2022年3月26(土)
2泊3日の佐賀と長崎の旅、島原市の散策を終えたら島原鉄道を完乗するため、島原駅からもう少しだけ南下します。
島原鉄道の歴史はかなり古く、新橋〜横浜間を走った日本で最初の鉄道である1号機関車を、島原鉄道開業時に当時の鉄道院から譲り受けています。
ちなみに1号機関車は、現在鉄道博物館のエントランスに保存展示されています。
今は気動車がのんびり走る風景。
車両基地がある島原船津駅では、たくさんの黄色い車両が休んでいました。
そして唐突にはじまる給油、燃料切れが近かったのかしら。
島原駅からものの10分で、終点の島原港駅に到着。
背後には眉山でしょうか、さっきまで霧に隠れていた姿を現しました。
でも変わらず空はすっきりしない天気です。
島原港駅からさらにレールが続いているように見えますが、これは2008年に部分廃止された名残です。
かつての路線は島原半島の南にある加津佐まで延びており、長さは現在の倍近くありました。
廃止区間が赤字の大部分をしめていたとのこと。
島原港は、島原の海の玄関口です。
熊本港へは2社のフェリーが就航しており、合わせると1時間に1本の頻度はありそうです。
駅から港までは徒歩5分と近く、土産物探しのついでに立ち寄ろうと思いましたが、列車の時間が迫っていたので途中で引き返しました。
世の中にはいろんな自販機があるけれど、そうめんの自販機なんて初めて見た。
島原手延そうめんは手延そうめんのトップブランドで、次に近くに来た時はそうめんを食べようと心に留める。
無事に島原鉄道を完乗したら、あとは来た道を引き返すだけ。
座席は空いていたけれど、海沿いを走るレールを眺めたかったので、しばらく車両のしんがりに立っていました。
海に近い駅として名を馳せた大三東駅ですが、ここ古部駅も海がすぐそばまで迫るなかなか趣深い駅で、途中下車をしたい衝動に駆られました。
ひとりぼーっと海を眺めながら、列車を待ちたい気分です。
島原港駅から1時間15分ほど揺られ、諫早駅に帰ってきました。
諫早駅は、長崎駅に次いで県内で2番目に利用者が多い駅です。
島原鉄道を含めて四方に路線が延びるターミナルは、忙しなく列車が発着します。
新しい駅舎は、西九州新幹線の開業にあわせて建て替えられたのでしょう。
今秋に新幹線がやってきますが、一方で特急街道の長崎本線からかもめが去り非電化となるので、今後は雰囲気がガラッと変わると思います。
次に乗るYC1系は、JR九州で初の蓄電池を搭載した電気式気動車らしいのですが分類が複雑。
基本的には気動車ですが、ディーゼルエンジンで発電した電力とブレーキ時に蓄電池へ充電される電力を組み合わせたハイブリッド車両になります。
顔を縁取るLED装飾灯と、床に並んだQRコードのような柄が特徴的でした。
ちなみにスマホを床にかざしても、QRコードは読み取れませんよ。
諫早駅を出発して、大村市に入ると海が見えてきます。
大村湾は海と言えど外海と繋がっている所が狭く、閉鎖的な穏やかで浅い海です。
湾内には、世界初の海上空港である長崎空港があります。
県内で人口が1位と2位の長崎市と佐世保市を結ぶ大村線、沿線人口も多く車内は大体混雑している印象です。
江北駅から諫早駅が建設されるまでは、こちらが長崎本線だったようです。
写真は、新幹線乗換駅の新大村駅。
新幹線駅と言えど、在来線は単式ホームのシンプルな構造ですね。
西九州新幹線と合わせて、新大村駅とふたつ隣の大村車両基地駅が新たに開業します。
列車は、大村湾の東岸を沿うように走ります。
ここまで海に近い路線もなかなかないです。
あまりに海や川に近いと、最近は自然災害のリスクが高くなりますが、大村湾は穏やかなので無事であって欲しいと願うばかり。
そして、大村線で海に近い駅として有名な千綿駅。
青春18きっぷのポスターにも選ばれています。
現在の駅舎は比較的新しいですが、開業当時からの駅舎をイメージしており、瓦葺き屋根の木造駅舎は風情があります。
しだいに、雲の切れ間から陽が差し込んできました。
陽の当たり具合で海は色を変えるので、ずっと見ていても飽きません。
スマホを開いてみると、明日にかけて天気は回復するとのことでほっとひと安心。
諫早駅から約1時間、ハウステンボス駅で下車します。
向かいには博多行きの特急車両が停車しており、ハウステンボスを去る乗客が急ぎ足で次々に乗り込んでいきます。
ハウステンボスは、大村湾の湾口を塞ぐように位置する針尾島にあります。
大村湾と外海を繋ぐのは島の東西にある瀬戸だけで、駅を出てすぐのハウステンボスへ渡る橋は、島の東にある川のような早岐瀬戸に架かります。
あわよくばイルミネーションの前に夕日に染まるチューリップを撮りたいと思い、日没の1時間前に到着しましたが、がっつり曇り空でした。
やはりイルミネーション目当ての人が多く、この後も次々に観光客が訪れていました。
次回は、ハウステンボスの園内を散策します。
ではではノシ