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143 11年ぶり全線開通の只見線は…

給料は上がらないのにさまざまな物品の値上げが行われ、雇用保険料や後期高齢者で所得の多い方の健康保険自己負担もあがるというお先真っ暗なニッポンの10月。

そんな中でも明るいニュースはあります。東日本大震災直後の2011年7月、新潟県と福島県を襲った豪雨で線路や鉄橋で大きな被害が出たため只見駅と会津川口駅の間が不通になっていたJR只見線が本日11年ぶりに復活します。

残念ながら私はその復活に直接立ち会うことはできませんでしたが、1年前の10月14日に只見線に乗っていました。今回はそのときの思い出をつづりたいと思います。このころはまだnoteをやっていなかったので写真も雑で少なめです。

関東と東北にまたがるため時刻表が2ページに分かれます

只見線は新潟県の小出と福島県の会津若松を結ぶローカル線。両県境は日本屈指の豪雪地帯。沿線に大きな町がないうえ、新潟と東北という異なるエリアを跨って走ることから互いに行き来する人が少なく国内全体でみても乗客の少ないローカル線といわれています。

小出駅の時刻表。只見方面に向かうのは(昨年10月のダイヤです)。19:59発は新潟県内の大白川どまりなので県境を超えるのは3本のみです。今回の全線開通で只見行はすべて会津若松行となりました。ただし発車時刻はこのときと異なります。

こんな状況ですので2011年の豪雨で3本の鉄橋が流出したときは、もう只見線の復旧はないのではないかといわれました。しかしながら復旧コスト約90億円は3分の2を地元が負担し、3億円ほどの維持管理費も会津17市町村と県が負担という条件をのんででも路線を残してもらいたいという地域の熱い要望があってこのたびの全線復旧に至ったのです。施設の維持管理は福島県が、運行はJR東日本が負担するという同社では初めての上下分離方式です。

秋の行楽シーズンということもあって、屈指のローカル線という割には結構お客さんが乗っていました。13:15発のキハ110で只見駅へ向かいます。

最初は田園地帯を走っていた線路ですが徐々に奥深い山中に入っていきます。ここ大白川は新潟県側の県境の駅。始発と終電はこの駅発着となります。ここから只見駅までの間20キロは駅がありません。20分以上ノンストップ。ここは六十里越といわれる交通の難所。いまでも豪雪の日には運転を見合わせることもある区間です。以前は田子倉ダム駅がありましたが冬は通過。利用者数も少ないため2013年に廃駅となりました。

只見駅に到着しました。只見駅は広い構内を持ち、ホームから駅舎までは結構距離があります。ここから先、会津川口駅までは代替バスでの移動。距離があるのに只見駅前に停まっている代替バスとの乗り換えは4分しかありません。急げ。

時間がなく会津川口駅到着時に撮った代替バスの写真。観光シーズンの土曜ということもあってすごく混んでいて補助席まで使っていっぱいでした。でも普段はこのバスで十分なくらいなんでしょうね。

代行バスで走る中、不通区間の鉄路を見ることができました。11年列車が走らなかったこの鉄路。長い不通期間を乗り越え今日から晴れて復活となります。

とても長閑ないい景色です。

山深いこの地方ではそろそろ山も黄色く色んでくる頃。バスから見たこの景色もこれからは鉄道から眺めることができます。

只見川のすぐそばにあるホーム。列車の形の花壇がかわいいですね。

バスは会津川口駅前に到着。ここからは再び鉄道に乗って会津若松を目指します。

深まる秋を感じながら只見川沿いを走ります。ここから列車はいくつかの鉄橋を渡ります。それが絶景ポイントとされており只見線かんこうのはいらいとになっていますし、鉄橋を渡る列車を撮るカメラマンも多くいます。

もう少しすると本格的な紅葉の季節。列車から眺める紅葉はそれは美しいことでしょう。雪化粧して水墨画のようになった沿線も観てみたいですね。

絶景を抜けると会津坂下などの集落を抜けて会津若松市へ。西若松で会津鉄道と合流し、会津若松の一駅手前、七日町(なぬかまち)で下車しました。ここは大正レトロな街づくりで新しい観光スポットになっています。駅もそれっぽくなっていますね。

さて、11年の長いブランクを経て晴れて復活を遂げた只見線。
お祝いムードで始発列車は多くの鉄道ファンや地元客を乗せて会津若松を出発しましたが、残念ながら会津坂本駅手前でブレーキ故障。結局初日から代行バス復活となってしまいました。

この列車に乗っていた方の乗車記が早くもYoutubeに上がっていますのでご参照を。

出鼻をくじかれた形になった復活の日でしたが、これから紅葉シーズン。10月はJR東日本は鉄道の日全線乗り放題パスも発売されるので多くの乗客が利用することになると思います。万全の態勢で観光客を迎えていただいてより多くの方に風光明媚な只見線を知っていただきたいと思いました。

noteでははがきよしさんが只見線の沿線風景を紹介されていますので是非ご覧ください。


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ミヤコカエデ(Miyako Kaede)
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