JR北海道キハ141系。
客車から気動車に改造されたというおもしろい車両である。
種車は国鉄50系客車。余剰者となった50系51形(北海道用)が改造され、キハ141系として1990年に登場。現在はキハ141系のエンジン増強型であるキハ143形のみが室蘭本線・千歳線で活躍している。2両5編成しか残っておらず、今や少数派の形式だ。
そして、先日引退予告がされた形式でもある。見納めと称して、苫小牧へ向かった。
少数派といえど、苫小牧や東室蘭に行くと何編成か一緒に見ることができるのでそうは感じない。だがさすが種車が国鉄客車、年季が入るを通り越した痛ましい部分も多く見られた。
車内。
客車時代の面影を残した雰囲気。
クロスシートとロングシートの混合で、クロスシートは1+2列配置。
座席は国鉄気動車に見られる一般的なもの。窓は2重窓。
サボ回り。
キハ143形の現在の運用は、室蘭本線の苫小牧〜東室蘭〜室蘭と千歳線。1日1往復、札幌まで姿を見せている。少数派ながら比較的撮影・乗車はしやすい。また、キハ150系と同等性能で最高速度は110km/hである。高速で走るのを今でも体験できるのは嬉しい。
キハ143形はこれら性能の良さや冷房搭載などの理由から、廃車を免れてきたと言われている。
だが実質50系だから年数も経っているのはもちろんであり、今回の余命宣告は致し方ないだろう。同じ系列でJR東日本に譲渡された、キハ141系700番台(SL銀河用客車)も2023年の引退が発表されている。どちらも早めに乗り納めしておくことをお勧めしたい。
それにしても...
鉄道史上ではいくつもの魔改造が行われてきたけど、中でも客車の気動車化、それもこれだけの規模というのは他に例がない。
また、今は車両の製造・改造の工場と検査場所は別であることがほとんどだが、この改造は全て苗穂でやっちゃってるのというのも興味深い。技術と客車転用の発想がおもしろく、個人的には好きな車だった。
引退は寂しいけど、仕方ない。これが僕の乗り納めになるでしょう。
今回はこの辺で。
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