生宮の下町)周辺を訪れてみました。

 

 

 

 

運用離脱した車両が入る位置に留置された115系N-12編成。敷地外の道路から確認しましたが、制御車2両と電動車2両に分けられ、モハ114ー3012のパンタグラフは既に外されていました。この様子を見ると廃車は間違いなさそうです。「3012」は3000番台のモハとしてはラストナンバーに当たります

 

 

山陽本線の跨線橋から眺めた115系N-12編成(右)。奥では117系電動車の解体が進んでいました

 

 

 

115系3000番台は国鉄末期にデビューした同系の最終グループで、これまで3扉の2000番台モハと組んだクハ115形以外は全車健在でした。3000番台新製車のみで組まれた編成単位での廃車は今回が初めてです。

 

まだ後継形式が登場しておらず引退は意外な気もしますが、21年春以降、下関市内を除く区間の運転本数が削減されたこともあり、今回のN-12編成は余剰となったのかもしれません。同編成は最近施工されている都市型ワンマン対応改造も受けていなかったようで、おそらく計画的な動きと思われます。

 

 

厚狭ー埴生間の山間部を行く現役時代のN-12編成=2021年

 

 

 

山陽本線の普通列車のうち、運転区間が小月ー下関間に短縮されたものは時間帯によっては乗客もまばらで、4両編成の115系3000番台では輸送量が過剰な気がします。今後も岩国ー下関間の運転本数が減るようなら、さらに余剰編成が出るかもしれません。

 

115系3000番台は更新工事を受けているためか、利用者目線では今でもあまり古さを感じません。しかし今回のN-12編成の運用離脱は、引退が徐々に迫っている現実を突きつけられた気がしました。

 

 

 

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