NO.2747 109年もの長い歴史ある駅名最終日の姿です、9.22「肥前山口駅」最終日リポート | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 佐賀県江北町にあります、長崎線と佐世保線との分離駅であります肥前山口駅は、長らくその駅名で称され続けてきておりましたが、9月22日でこの名称が姿を消しまして、翌9月23日から新たに江北駅としてスタートを切っております。
 
 これまでは、その肥前山口駅と称されておりましたが、江北町の町制が70周年である事や、9月23日の西九州新幹線開業に合わせまして駅名を変える事になりまして、これに伴いまして長らく称されておりました肥前山口駅から江北駅に変わるに至っております。
 
 この名称変更後の江北駅では、博多~長崎間を長らく運行されておりました特急「かもめ」が廃止された事に伴いまして、この駅には特急列車は新幹線リレー特急に変わりました「リレーかもめ」、特急「かもめ」廃止に伴いまして博多~肥前鹿島間の特急列車で運行されております「かささぎ」、さらに新たなD&S(デザイン&ストーリー)列車として「ふたつ星4047」が運行を開始しておりまして、これら列車もいずれも江北駅に停車しております(「リレーかもめ」は一部通過列車もあり)。
 
 また、普通列車に関しましては、電化区間が江北~肥前浜間に短縮されましたので、電車も肥前浜駅までしか乗り入れなくなっております。さらに、長らく運行されておりました415系電車も定期列車では長崎線に乗り入れなくなっておりまして、代わりに811系電車が多く長崎線・佐世保線運用に入るようになっております。
 
 (817系電車、肥前浜行き)
 
 (811系電車、江北駅留置線留置中)~この後鳥栖行きとして運行
 
 また、江北駅から諫早駅間が「上下分離区間」として、佐賀県と長崎県の管理下に置かれる事になりまして、この区間には以下画像のキハ47形気動車が入るようになりましたし、佐世保線の早岐~江北間でもYC1系気動車が乗り入れるようになっております。このような姿を見ましても、715系電車・713系電車が導入されました昭和59年改正前の再来となっておりまして、電車・気動車の姿がこの駅では揃って見る事ができております。
 
 (キハ47形気動車)
 
 (YC1系気動車)
 
 
 ここまでご紹介しました事につきましては、後日改めて皆様にご紹介させていただきますが、今回ご紹介しますのは去る9月22日の夜見られました肥前山口駅最終日の模様を皆様にご紹介してまいります。
 
 (駅名標)~このあと「こうほく」に変わるようになっています
 
 
 私自身も、長らくこの駅での話題をご紹介しておりましたので、どうしてもこの駅の最後の姿を収めたいと思いまして、仕事を終えまして肥前山口駅へと足を運びました。駅待合室には、西九州新幹線開業まで「あと1日」と書かれたボードがありましたが、それとともにこの駅にとりましては江北駅に変わるまであと1日でもありましたので、こちらに関しましても思い入れのあるボードではないかと思っております。
 
 また、この駅の発車標では、お知らせの所で「・・・明日より江北駅として新たなスタートを・・・」と表示されておりまして、この肥前山口駅も終わりを迎える事を伺わせておりました。本当にこのような姿も正直残念でならない部分でもあったようにも思います。
 
 (お知らせの部分)
 
 切符売場を見てみますと、まだ肥前山口駅ですので「肥前山口」の表示が見られている事がわかります。しかし、このような表示もこの日まで、翌日には江北駅と変わるのは残念ではありましたでしょうか。
 
 そして、券売機は使用停止となっておりました。したがって、肥前山口駅からの乗車券・入場券を購入する事はもうできなくなっておりました。尚、使用停止となっていた事で駅の入場も無料となっていたようでもありまして、後述のさよなら列車の見送りの際もスルーして行かれる方が多く見られておりました。
 
 
 改札を抜けてホームへやってまいりますと、4番ホームにはこの後肥前大浦行きとなります415系電車FM1516編成の姿がありました。この列車は、これまでもご紹介しております長崎地区運用最終日の列車でありまして、長崎駅から2878Mとして肥前山口駅にやってきていた列車でありましたが、この後2877Mとして肥前大浦駅へ向かう事にもなりまして、既に2878M到着時の5番ホームから4番ホームに転線しておりました。
 
 肥前大浦行きの行先です。この行先、よく見ますと右詰めの形となっておりまして、南福岡・大分所属車共通で見られていた事でありますが、これは追加装てんした証でもあります。このような行先もこの日が最後でもありますので、私もこのように収めるに至っておりました。
 
 既に2877Mが転線していた事に伴いまして、既に2945M早岐行きは後4両を切り離しまして、後の編成も留置線に転線がなされておりました。その編成も、415系電車ではなく811系電車(PM5編成)でありまして、改正前の前日の時点で既に運用変更がなされていた事がお分かりいただけます。
 
 
 この後、鳥栖駅からの2875Mが5番ホームにやってきました。この列車は415系電車8両で運行する列車でありましたが、この日その前の門司港駅発鳥栖行き147Mとともに、大分車両センターの鋼製車8両編成での運行でありました。この運行が大分車両センターの鋼製車では最後の運行でもありましたが、(←肥前山口)Fo110編成+Fo106編成の全8両鋼製車の編成でもありました。
 
 (肥前山口の行先)
 
 留置線の811系電車PM5編成との並びであります。隣は本来ならば415系電車(1500番台)との並びが見られておりますが、先述のように改正前の運用変更がなされておりまして、この並びも415系電車同士の並びは見られなくなっておりました。
 
 それでも、向かいの4番ホームには2877Mの姿がありますので、ホームをまたいでの415系電車の姿が見られておりました。もうこのような姿も最後となりますが、老若男女多くの撮影される方々がいらっしゃる中、なんとか2ショットの姿を収める事ができておりました。
 
 
 こうして、415系電車最後の非電化される区間に乗り入れます2877M肥前大浦行きは肥前山口駅を発って行きました。この後、この列車が多良駅で滞泊する事もないまま後述のように戻って行く事にもなります。
 
 (画像が乱れております、ご了承ください)
 
 
 一方、肥前山口駅へやってきておりました2875Mは、本来は後4両を切り離しますが、今回は切り離さずに8両編成のままで折り返しの2884Mとして博多駅に戻ります。この運用がこの鋼製車最後の長崎線運用と言う事にもなりましたが、この後残念ながら運用を離脱する事にもなりますので最後の運用の姿を収める事ができてよかったと思っております。
 
 (博多行き行先)
 
 Fo106編成(左)とFo110編成(右)との連結面です。この415系電車は幌がありませんので、編成間の通り抜けができません。したがって、ずっと顔全体の姿がにらめっこした状態で見られていた訳ではありましたが、このような姿も稼働時に見る事はできなくなってしまっております。
 
 先頭Fo106編成、クハ411-106の車内です。この編成は、元はセミクロスシートでありましたが、ロングシート化・延命工事を行った事でここまで活躍する事ができておりました。しかし、この運行が終わりますと離脱へと至る事にもなりますので、そう思いますとこれが最後の車内画像と言う事にもなりましょうか。
 
 
 こうして、Fo106編成+Fo110編成の博多行き2884Mが最後の肥前山口駅を発って行きました。この2編成は、運用が終了した後は熊本車両センターに疎開のために回送されておりまして、もしかしたら廃車回送になるかもしれない次の「呼び出し」まで待つ事にもなります。

 

 

 一旦改札を出まして、食事をしまして再び入りますと、先程留置線におりました佐世保線最終列車951Mとなります811系電車PM5編成の姿がありました。この後この編成は早岐駅へ向かいまして、改正となります翌朝の運用に備える事になります。

 

 

 951M発車後、4番ホームでは最後の特急「かもめ」となります「かもめ45号」を送るため、そして肥前山口駅から江北駅へ変わる事に向けてのイベントが始まりました。既に最後の姿を見るために多くの方々がホームに見られておりまして、それほど最後の姿を見に来られている事が伺わせておりました。

 

 (司会と関係者)

 

 このイベントの姿は聞き取れなかったため詳しくわかりませんでしたが、江北町の関係者と思わしき方と駅長さんが「感謝」と書かれたボードを持っておられまして、これまでの肥前山口駅に対しての感謝を見せておりました。本当に、明治28年に山口駅として開業、そして大正2年に肥前山口駅となりまして109年での改称でしたのでまさに感謝にはふさわしい所でもありましょうか。

 

 

 この間には、様々な列車の姿が見られておりまして、先程肥前大浦駅へ2877Mとして運行されておりました415系電車FM1516編成が回送されてきておりまして、この後鳥栖方面へ向かって回送して行きました。尚、この編成は大分車両センターへ転属しておりましてFo1516編成に変わっております。

 

 この後には、長崎駅からの最後の「かもめ」となります「かもめ48号」が肥前山口駅に停車・そして発車して行きました。発車の際には「ありがとうございました」と車掌さんが挨拶をされましてから発車へ至ってもいましたが、今回乗務されました車掌さんは、博多駅着前に最後にふさわしいアナウンスをされておりまして、私も「Twitter」で拝見しましたが、涙がこみ上げられるようなアナウンスでもありました・・・。

 

 

 一方、4番ホームでは最後の「かもめ45号」が発とうとしておりました。以下画像が入線前のリハーサルシーン、そしてその下の動画が発車シーンでありますが、指定席のチケットが団体で多く買われていたため早くに完売となっておりまして、満席で肥前山口駅を発って行きました。

 
 (発車シーン)
 
 
 この後、私は次回ご紹介する所へ行っておりましたが、それから最終列車となります2888Mで肥前山口駅へ戻ってまいりました。そして、以下画像の「肥前山口」の行先がこの817系電車では最後という事にもなりましたが、もう翌23日からは「江北」に変わる事にもなりますので、見納めと思いますと本当に残念ではないかと思っております・・・。
 
 
 さらに0時14分、この後には最後の肥前山口行き列車となります2885Mが811系電車PM7編成の運行で2番ホームにやってまいりました。これが本当の「肥前山口」と行先を出す最後の列車にもなりましたが、本当にこれで終わりなんだなという事を実感させられていたのが印象的でもありました・・・。
 
 (側面行先)
 
 このPM7編成は、肥前山口駅着後に転線の上1番ホームに留置されまして、江北駅となりました翌朝の運行に備える事になります。
 
 (1番ホーム入線直後)
 
 この1番ホームには、翌朝の運行に備えてキハ47形気動車の姿がありました。この列車が翌朝の長崎線始発列車2125Dとして諫早駅へ向かう事になっておりまして、非電化となりました長崎線南側のスタートをこの気動車が切る事にもなります・・・。
 
 また、こちらは翌朝の佐賀駅から肥前浜駅へ向かう2821Mとして運行される811系電車PM111編成でありまして中線北側に留置されておりました。この列車は肥前浜駅で折り返した後に門司港駅へ2824Mとして運行される事にもなっておりまして、これまで415系電車が行っていた運用を継承する事にもなっております。
 
 
 そして、こちらも811系電車PM2014編成でありますが、この江北駅では、改正後に5編成も811系電車が留置される事にもなっております。それほど415系電車に代わりまして、811系電車に継承される事にもなりましたが、この811系電車にはこのようなロングシート改造車あれば転換クロスシート車もありますので、編成自体も2パターンがこの長崎線でも見られる事になっている事がお分かりいただけるのではないかと思います。
 
 この編成では、ちょうど調整を行っていたようでありまして、行先が「回送」から「普通 肥前山口」、そして「普通 江北」と変わっておりました。このタイプの行先では初めて江北の行先を見る事にもなりましたが、まさかここで見られるとは思いませんでした。既にこの時間では駅名標も「こうほく」に変わってもいまして、「肥前山口」から「江北」に変わった事をここでも実感するに至っておりました・・・。
 
 (「普通 肥前山口」)
 
 (「普通 江北」)
 
 
 今回は、駅名では最終日となりました肥前山口駅のリポートをご紹介しましたが、冒頭でも述べましたように、私自身もこれまでも利用しておりましたし撮影にもこれまでも何度も出向いていた思い出のある駅でもありましたので、この駅が江北駅と変わる事に関しましては本当に名残惜しい所ではなかったかと思っております。本当に、昨年の改称発表時には反対もしていたほどでしたが、実際に変わった今となれば致し方なかったと思ってなりません。とにかく、現在は江北駅となりまして新たなスタートを切っておりますが、これからも引き続き様々な姿を見せていただければと思っております。