[ 国立公園鉄道の探索 ]
サロマ湖の風景 (網走国定公園)
サロマ湖は大きな湖です。面積は152㎢で、周囲は約92kmあります。
琵琶湖、霞ケ浦に続いて国内で三番目に広い湖ですが、汽水湖としては全国一の大きさを誇っています。
茫洋たる風景ばかりではなく、濃やかな入江もあり、一帯は「網走国定公園」の指定区域となっています。
7つの湖沼と丘陵、砂州、美しい植物がみられる草原地帯からなる網走国定公園は1950(昭和25)年に道立公園として誕生しました。
ただ、この段階では、地方自治体が条例で公用制限を行うことができない状況でした。
「地方自治体が公園条例によって一般の私有地に特別地域を定めて工作物新築や木竹伐採などの規制を行うことは、法制上疑義がある」との見解を当時の法務庁が示したからです。
その後社会情勢の変化により、1957(昭和32)年6月に自然公園法が公布され、地方自治体が指定する自然公園でも、国立・国定公園の規制の範囲内で規制をかけることが出来るようになりました。
ただ、北海道民の、この一帯を道立公園以上の自然公園として位置づけたい、という思いは強く、後押しされるように翌1958年に国定公園に昇格することになりました。
砂州まで距離がある湖岸から眺めると、本当に広い湖だと感じられます。
明治の文豪・大町桂月が「龍宮へ至る道ではないのか」と絶賛した、サロマ湖とオホーツク海を仕切る砂州。
その先端付近には「龍宮台展望公園」があり、海と湖双方の展望が叶います。
「龍宮展望台」の先には海へ通じる「サロマ湖第1湖口」があります。
開削の経緯などが記された石碑が重々しく建っていました。
サロマ湖の風景を眺めてみます。
こちらは、冬には流氷も接岸することもあろうかという海側の風景です。
海面と展望台の間には漂流物などが散乱する浜辺が広がっています。
龍宮展望台からは、荒々しい海岸と穏やかな湖岸、動と静、対照的風景を眺めることが出来ます。
砂州の内側・サロマ湖側は、展望地と湖面の間にはしなやかな湿原風景が挟まれます。
こちらは、サロマ湖の奥深くにある「ピラオロ展望台」です。
柔らかな山の斜面や漁港が見下ろせます。
湖というより海の内湾の景色のように感じられました。