(前回記事の続き)
JR宗谷本線 音威子府駅
静寂なホームにキハ54形気動車のディーゼルエンジン音だけが静かに響く。
屋根のない1番線ホームは普通列車専用の単式1面1線。普通列車専用のためホーム有効長は短い。
跨線橋を渡る2.3番線ホームは2面2線。特急列車も発着するためホーム有効長は長い。
キハ54が停車中の1番線ホームは跨線橋を渡らずに駅舎と繋がっている。
現音威子府駅舎「音威子府交通ターミナル」。
1990年(平成2年)5月1日に駅とバスターミナルの兼用として落成。駅舎内に「天北線資料室」がある。
みどりの窓口(営業時間は日祝日を除く8時15分〜16時10分)と改札口。自動券売機はない。
将来の廃止が危惧される宗谷本線の名寄〜稚内間、通称「宗谷北線」
音威子府交通ターミナル(音威子府駅舎)には宗谷バス切符売場もある。
宗谷バスは、廃止になった旧・JR天北線(音威子府〜浜頓別〜稚内)の代替バスも走らせるが、音威子府始発は一日2本しかない。
また、1985年(昭和60年)7月1日に廃止になった旧・興浜北線(浜頓別〜北見枝幸)の終点・枝幸行きのバスも発着しているが、こちらは旧・興浜北線に沿って走らず近道を行く。
音威子府交通ターミナル(音威子府駅)の片隅には、2021年(令和3年)2月に廃業した、名物・音威子府駅そば屋が残っていた。
音威子府駅にあった駅そば「常盤軒」(西野商店)の創業は1933年(昭和8年)と古く、鉄道旅行者に有名な駅そば屋だった。かつては駅弁や「バター饅頭」なども販売していた。
以前の店舗はホーム上にあったが、その後駅舎内に移転。
店主夫婦の高齢等の理由により2018年(平成30年)8月17日から2019年(平成31年)4月24日まで休業。営業再開後は、10時30分〜14時00分頃(売り切れ次第閉店)の営業だった。
その後、新型コロナウイルス感染症拡大により2020年(令和2年)2月から長期休業していたが、2021年(令和3年)2月に高齢の店主が亡くなったことにより同年2月8日をもって正式に閉店し、「駅そば好きが最後にたどり着く駅そば」とも云われた音威子府駅そばは、約90年の長い歴史に幕を閉じた。
音威子府駅そばの麺は、1926年(大正15年)創業の畠山製麺の麺を使用。そばの実を甘皮ごと引いた真っ黒いそばに、昆布と煮干し出汁の濃い目のそばつゆが特徴だった。
駅そば屋に麺を卸していた畠山製麺も、1人で切り盛りしていた社長が高齢となったため、2022年(令和4年)8月末で約100年に渡り続いた製麺業は廃業となった。
17時02分、音威子府駅を発車
佐久(さく)駅
天塩中川(てしおなかがわ)駅
糠南(ぬかなん)駅
雄信内(おのっぷない)駅
南幌延(みなみほろのべ)駅
南幌延駅の次に上幌延(かみほろのべ)駅があったが2021年(令和3年)3月廃駅に。
間もなく列車は北緯45度のまち、幌延へ。
※2022年(令和4年)8月上旬