惜別:キハ281系「スーパー北斗」 | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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 JR北海道のキハ281系が、本日をもって定期運用から離脱する。
 国鉄の分割民営化で発足したJR北海道は、鉄道活性化の決定打として稼ぎ頭である函館駅と札幌駅を結ぶ特急列車の高速化を選択した。そのフラッグシップ・トレインとして華々しく登場したのがキハ281系だった。
 キハ281系は1994年に特急「スーパー北斗」として営業運転を開始したが、一往復は速達便のダイヤが組まれ、途中停車駅を東室蘭のみとして函館・札幌間を2時間59分で運転。キハ183系時代よりも30分短縮した。表定速度106キロと在来線特急のトップに躍り出たのは有名だ。
 初めて乗った時の興奮を今でも覚えている。ディーゼルカーとは思えない強烈な加速感、爆走また爆走の韋駄天走りは従来にはなかった痛快な乗車体験だった。
 キハ281系は前頭部の貫通扉に窓があるが、デビューの頃はここまで乗客が入ることが出来た。立ち席だが特上の鉄ちゃんポジションだったのだ。



 スーパー北斗に乗った時は、しばしばこの前面窓からの展望を楽しんでいた。130キロで疾走するスピード感だけでなく、車体が傾くと狭軌の狭さも実感する。何せ、車体幅の3分の1ほどしかないのだ。
 しかしその後、この特上席は安全上の理由で立ち入り禁止になってしまった。

 キハ281系は意外にも少数の製造に留まり、後継車のキハ283系の製造へと移行した。よく似ているが、ヘッドライトが下部に移り、連続窓風だった側窓の処理が変わっている。
 華々しくデビューした高速化の旗手だったキハ281系だが、いろいろと無理があったようでスピードダウンを余儀なくされてしまったのは残念だった。