JR東日本は16日(金)、横須賀線武蔵小杉駅の新しい下りホームの供用、並びに新規改札口の整備について公表しました。今回はこれについての分析です。

https://www.jreast.co.jp/press/2022/yokohama/20220916_y1.pdf

https://www.jreast.co.jp/press/2022/yokohama/20220916_y2.pdf

 

1.横須賀線武蔵小杉駅の新ホームの供用

 現在の横須賀線の武蔵小杉駅ホームは1面2線となっており、下図の通りホームは線路に挟まれた形で設置されています。

(図はJR東日本ホームページ「駅構内図」から引用)

 

 横浜・相鉄線方面へ向かう乗客と、新宿・東京方面へ向かう乗客がどちらも同じホームで列車を乗り降りするため、ホーム上が混雑していることが課題となっています。そこで、新しい下り線ホームを造り、横浜・相鉄線方面へ向かう乗客は新ホームで乗り降りしてもらうこととして、ホーム上の混雑を緩和しよう、というわけです。現在のホームは新宿・東京方面行き専用ホームとなり、下り線側は柵で仕切られます。

 工事が順調に経過した場合、12月18日(日)から新しいホームの使用が開始されます。

 

2.新しい改札口の設置

 現在、武蔵小杉駅では新しい改札口の設置工事が進められています。新しい改札口は横須賀線と南武線の連絡通路の途中に設置されます。

 この改札口の新設にあわせ、川崎市は横須賀線ー東急線の乗り換え通路を新規整備しており、どちらも2023年度中に使用開始される見込みです。これにより、武蔵小杉駅が抱えるもう1つの課題についても、抜本的な解決が図られそうです。

 

 現在、横須賀線ー東急線間で乗り換える場合、

 

(1)北改札を使い、南武線ー横須賀線の連絡通路および南武線の立川方面行きホームを通る。

(2)新南改札を使い、屋外の公道を通って乗り換える

 

の2通りあり、(1)がメインの乗り換え動線となっています。しかし、南武線の立川方面行きホームは、南武線の列車を乗り降りする乗客と、横須賀線ー東急線を乗り換える乗客とが交錯しており、激しい混雑や安全性の確保が課題となっています。

(1)のルートを避ける場合は、(2)の新南改札を使用することになりますが、遠回りなうえに県道を信号で渡らなければならず、タイムロスが発生します。また、屋根がないため、悪天候の日は非常に使いづらいものとなっています。

 

 今回整備される乗り換えルートは歩行者専用道路であり、上記の2ルートよりも距離は短いようです。また、上屋も整備され、雨の日でもぬれずに移動できようになるほか、県道との交差部分も県道をくぐる形となり、信号待ちの必要もありません。

 この改札口と連絡通路整備により、来年度以降は横須賀線ー東急線の乗り換えの改善と、南武線ホームの混雑緩和が一気に実現しそうです。

<参考> JR武蔵小杉駅新規改札口設置工事に関する施工協定について

https://www.city.kawasaki.jp/980/cmsfiles/contents/0000139/139155/R040601_2(1).pdf

 

3.まとめ

 いかがでしたでしょうか。私も駅開業から3年間、通学のために横須賀線の武蔵小杉駅を使っていましたが、そのころから「南武線立川方面行きホームの混雑」「横須賀線ー東急線の乗り換え動線の整備」が課題となっていました。ここにきて、この2つの課題解決がいよいよ具体的になった形です。

 新駅開業から12年が経過し、利用者や駅周辺の人口も大幅に増加しましたが、その中でもより安全に利用できる駅づくりのめどがたったことはとてもよいことだと考えています。一連の整備が終わった段階で、現場を取材することを考えておりますので、その際はまた記事にアップする予定です。お楽しみに!